新しい旅のカタチ ウチに泊まったゲストに会いに行こう! 2024年ヨーロッパ編
熊野古道にあるカフェ&宿「熊野野菜」には世界中から旅行者がやってくる。日本では熊野古道を知らない人も増えてきた中、世界では「日本で訪れるべき場所として2020年」として認知されており、来た人たちの口コミでさらに知られるようになった。そして、コロナが開けた2023年には、今まで以上にたくさんの人が訪れてくれた。アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中東、アジア・・・・と、本当に世界中から人が集まる場所となっている。
旅といえばグルメとか世界遺産とか、今まではどこに行くかが目的だったものが、今の時代、少し変わってきている「Visiting Friends and Relatives (VFR)」という言葉を聞いたことがあるだろうか?友や知人と会うことを目的とした旅のことで、「観光」や「ビジネス」と並び、旅の三大目的のひとつと言われています。
熊野古道が世界中の人に人気な理由は、このVFRが深く関係しているのだと思います。今回、ウチのゲストたちとの再会の前に、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道で110キロほど歩いてきました。ここは熊野古道と並び巡礼道として世界遺産となっており、熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラの道の二つ道の巡礼を達成した人を「二つの道の巡礼者」とし、各巡礼道の条件を満たすとそれぞれ達成した証明証をもらえ、さらに両方の巡礼を達成すれば、「二つの道の巡礼者」限定ピンバッジを贈呈していたりする。熊野古道に来た人たちの中にはサンティアゴ・デ・コンポステーラを歩いてきた人たちも多く、いろいろと話を聞く中で、興味を持ち、今回の旅行で6日間かけて歩いてきました。
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道とは?
熊野古道とならぶ世界文化遺産であるサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道。サンティアゴ・デ・コンポステーラ教会へと続く巡礼のための道のことであり、ヨーロッパ各地より道がある。特に有名なのは「フランス人の道」と言われるこの黄色いところである。全長は800kmとなり、だいたい40日間で歩く。今回、私はこの黄色の道の110kmほどを歩いてきました。
旅日程と距離
1日目 サリア(Sarria)からポルトマリン(Portomarin)22.4km
2日目 ポルトマリン(Portomarin)からパラス・デ・レイ(Palas de Rei)25km
3日目 パラス・デ・レイ(Palas de Rei)からメリデ(Melide)14.8km
4日目 メリデ(Melide)からアルスア(Azua)14km
5日目 アルスア(Azua)からアルカ(A Rua)19.1km
6日目 アルカ(A Rua)からサンティアゴ22km
7日目 サンティアゴ・デ・コンポステーラ観光
この巡礼道を歩いてきて熊野古道の魅力が理解できた。それは先ほどにも書いたまさにVFRの体験に近いものがある。巡礼道ではだいたい皆が同じペースで歩くことが多い。そのため道で出会った同じ旅行者と数日間から40日間(※フランスの道800キロでは最大40日間かけて歩く。巡礼の道をどこから歩くかで日程も変わってくる)で出会った人たちと会話し、時には顔見知りになり、また歩いている間に再会する。そして価値観が近い人が多いため、まるで昔から知っていたように、友達になっていく。こんな旅を体験できる場所は世界中でも少ないのではないかと思う。そのためリピーターも多いし、巡礼道を何回か分け、何年もかけて歩いたりする人もいる。(私も次はポルトガルから入る巡礼道を歩こうと思っている。)
さて旅の後半は、世界中から熊野古道に来てくれた人たちの街に実際に行って再会する!「ウチに泊まったゲストに会いに行こう!In the world!」という、まさにVFRを目的とした、ヨーロッパの3カ国チェコ、ドイツ、オランダ(そして先のスペインを入れると4カ国)をひとりで旅してきた。
2024年冬の旅の具体的な日程
東京からアムステルダム経由の飛行機でスペインマドリードへ。スペイン国内は列車で。また、スペインからチェコへは国際線飛行機で。
バス、鉄道を駆使し、チェコ、ドイツ、オランダを巡りました。
1カ国目スペイン巡礼道旅
マドリード
サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼道
マドリード
トレド
2カ国目チェコ
3カ国目ドイツ
シュトゥットガルト(Stuttgart)
ルートヴィヒスブルク(Ludwigsburg)
ヴュルツブルク(Wurzburg)
アポルダ(Apolda)/ヴァイマール(Wartburg)/エアフルト(Erfurt )
ベルリン(Berlin)
4カ国目オランダ
アーネム(Arnhem)
デン・ハーグ(Den Haag)
セルトーヘンボス(Hertogenbosch)
ロッテルダム(Rotterdam)
ハールレム(Haarlem)
熊野野菜のゲストたちと約束した再会を実現する
そもそも旅行が好きな私は、あなたの街や国に行く時に連絡をとってよかったらあなたのアドレスや連絡先を書いていって欲しいというノートや世界地図を用意している。カフェや宿に来てくれた人たちの中には、そのノートや世界地図に連絡先を残してくれた人たちがいて、今回はその人たちに実際に連絡を取り、会いにいってきた。
【ウチに泊まったゲストに会いに行こう!】
ヨーロッパ編
1、チェコ プラハ(Prague)編
2、ドイツ シュトゥットガルト(Stuttgart)編
3、ドイツ ルートヴィヒスブルク(Ludwigsburg)編
4、ドイツ アポルダ(Apolda)編
5、オランダ アーネム(Arnhem)編
6、オランダ デン・ハーグ(Den Haag)編
番外編 スペインで出会ったシンガーを目指す彼女
番外編 18年ぶりの再会
今回の再会旅で共通していたのは、彼らの素晴らしいホスピタリティ。熊野古道で1度会っただけの私に楽しんでもらうために、たくさんのことを考えてくれて、予約してくれていたり、料理を作ってくれたり、観光に付き合ってくれたり。
そもそも、なぜ私がこんなことをしているかと言うと。若い頃はたくさんの物を所有したり高いものを買ったり、美味しいものを食べたりすることが人生を豊かにすることだと思っていました。でも、歳をかさねるにつれて、美味しいものを食べても高いものを買っても美しい景色を見ても、昔ほど感動することは少なくなりました。きっと慣れてきたんだと思います。会社員だったけれど、年に何度も旅行に行き、たくさんの素敵な場所や美味しいもの、そこにしかない物を買ってきたけれど、人と出会うことと比べたら、ぜんぜん大したことではないと感じたのがきっかけです。人と会ったり、人と話したりすることは、毎回新しい驚きや気づきがあったり、その人たちを幸せにするためにお金を使ったり行動したりすると、結局自分が一番幸せになることに気づいたんです。なので、世界中に訪れることができる友達をたくさん作り、本当の意味で人生を豊かにできるよう、残りの人生を生きていけたらいいなと思って、こんなコトをはじめました。
来年は、アメリカやカナダに行こうかと構想中ですが、まだ、決めてません。だって、来ていいよと、会いにおいでと、言ってくれる人たちに私は会いに行きたいから。
こんな私に興味が湧いた人は、ぜひ、熊野古道を歩き、熊野野菜に来てください。カフェでお待ちしてます。