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きけないでいること。
いつかこの日々が思い出になったら、
それくらいの時間が流れて
いためたこころが安らぎで満たされたなら
その時には聞かせてほしい
この瞬間をどんなふうにあなたが生きたか。
そう思いながら過ごした一年でした。
忘れ物を取りに帰るようにはゆかない。
学校生活の最初の、最後の、数年目の一年が今年であったことも、目標にしてきた試験に十分な準備ができたか、させてあげることができたか問いかけながらその日を迎えようとしていることも。
憧れて学んできたことを職業にすることが難しくなってしまったことも。
永い永い旅にでるひとを見送る日がいまであったことも。
忘れ物を取りに帰るようには取り戻せないのだと思い知る一年でもありました。
いま学んだことを積み上げることが大切であるひとの時間も、記憶が遠くなりつつあるひとの時間もかけがえのないただひとつのいのちの刻であること。
天秤にかけることができるのはあなたでもわたしでもないことをなさねばならない日が、それを誰かに負わせる日が来ませんように。