副業サイトでのトンデモ体験とつながりムーブメント
ある時、副業サイトで見つけた仕事の面接に出かけた。
面接が始まってみると、アポ連絡をくれていた担当さんはノリノリなのに、お店のオーナーさんらしき方はどうにも気乗りしていない様子。
当然ながら、仕事に繋がるはずもなく面接終了。
オーナーさんらしき方は感じのよい方で、そのお店自体にも興味がわいたので、後日客としてお邪魔してみた。
オーナーさんの話によると、担当者かと思っていた人はちょっとした知り合いでお店とは全く関係なく、お店では全く募集していないのにちょくちょく人を紹介してくるんだとか。
「副業サイトに掲載されてますよ」と話したら、驚かれていた。
「友達が○○やってるからよかったら紹介するよ」のように何かと口利きをしたがる顔見知りの年配の方がいる。
顔を合わせた時に紹介するよ~くらいなら、単なる会話のきっかけの一つだと思うし、ありがたく受け止めている。
それが、オーナーさんの時間を無駄にし、レジュメまで作って出かけて行った私に交通費を払うでもなく、掲載無料とはいえ自分も手間ヒマかけて求人までして口利きしたがるとなると、どういう心理なんだろう⁇
仮に採用されたとしてもその人に紹介料が入る訳もないのに。誰得なん⁇
バイト募集の「週二日からOK⇒土日二日は出勤必須」「30代活躍中⇒40代以上は対象外」の暗喩を知らずにノコノコ面接に出かけていって、求人先から無下にされることにはすっかり慣れている。
それなのに、この謎の口利き事件になぜかモヤモヤし続けているのは、
ひとつには、おそらく自分も身に覚えがあるから。
知り合いの経営者などに知人を紹介したり、聞かれてもいないのに自分の好きなお店を勧めたり、口利きめいたことをしてきた自覚がある。
親切心のつもりが「大きなお世話」と思われているケースもあったかもしれない。
いざ自分を見ているかのような口利き好きな人に出会ってみると、ムカつく気持ちと同時に自責の念も込み上げてきた。
もし過去に迷惑をかけていたらごめんなさい。
20代の頃、ある友達がセッティングする合コンはカップリング率が高く、しかも何組も結婚まで至っていて、仲間内で合コンの神様と呼ばれていた。
出会いだって、望んでいる人同士をマッチングすれば神だけれど、もしどちらかが望んでいないなら余計なお世話でしかないよね。
もうひとつは、最近のつながりムーブメントにちょっと辟易していたからかもしれない。
ごく少数ではあるけれど、最近どうやらつながりの多さで人を値踏みする人に出会うことがある。
はじめましての場で、最初はにこやかなのに「無職主婦ですSNS興味ありません」と自己紹介すると、急に塩対応されたことがあった。
あるいは、ビジネス関係の出会いでもないのに、私がどういう人間かではなく、バックグラウンドで誰or何とつながっているかを聞き出そうとする人もいる。
件の口利き好きな人も、とりあえず手持ちの駒を増やしておいて、使える人材が来たら自分の会社の仕事に引き抜きたいとか逆に営業をかけたいとか、何かしらの計算があったのかもしれない。
これからの時代は人とのつながりの価値が高まると言われているけれども、フォロアー数だけで値踏みされて、リアルつながりができにくいというのも、何だかなぁ。