水の中の小さな生き物

「特撮」のタグが少ないので何か書いてみようと思いました。雑学中心で特撮・アニメ・TV・…

水の中の小さな生き物

「特撮」のタグが少ないので何か書いてみようと思いました。雑学中心で特撮・アニメ・TV・映画・自然科学・ミリタリー等の軽い読み物をご提供します。

最近の記事

熱中症対策になる?夏休みの工作その②

一週間のご無沙汰です。今度は首筋を冷やす「うなじクーラー」の制作ですよ。 ニ種類の金属(もしくは半導体)を二点で接合し、片方の接点を温めてもう片方の接点を冷やすと電流が発生します。これを「ゼーベック効果」と言い、温度計のセンサー等に使われています。この接合した金属に電流を流すと、片方の接点が吸熱(周囲の熱を奪う)し、もう片方の接点に熱が移動する(放熱)現象が起きるのです。これが「ペルチェ効果」です。 熱が移動する仕組みを「ヒートポンプ」と言います。ペルチェ効果はフロンやア

    • 熱中症対策になる?夏休みの工作その①

      暑い日が続きます。私の職場でも熱中症対策が会議の議題に上り、ファンの付いた空調服の購入が提案されたのですが、実際に使用された方から「周囲が暑いとファンの風が熱風になるから駄目だ」と指摘があり、採用には至りませんでした。私は「宇宙服は宇宙飛行士の体温を一定に保つ為に水を循環させている」という雑学を思い出し、どのぐらい効果があるのか試してみる事にしました。職場はともかく(←オイオイ)庭の草むしりや生き物の世話で熱中症になってはたまりません。 予備実験として、シャンプーの空きボト

      • ウルトラマンを創った「特撮プール」

        映像作品の制作会社は大きく二つに分かれます。東宝・東映・松竹・大映・日活の「映画会社」と、「独立プロダクション」と呼ばれる中小の会社です。数の上では圧倒的に後者が多いですね。TVの創成期には映画会社はTVをライバル視していましたが、その筆頭であった大映が子会社の大映テレビを設立、東映はNET(日本教育テレビ、後のテレビ朝日)の株主となってTVに接近していきます。フジテレビは手塚治虫氏の虫プロ、吉田竜夫氏のタツノコプロ等、漫画家が主催するアニメ制作会社や、特撮のピー・プロダクシ

        • ダーウィンとフランケンシュタイン、19世紀の奇妙な夢、そして未来へ

          自然科学と特撮、どちらの記事が人気あるのかな~と思いつつ、今回は変化球です。 1752年、アメリカ建国の父として知られるベンジャミン・フランクリンは、雷の正体が電気であることを実験によって証明します。         1780年、イタリアのルイージ・ガルバーニは、死んだカエルの脚に二種類の金属を接触させるとピクピク動く現象を発見し、「生命は電気である」と提唱して「動物電気」という言葉を産み出しました。           それに対し、イギリスのアレッサンドロ・ボルタは電池を

        熱中症対策になる?夏休みの工作その②

          「ハットリくん」が教えてくれたこと

          2022年 4月 7日に、漫画家の藤子・A・不二雄こと安孫子素雄氏が亡くなられました。ご冥福をお祈りいたします。氏の代表作の一つである「忍者ハットリくん」は、1981年にTVアニメ化され、2004年にはSMAPの香取慎吾氏が主演の劇場映画が公開されています。実はそれらの前に、白黒のTVドラマが(1966年:東映京都テレビプロ:全26話)放送されていたのです。続編として「忍者ハットリくん+忍者怪獣ジッポウ」(1967年:東映東京テレビプロ:全26話)も制作され(今でいう「シーズ

          「ハットリくん」が教えてくれたこと

          私たちは「炭水化物の家」に住んでいる(全員じゃないよ)

          大好きなアニメ声優の金田朋子さんが好物を聞かれ、「でんぷん」と答えていたので「それは『炭水化物』って言いたかったんですよね?」とツッコみそうになった今日この頃です。昆虫の記事が評判良かったので、今回は植物の話をいたしましょう。 葉緑素を持った植物は、光のエネルギーで水と二酸化炭素を反応させ、化合物と酸素を産み出します。これが「光合成」ですね。私が子供の頃は「炭酸同化作用」という難しい言い回しをする本もありました(何故でしょう)。                       

          私たちは「炭水化物の家」に住んでいる(全員じゃないよ)

          「軍人入門」:貴方はどこまで偉くなれるか?

          ロシアとウクライナの戦争の先行きが見えない時期に不謹慎だと思ったのですが、軍隊に関するよくある疑問として、「たとえば少佐って具体的にどのくらい偉いのか」「小隊ってどの程度の規模で何をするのか」を知るための「サワリのサワリ」として簡単にまとめました。よってこれが全てではありませんが、今までで一番ボリュームのある記事となりました。 【兵】二等兵・一等兵・上等兵、自衛隊では、ニ士・一士・士長、サラリーマンでは、一般社員 一般的には数年の兵役を終えると除隊して市民生活に戻ります。こ

          「軍人入門」:貴方はどこまで偉くなれるか?

          「ウルトラマン」が遺した二つの「発明」

          「シン・ウルトラマン」の公開が迫ってきました。怪獣や宇宙人が続々登場する事が告知され、どのようなストーリーになるのか楽しみです。今日はその原点であるTVドラマとしての「ウルトラマン」について振り返ることにしましょう。 「ウルトラQ(1966年1月~)」は製作費が予算を大幅に超過したため、放映元のTBSは番組を海外に輸出して赤字を補填しようとします。しかし「欧米ではカラーテレビが当たり前なのに、今さら白黒ではセールスしづらい」と輸出部からクレームが入り、仕切り直してカラーの新

          「ウルトラマン」が遺した二つの「発明」

          「拳銃」の種類を覚えるのは大変だよう

          私のフォロワーさんであります「素浪汰 狩人」氏が面白い取り組みをなさっておられます。「創作物銃器設定アドバイザー(自称)はじめました/初心者のための鉄砲設定ご相談・指南・作成承ります 」https://note.com/slaughtercult/n/nbd7278273aaa 私も拝読してガンマニアの血が騒ぎましたが、ネタ被りしないよう配慮しつつ、蘊蓄を語ることにします(笑)。 アメリカを代表する銃器メーカーの一つ、「スミス・アンド・ウエッソン」(以下:S&W)社の製品で

          「拳銃」の種類を覚えるのは大変だよう

          昆虫はなぜ巨大化しないのか

          小学生の頃に何度か昆虫を飼育していました。今でも気まぐれに世話をして観察し、成虫になったら逃がす、ということをしています。佐藤さとる氏の「おばあさんのひこうき」という絵本は、不思議な模様の蝶の羽を編み物で再現しようとするうちに命が芽生えて空を飛べるようになる、という描写にワクワクしました。モスラや王蟲、アニメの「タイムボカン」にも憧れました。 しかし、実際には人が乗れるような大きな昆虫は実在しません。それはなぜでしょうか。大きな理由が三つあります。 ①.昆虫は腹部にある「気

          昆虫はなぜ巨大化しないのか

          「特撮」と「アニメ」が「2クール」だった時代

          さて、私のnote はTV番組の「1クール」についての解説から始まった訳ですが、特撮やアニメに代表される子供番組はTV局と制作会社が2クールの制作契約を結ぶのが一般的だった時代があります。 日本の経済発展に伴い、子供たちの遊びの幅が広がると、制作会社はオモチャを始めとするキャラクター商品の著作権収入によって、制作費の赤字を補填しようとする動きが活発になりました。 オモチャを買う時は子供たち自身より財布を握っている大人(親世代)の方が主導権を握っています。オモチャ売り場で 「

          「特撮」と「アニメ」が「2クール」だった時代

          マグロは最も進化した動物である

          「人間は万物の霊長である」という言葉があります。地球上で進化の頂点に立つ生き物が人間であると。果たしてそうでしょうか。「環境に適応する」という基準で進化を評価してみたいと思います。 たとえば、海で暮らすクジラは後脚だけでなく、骨盤まで消失しています。生きていくのに不要な器官だからですね。それに対して人間の体には尾てい骨(尻尾の名残)や盲腸のように「なくても困らない器官」が痕跡として残っています。あと一億年ぐらいしたら、尾てい骨の無い人類が生まれるかも知れません。 人間は立っ

          マグロは最も進化した動物である

          「防弾チョッキ」ってどうなの?

          防弾チョッキの中にはケプラーと呼ばれる合成繊維が詰まっています。ケプラーは融点が高いので、銃弾の運動エネルギーで燃えたり溶けたりせず、元の形状を保ったまま、衝撃を受け止められるのだそうです。 バブルの頃、海外旅行や日本企業の海外進出が盛んになると、外国における治安の悪さ(特にアメリカ)に警鐘を鳴らす目的で、 「海外ではビジネスマンもスーツの下に防弾チョッキを着ている」 「防弾チョッキが通販で普通に売られている」 などといった記事が雑誌等の紙面を飾るようになりました。これらの

          「防弾チョッキ」ってどうなの?

          「四週間」という単位

          TV局は四週間分の放送予定を所轄官庁である総務省に提出する義務があります。予定に無かった番組を放送する際、それは「特別番組」と呼ばれます。事件、事故・災害等が起きた時に放送される事が多いですね。 その他には、やむを得ない事情でレギュラー番組が放送できなくなった際、差し替えコンテンツとして特別番組が放送される場合があります。 一例として、フジテレビ系列で1990年~1993年に放送された「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」は、収録中に人身事故が発生して打ち切りが決定し、野

          「四週間」という単位