難関校受験生が早めに行っておきたいこと

首都圏難関校を目指す5年生で、早稲アカの「学校別ジュニアオープン模試」(12月1日実施)を受験された方も多いかと思います。
6年生になると学校別模試の受験機会も増加し、首都圏ではサピックス、早稲アカ、四谷大塚、希学園、グノーブルなど、多くの塾が学校別模試を実施しています。

注意したいのは、普段の塾テスト(マンスリーテスト、組分けテスト、サピックスオープンなど)と学校別模試の結果に大きな差がある場合です。
特に開成模試においては、サピックスのα上位生が開成模試では平均点を大きく下回るなど、普段の成績とギャップが生じるケースも多々あります。

学校別模試を単発の結果で評価することは難しく、プレッシャーや不慣れが原因で本来の実力が反映されていない可能性もありますが、実際に厳しい(基本・標準問題には対応できても、本格的な応用問題には対応できない)ケースもあります。
特に後者の場合には、早めに対策を進めておく方がいいかと思います。

難関校対策として早めに行っておきたいのは、学習内容の「強度」を上げることと、学校別模試や古い過去問で「立ち位置」を確認することです。

前者については、塾のフォロー(授業後の復習、宿題、テスト対策など)に費やす時間を少し減らし、その時間で総合問題集(『プラスワン問題集』など)や、本格的な応用問題(『中学への算数』の日日の演習など)に取り組んでいくことが有効な対策となります。

特に、本格的な応用問題は取り組む期間が長いほど、また演習量が多いほど対応しやすくなります。
断片的に(解ける問題だけ)解くという感じでも構いませんので、早めに本格的な応用問題に触れる機会を増やしていくのがいいでしょう。

後者については、学校別模試を受験することが手っ取り早い方法です。
主要難関校については、比較的早い時期から学校別模試が実施されていますので、積極的に受験していくのがいいかと思います。

直近で学校別模試が実施されない場合は、古い過去問(15~20年前など)を行ってみるのもいいでしょう。
古い過去問は(最近の問題とは)出題傾向や難易度が少し違っていることも多いのですが、ある程度の「立ち位置」を確認することができます。

私は、開成と桜蔭志望の生徒には、各校の古い過去問8年分(2005~2012年、算数のみ)を5年生後半の宿題として取り組んでもらっています。

例えば、開成2005年(平均実施時期は5年生10月)の各問題の正答率(部分点込みの得点率)は次の通りです。
平均正解数は10問中4問程度ですが、サピックスのα上位生(偏差値65以上)でも正解数が2問以下のケースもあります。
他の年度を行っても同様の結果が出る場合には、学習計画の全面的な見直しを含め、早めの対策を生徒や親御様に提案しています。

大問1(1)91%(2)9%(3)86%
大問2(1)72%(2)53%
大問3(1)2%(2)5%
大問4(1)82%(2)18%(3)12%

※古い過去問は、四谷大塚の「過去問データベース」でダウンロードできますので、こちらを活用していただくといいかと思います。


難関校受験生にとって、リスクが高いのは「強度の低い学習を続ける」ことと「現状(立ち位置)を把握できていない」ことですが、この2点を避けるだけでも、難関校受験の成功率は確実に上がります。

特に5年生で難関校を目指す方は、いい状態で新年度(6年生)を迎えるべく、今回の内容をご参考いただければ幸いです。

■サイト「中学受験の戦略」(オンライン授業の案内など)
https://www.kumano-takaya.com/

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■著書『開成合格率79%の東大卒家庭教師が公開する 難関校合格への99の戦術』
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