【実績あり】アリゲーターガーを国内で3匹釣った話
今から2年前の夏。
私は関東最大級を誇る荒川にてある魚と戦っていました。
日本にはとてもいなそうな姿形をしているその魚は、どうしても釣ってみたいターゲットと化していました。
テレビなどで報道されていたことから、ご存知の方もいるかと思います。
その魚の名前は「アリゲーターガー」。
私は実に3匹のアリゲーターガー(どれも別個体)を釣りました。
この記事では実際にアリゲーターガーを釣った感想から、釣るために使用したタックルやエサについて詳しく解説します。
アリゲーターガーとは?
アリゲーターガーは北アメリカ大陸に生息する最大級の淡水魚と呼ばれ、ワニのような鋭いクチバシが特徴的。
全長2m級まで成長すると言われ、近年では鑑賞目的で移入されていたが飼いきれなくなった飼い主により河川などに放流されてしまっている。
米国では人気ある、釣りターゲットでもある。
現在は特定外来生物に指定されており、許可なしでアリゲーターガーは飼育できない。
心揺さぶる怪魚『アリゲーターガー』
私がアリゲーターガーと出会ったのは実に2年前の2016年 春。
春の暖かい時期にちょうど荒川でハクレン釣りをしていた時でした。
荒川には実に数多くの魚が生息しており、中国原産のハクレンもその1匹です。
当時の私はこのハクレンを狙いに荒川へと釣行に出かけていました。
そしてアリゲーターガーとの出会いは突然でした。
ハクレン釣りはヘラブナ釣りと似ていて、ダンゴエサと呼ばれる練り餌系のエサを何度も投入して釣ります。
そのため一箇所で釣りをすることが多い釣り。
この日はちょうど晴天無風で、水面の状況が分かりやすい日でした。
ちょうど日が照り始め、日差しが強く差し込む時間のころヤツは姿を現しました。
なんとも悠々と水面を泳ぐ姿。
以前からアリゲーターガーが生息しているという情報は聞いていただけあって、本当に荒川に生息しているとは思いもしませんでした。
水面にポケーと浮き、泳いでいる姿は獰猛にエサを追いかけるようには見えませんでした。
ちょうど怪魚用と呼ばれる、大物が狙えるタックルを持参していたので、ワイヤーリーダーとあらかじめ準備しておいた魚の切り身をエサにアリゲーターガーの鼻先に落としました。
バクバクな心臓の鼓動が聞こえる・・
それでも意識は冷静で、竿先に神経が集中する。
ドクン、ドクン、ドクン、おりゃあ!
ズッシリとした重みが竿に伝わる
細長いクチバシをした顔が水面に現れる
見事、網で掬うことに成功!
デカすぎでしょ・・・
↓↓↓動画に収めていました。
淡水魚としては上出来すぎる体長と体重です。
サイズ: 91cm
重量 :12kg
日本ではこんなに大きな淡水魚はなかなか釣れません。
日本在来の魚であれば鯉ぐらいしか当てはまらないでしょう。
何よりもアリゲーターガーは肉食魚です。
獰猛そうな顔をしていますが実際の遊泳スピードは遅く、生きたエサには無反応のような魚でした。
釣り上げた時の突っ込むスピード感はありました。
【コラム】 アリゲーターガーの口は怪獣のようだった
上顎にガッチリと釣り針が刺さっています。
けど意外と愛くるしい顔をしています
上の写真ではクチバシの上部に針がガッチリと刺さっていますが、非常に硬かったです。
硬すぎるクチバシの口内を、よくも刺さったなというのが率直な感想です。
鋭い歯がクチバシに乱立しているため、原産国であるアメリカでは胃に到達するまで釣り針を飲ませてからフッキング(*竿を思い切り立てて、釣り針をかける)をするそうです。
ワイヤーリーダーを使用し、30秒ほどラインを送り込んでからのフッキングでしたがそれでも口先に釣り針はかかりました。
他2匹のアリゲーターガーも釣る
詳細のサイズは忘れてしまったが、80cm後半でした。
魚の切り身を鼻先に落とすと食べました。
当時は複数匹、確認できるほどアリゲーターガーの魚影が濃かった。
そのため調子に乗っていた私は、釣れるだけ釣ってみようと考えていました。
タックルもアマゾンでピラルクを狙うかのようなゴツいタックルを持ち込むようになりました。
そして3匹目。
ついに1メートルを越す大物が釣れました。
少し細身な個体でしたが、圧倒的な大きさに持ちあげるのも一苦労。
重量は測れなかったものの、サイズは105cm。
迫力のあるサイズですが、これよりも大きいアリゲーターガーがいるのを見かけました・・。
どうなっているんだか、日本の河川とは思えない不思議な光景を見ました。
アリゲーターガーの誘い方/タックル
アリゲーターガーの日本に生息しているだろう絶対数は多くはないと思います。
しかし繁殖している可能性は否定できず、今後も全国各地でアリゲーターガーを見かける頻度が増えるかもしれません。
誰得の情報ですがアリゲーターガーを見つけた時、釣ってみたいと思ったらこのページでタックルや釣り方について参考にしてみてください。
ロッド
怪魚釣り用のロッドを使用。
アリゲーターガーを釣るにはしっかりとしたロッド(釣り竿)が必要になります。
あいにく私は怪魚用のロッドを使用していたこともあり、アリゲーターガーの強烈なファイトにも対応できました。
1m近い個体は10kgクラスの重さになるので、粘りがありバット(ロッドの根元あたり)から勝負ができるロッドがおすすめです。
怪魚用のロッドは大物用に特化していますが、市販用のロッドだと折られてしまう可能性が上がります。
他に代用できるロッドとしては、XHクラスのバスロッドや雷魚用のロッドを使用するといいでしょう。
パワーのある魚なので、パワーで対抗できる強いロッドを選ぶようにしましょう。
リール
私がアリゲーターガーを釣るのに使用したメインリールは、REVO Big Shooter (レボ ビッグシューター)です。
このリールはハイギアで、PEライン号がm巻けます。
パワーのあるヒキなので、ドラグは強めのリールを選ぶようにしたいです。
基本的にはバス用のリールで十分ですが、ドラグ力、太いラインを巻けるリールを選ぶようにしましょう。
現在は最新のモデルも発売されています。
ライン
ラインは障害物などに擦れても強いPEラインがおすすめです。
針先にワイヤーのリーダーを取り付けるので、メインラインはしっかりとファイトできるものを選びたいです。
ちなみに私はPEライン5号で挑みましたが、ファイトには問題ありませんでした。
*アリゲーターガーの歯は非常に鋭いため、普通の釣り糸だけではどんなに太くても切られてしまう可能性が高いです。
そのため先端には、頑丈なリーダーを組みます。
私が使用したPEラインはサンライン(SUNLINE) PEライン バス スーパー 70m 5号 56lb ディープグリーンです。
釣り針/リーダー
アリゲーターガーを釣るのに一番重要なポイントと言っても過言ではないのが釣り針とリーダーです。
釣り針とリーダーはアリゲーターガーを釣るのに一番悩みました。
アリゲーターガーは口の構造上、針を内蔵付近まで飲み込ませてからアワセをいれます。
そのため針をどのくらいのサイズにするかは悩むところでした。
またリーダーはワイヤーリーダーを使用します。
通常、ワイヤーリーダーはタチウオやイシダイのような口先に鋭い歯を持つ魚釣りで使用します。
アリゲーターガーも同じで、ワイヤーリーダーを使用しないとスパッと糸が切られてしまいます。
【悩み】針はシングルフック?トリプルフック?
針の種類にも気を使いました。
というのも、シングルフックだとアリゲーターガーがエサを飲み込みやすい一方、万が一飲み込めない場合は針がかからないといこともおきます。
実際に何度かそれでバラすこともありました。
他方でトリプルフックは口周りにかかってしまった場合でも、3本の針があるのでかかりやすいです。
しかしトリプルフックはフッキング時に力が分散されてしまうため、途中で外れてしまうようなこともありました。
いずれにせよ、ワイヤーリーダーと太軸のフックは用意するようにしましょう。
エサ
エサは意外にもシンプルで、魚の切り身です。
サンマやアジなどの切り身はもちろん、ボラ、外来魚であるブルーギルの切り身でも食べます。
生きているブルーギルを泳がせて狙ったこともありますが、死んでいる魚のほうが反応が良かったです。
大きい図体をしていますが、泳ぐスピードはゆっくりなため小魚を追いきれないのかと考えています。
アリゲーターガーの誘い方
一般的な魚はエラ呼吸を通じて酸素を吸収しますが、アリゲーターガーは水面に顔を出し空気呼吸も行います。
特に晴天や無風状態の時、水面近くに顔を出すタイミングが勝負になります。
そしたらアリゲーターガーが気づける範囲にエサを投げ込み、フリーフォールでエサを落とします。
この時点で、アリゲーターガーが水底に落ちてくエサを追いかけ始めたら期待できます。
落ちたエサを捕食すると、糸がスーと走り出します。
ここからはラインテンションをかけずに2-3分待ちます。
現地の釣りは10分から20分ほど待って、フッキングをかけるらしいです。
私の経験則で話すと、2-3分でも喉元あたりに釣り針が到達していることが多かったです。
ファイトは首を激しく降り、一時的に強烈なファイトをします。
とにかく日本の淡水魚では考えられないような重みのあるヒキをしますので、油断せずにやり取りしましょう。
アリゲーターガーを釣ってみて
2016年、確かに私は国内でアリゲーターガーを釣りました。
荒川の河川敷で、その奇妙なほど大きな個体を眺めながら釣り竿を構えていたのを思い出します。
あれから2年(2018年)が経ち、テレビでも報道されていた名古屋城のアリゲーターガーも捕獲されたと聞きました。
メディアからの取材を受ける面白い経験をしましたが、少し誇大なイメージを持って報道されたアリゲーターガーは意外とおとなしい魚だったなと感じています。
例えば、有名な外来魚であるブラックバスは人気な釣り魚ですが、動く生き物ならほとんど捕食してしまいます。
また釣り堀などで見かけるニジマスやイワナのような渓流魚もキラキラと光るルアーなどに激しく襲いかかります。
しかしながらアリゲーターガーはというと、生きている小魚への反応もイマイチ遅く、襲いかかるような獰猛さはありません。
それよりかは魚の死肉を食い漁る控えめな性格をしていました。(見た目によらず)
もちろんズッシリとした重量感、大きさは間近で見ると興奮しました。
2017年に特定外来生物として認定されたアリゲーターガー。
危険な外来生物として認定されましたが、特有な釣り方ができました。
そしてまだ、国内にアリゲーターガーは生息していると思います。
もし見かけた際は、しっかりとしたタックルでアリゲーターガーを釣ってみるのも良いかもしれません。
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