苦労は買わないと経験できない時代が来る?

バイトアプリに思ったことの続き。

求職して不採用になるとメンタルにかなりのダメージを受けるけれど、面接する立場の側にとっても、コストも時間もかかるし、自分が選んで採用した人がイマイチだったりすると、やっぱりダメージが大きい。

面接を通しても、職場に合う合わないなんて結局やってみないとわからないし、それならAIにジャッジしてもらった方が、誰も傷つかなくていいのでは。失敗しても「AIの選んだ相手だしね(自己責任じゃないよ)」と言い訳できる。

ググってみたら、「VR面接」というサービスがすでにある。どうせなら、そのままメタ空間で出社してマッチング率を計算してくれたらいいな。(富岳なら秒で2年分くらいシミュレーションできたりするのかな?)

もしかして、恋愛や結婚も同じかもしれない。
どんなに非モテでも、10人に告白すれば、たぶん1人は付き合ってくれると思う。でも9回フラれて立ち直れるメンタル強者はそういない。

某宗教では神さまが結婚相手をマッチングしてくれて、それを目当てに入信する人もいるという噂だけれど、神さまの代わりにAIがマッチングしてくれるサービスがあれば、そこそこニーズがあるのでは。
うまくいかなかった時、自分が好きになって選んだ相手だと思うとダメージが大きいけれど、「AIが選んだ相手だから」なら吹っ切れそう。

そこでふと気になった。
正直、イヤなことは全部避けて通りたい。身体の苦痛よりも、心の苦痛の方がずっと記憶に残りやすい。単純労働よりも、むしろメンタルダメージを受けそうな作業をAIに代替してほしい。

けれど、人間がAIに対して唯一優位性を保てるのが「感情をもつこと」だとしたら、傷つく経験は避けて通っていいんだろうか?
(いや、やっぱり避けたいんだけど…)

いじめや虐待などによるトラウマ経験はもちろんあってはならないし、それこそAIで防止できる世の中になってほしい。けれど、だいたい人の原動力ってトラウマ由来だったりするし、職場によっては、仕事のスキルよりも、ネガティブな経験から得た「パワハラ受け流す力」「鈍感力高め」などのスキルが重要だったりする。

自ら行動した結果としての「感情歴」は、近い未来ではもしかして学歴職歴よりも価値をもつのかもしれない。

正の感情体験の方は、すでに「感情を動かす体験型ビジネス」「コト消費」などビジネス化されている。
では、負の感情体験は?

「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言うけれど、近い未来では「苦労は買わないとできない」になってたりして。
企業側も振り切って「昭和な雰囲気の職場です」「お局さんポスト空いてます」「ブラック度120%」などとうたって求人するのはどうだろう?苦労体験を求めて入社する人がいるかもしれない。

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