【中学受験】学校別模試の判定はブレやすい

多くの難関校受験生にとって、合格可能性を確認する最も有力な判断材料となるのは学校別模試です。
首都圏の場合、学校別模試の中でも信頼性が最も高いのは学校別サピックスオープン(以下「学校別SO」)で、主な難関校(開成、桜蔭など)については11月23日に2回目の学校別SOが実施されました。

学校別SOの最大の特長は「圧倒的な受験者数」で、例えば2020年11月の開成SOでは920人(本番受験者1051人の約88%)が受験していました。
問題そのものは難易度が高すぎる場合もありますが、入試本番の約10週前に実施されること、母集団が入試本番に最も近いことから、学校別SOの判定結果には重みがあります。

ただ(学校別SOに限らず)学校別模試の結果を評価する上で大切なのは、学校別模試の判定はブレやすいということです。
そのため「合格可能性○%」という数値上の結果だけでなく、内容も精査して評価する必要があります。

次のデータは学校別SOについて、各校の合格者(※1)の1回目と2回目の判定結果の差(※2)を集計したものです。
※1:開成、筑駒、桜蔭、麻布などの合格者(のべ43人)
※2:1回目が合格可能性30%、2回目が40%の場合は10%(40-30=10)

50%⋯2人、40%⋯5人、30%⋯5人
20%⋯5人、10%⋯9人、0%⋯17人 

全体の約6割(43人中26人)は、ほぼ同じ判定結果(差が10%以内)が出ていましたが、差が30%以上の合格者も3割近く(43人中12人)います。
また、1回目80%→2回目40%というように、2回目が1回目より30~40%下がっていた合格者も5人います。

判定結果が大きく下がっていた合格者にほぼ共通するのは、2回目はミス等による失点が重なり、本来の実力が反映されていなかったことです。

学校別模試では受験者の実力が拮抗しているため、少しの失点で結果が大きく下がる傾向があります。
例えば、先日の開成SOの算数では、ミス等により6点の問題を1問落とすだけで偏差値は5近く下がりました。

判定結果が悪いと志望校変更を検討される方も多いのですが、その原因が明らかなミス等によるものであれば、本番で挽回できる可能性があります。
特に判定結果が大きく下がった場合には、数値上の結果だけでなく、内容を精査した上で冷静に判断されることをおすすめします。



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