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喫茶『ヘッケルン』のマスターから「早く来てね」と呼ばれた気がした

数年前から気になってはいたものの、なかなか足を運ぶことが出来なかったお店。🍮☕️
現在では、水曜日以外の平日のみ営業しているとのこと。チャンスを狙いつつ、年内までには必ず行こうと決めていた。

「俺、もう疲れちゃったから店畳むわあ」
店主の気まぐれでそう言い残し、急に閉店する日も近いのではないかという焦りがあった。
長年愛され続けている喫茶店が、次々と東京の街から姿を消していく光景は、なぜか胸をギュッと締め付けられた気持ちになる。

「だから早く来てね」
そう呼ばれている気がした。

オフィスビルに囲まれた、隠れ家みたいにワクワクするお店。
自家製プリンを用意するマスターの姿。
マスターはメディアの取材を受けたり、外国人観光客がSNSに投稿した動画の反響もあり、とても有名な方。カウンター席でお目に掛かれたことが光栄。
帰る支度をしていると、空き食器を片付けながら、会計金額を記載した付箋をサッと渡してくれるホール担当の奥さま。
お二人のオーダーに関するやり取りは息がピッタリ過ぎて、ずっと聞いていたいぐらいだった。

プリンも美味しくて、この場所で食べることに意味があるんだと思う。

「ご馳走様でした」を伝えると、マスターはこちらを見ることなく手の動きを止めず、「こちらこそありがとねー」と返してくれた。そこがまた良いんだよなあ。
多くの人に愛され続けているお店を続けているお二人に敬意の気持ちでいっぱいになった。

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