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ヘアロス母のお話 その2
【"落武者"となってしまった母のお話~前回からの続き~】
前頭部・頭頂部の髪が異常に細くなり、地肌がスケスケになってしまった母はまるで"落武者"のようになってしまった。https://note.com/kumamon_17/n/n151601ea0a58
さて、母のお話の続き。
昨年、母は昔の写真を整理し、小さい頃の筆者が写っている写真をまとめてくれた。その中には家族写真が多くあり、とても懐かしく見入ってしまい、ときに目頭が熱くなり、つい「うるっ」とくるものもあり、父も母もよく育ててくれたなぁと感慨深い。
そこで気づいたのが、母の髪がフサフサしていること。いや、若いのだから当然といえば当然だが、今の姿とのギャップが実に激しい!えげつないほど…。今の筆者と同年代(50代)の姿を写した写真もあるが、やはりかなり毛量があるように見える。
と、いうことは、60代から急激に衰えていったことがうかがえる。60歳を超えて20年以上、一直線に劣化の一途。数種の育毛剤を試し、時には自作し、髪に良いと聞けば黒豆、昆布などを積極的に食べ、育毛サロンにも通い、シャンプーもいろいろと変え、彼女なりに努力はしていたけれども、すべて効果なし。
クリニックでミノキシジル処方という選択肢もあっただろうが、それが巷で拡がった時にはすでにかなりの高齢。肌も弱く心臓にも持病があるから、副作用の問題があってほぼ不可能。
私の記憶に残る母の言葉がある。
「あんなの、どうせ効かないのよ」
(育毛剤のCMを見て)
「あの人、きっとウィッグよ」
(テレビに出ている女優を見て)
「あら、若いのに髪が薄いわねぇ」
(電車内で)
「お金ばかりかかって、効きゃしない!もう行かないわ、あんなところ!」
(一時、育毛サロンに通って)
「ねぇ、ほら、ちょっと産毛が生えて来てない?ほら!」
(自分の作ったアロエと焼酎のローションを頭皮に塗ったとき)
「昔から首凝りひどくって、やっぱり毛根まで血が回ってないのかねぇ…」
(首を揉んであげているとき)
「白髪の方がよっぽどいいわ。だって、多少薄くなっても白けりゃそれほど、みっともなくないじゃない?」
(ヘアカラーのCMを見ているとき)
母よ、気づいたら私もあなたと同じことを言ってるんだよ!
さーて、60代が目の前に迫っている。準備すべきは何だろう?
強いて言えば、「容認」と「覚悟」、「諦観」かな。今のところジタバタしてるけど。
次回は、土台(頭皮)を整えるお話しでも。