「プラスαの課題」を普段の学習に組み込む方法
別の記事で「プラスαの課題を普段の学習に組み込む」ことをお勧めしましたが、実際には上手くいかない(開始できなかったり、開始しても継続できない)ケースも多いかと思います。
中には「やる気がないから出来ない」というケースもありますが、真面目でやる気があるにも関わらず、なかなか上手く行かないケースも多いのではないでしょうか。
そのような場合に私がお勧めしているのは、プラスαの課題を消化するための「仕組み」を作り、継続的に取り組んでいくという方法です。
例えば、6年生のサピックス夏期講習は「授業(13時30分~19時30分)→翌日の授業までに復習を行う→授業で復習テスト実施(クラス昇降あり)」という流れになっていますが、大半の生徒は「復習に手一杯で、他の課題を行う余裕がない」という状況になっています。
その状況で「プラスαの課題」の時間を確保するために、私がお勧めしているのは「夏期講習の復習は翌日10時までに行い(課題が残っていても強制終了する)、10時以降にプラスαの課題を行う」という方法です。
この方法を提案すると、夏期講習の復習にかける時間が70%程度になってしまうため「復習が全然終わらないのではないか」「復習テストの結果が悪く、クラス落ちするのではないか」と心配される親御様もおられます。
しかし、実際に開始してみると上手く行く(大きな支障がない)ケースの方が多いです。
「時間が70%になると、消化できる量も70%になる」と考える方が多いのですが、実際には「締め切り効果」で集中力が高まり、80~90%は消化できるケースが多いです。
その場合は、余剰時間(翌日10時以降)で過去問演習や中学への算数(日日の演習)など「プラスαの課題」を進められるようになります。
この方法は、夏期講習の時期に限らず、平常時の学習においても大きな効果を発揮します。
新刊(難関校合格への99の戦術)でも書きましたが、私は難関校受験生には「中学への算数(日日の演習)」を(バックナンバーを含めて)30冊行うことを勧めています。
日日の演習は、難関校入試レベルの応用問題が1冊につき約20大問ありますので、30冊だと600大問以上ということになります。
算数の得意な受験生や親御様も「本当に30冊もできるのか」と疑問に思われるケースが多いかと思います。
私は直接指導している受験生には、日日の演習を宿題として行ってもらい、毎回の授業で確認テストを実施しています。
授業は年間25回(隔週)あり、6年生の1年間で25冊が自動的に完了しますので、それ以外で5冊を行えば30冊に到達することになります。
これと同じ方法でなくてもいいのですが、一定以上の強制力がなければ、日日の演習を(2週間に1冊などのペースで)年間を通してコンスタントに進めていくことは難しいのではないかと思います。
「プラスαの課題」を普段の学習に組み込むためには、何らかの「仕組み」を作り、継続的に取り組むという方法が有効です。
実際に行ってみると意外に上手く行くケースも多々ありますので、試してみる価値はあるかと思います。
※新刊『開成合格率79%の東大卒家庭教師が公開する 難関校合格への99の戦術』が6月19日に発売されました。
https://www.amazon.co.jp/dp/475393568X/
内容紹介(目次)
https://note.com/kumano_takaya/n/n0fabcc15c344