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大学院生です。日常のふとした時に思ったことや本、旅を中心に書いていきます。よろしくお願…

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大学院生です。日常のふとした時に思ったことや本、旅を中心に書いていきます。よろしくお願いします。

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  • 短編未満

    短編というには短い文章がまとまっています。

最近の記事

能動的な音、受動的な音#2哲学未満

カランからん、からん。 夏らしい音が聞こえた。音は僕が作った。この音は夏じゃなくたって作れる。けれど、夏だからこそやりたいんだ、そう思った。 アイスコーヒーは、雑味が少ない。それでいて、味が確定していない。ある人は、アイスコーヒーは一晩寝して飲むのが上手いと語る。 世界は音に溢れている。サブスクの音楽だけじゃない。snsを開けば投稿と紐づいた音楽が流れる。学校のチャイム、トラックが曲がる音、車内アナウンス、カップルの話声。その音が聞こえなくても音は溢れている。 多くの

    • 僕は意識をほゆうしているけど、あなたは持っているのだろうか?#哲学未満1

      意識とは何か?と考えた時、人間にしか意識はないのかという問いへと進んでいく。どうやら意識は意識自体を意識可能である何かであるらしい。私は考えたので、それが存在するようだ。 人間の身体がアミノ酸によって構成されている。他のアミノ酸で構成されている有機物に意識はないのだろうか。人間は何らかのインプットに対してアウトプットを出力するスイッチかもしれない。では、電気をオン・オフする際にそこに意識は宿らないと言い切れる根拠はどこにあるだろうか。 無機物は意識を持っている。このテーゼ

      • 月を見ると思い出す#短編未満5

        今やっている習慣は、いつから行っているのだろうか。鏡の前でリップを塗りながら、思い出してみた。 元カノにプレゼントとしてもらったリップクリーム。別れたときに元カノのものは全部処分したけど、リップクリームだけは使い続けていた。使い終わったあとに、自分で色々試したあと、お気に入りのリップに出会い、元カノのお陰で、この習慣を続けている。 別れたというよりも、彼女はいなくなった。忘れられなくて、彼女のものを捨てる。 彼女は変わり者だった。ずっと、ツキが故郷であると言う。ツキの上

        • ダイエットをするように #短編未満4

          言葉は何のためにあるのかと問われたとき、何と答えるだろうか?多くの人は他者とコミュニケーションを図るために言葉が生まれたと答えるが、現代科学は内省するためであると答える。 言葉を使うように強制されたことは一度もないし、言葉を使うことを決心したわけでもない。ただ言葉があって、使うことができる言葉があっただけだった。 「あ、これね。肝機能が悪いね。ダイエットした方が良いよ。体重落とそうか。」 健康診断の結果が悪かったばかりに、医者から言われてしまった。 バファリンの半分が優

        能動的な音、受動的な音#2哲学未満

        • 僕は意識をほゆうしているけど、あなたは持っているのだろうか?#哲学未満1

        • 月を見ると思い出す#短編未満5

        • ダイエットをするように #短編未満4

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        • 短編未満
          5本

        記事

          2020年という病

           2020年という後遺症を今なお引きづっている。コロナによって自分と社会の受難の年だった。  グラントは、種の絶滅に対してシニカルにかつ冷静に受け止めた。恐竜が絶滅してしまったように、僕らは何ら偶然的に存在し、偶然的に絶滅してしまうだろうと言うことを受け入れた。それは、ヘーゲルなどの哲学者が人間が一つの完成した姿であるとしたことと違い、人類が最高の状態でもなんでもなく、人類を他の種からの特権的位置を引き下げることに成功している。僕らは、自分たちが最も優れているという物語を生

          2020年という病

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満3

          旅をする。いつもと違う在り方で。 再帰代名詞って自己を対象にするんだよ、受動態とはわけが違う。 コーヒーを浴びるように飲む生活が嫌になって、移動をしようとした。 ずっと目的地につかない方が、安心できる。そんな旅にしたかった。 観光はしない。移動をする。この目標だけを持って、家を出た。 旅をする。いつもと違う在り方で。

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満3

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満2

          旅をする。いつもと違う在り方で。 突き出しで出されたキャベツが固い。 前の恋人との思い出の場所に再訪する。僕の半分と彼女の半分を持った人を待つことができなかった。 「だしの味しかしないカレーうどんが好き」 意味不明なことをいう彼女を思い、京都でカレーうどんを食べる。 旅をする。いつもと違う在り方で。

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満2

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満1

          旅をする。いつもと違う在り方で。 サラダ記念日にふさわしいのはマカロニサラダだと語る彼。 ブランドしか着ないんだと言って、いつもユニクロばかり着るあの人。 高い物は買えないんだよねと言いながら、iPhoneproでラインをする彼女。 ほろ酔いはジュースと言って、カルーアミルクばかり飲むあの子。 旅をする。いつもと違う在り方で。

          旅をする。いつもと違う在り方で。#短編未満1

          人生に価値が無いとしたら、我々は生を諦めるか。

          以下の文章は学術的な知見に基づかないため、誤解を招く可能性があります。自己判断の上で、お読みください。 私は経済学史を勉強している。古典派経済学特に、アダムスミスやマルクスは価値を2つの意味に使い分ける。一つ目は、使用価値である。これは「特定物の効用を表わす」(1)ものである。例えば、ペンの使用価値は書けるという価値である。2つ目は交換価値である。これは、「他の商品と一定の比率で互いに交換しうることをいう」(2)。もう一人登場人物を上げたい。バタイユ。バタイユは有用性という

          人生に価値が無いとしたら、我々は生を諦めるか。

          書評『slowdown減速する素晴らしき世界 』ダニー・ドーリング

          『slowdown減速する素晴らしき世界』 ダニー・ドーリング スローダウンのイメージはどのようなものだろうか。スローな生活や丁寧な暮らしなど、都市の競争社会から離れた暮らし方で想起されるだろう。若い人はスローな生活を求めて地方に移住しているなど、ニュースに取り上げられることも多い。勿論、本書でも若者がスローな生活をしていることに触れている。しかし、本書で考えられているスローダウンは、上記のスローライフを推奨する本とは一線を画す。これは、社会が定常化する過程を描いたファクト

          書評『slowdown減速する素晴らしき世界 』ダニー・ドーリング

          翠とオーバーヒート

           何を書けばいいのだろうか。いつも思う。noteを書くことを決めて、noteを開く。他人の文章を読みながらネタを探す。正確には違う。  書きたいことは決まっている。自分が書くことがこれでいいのだと思い切るまでに時間が掛かる。ただそれだけなのだろう。フォローしている人のnoteが更新されていた。名古屋に行ったらしい。それも予定も組まずに。計画的無計画らしい。おそらく今自分がやっていることは、彼(彼女)が言う「計画的無計画」なのだろう。  似たような言葉で、友人から「行き当たり

          翠とオーバーヒート

          とりあえず、とりあえず

          書き始める。とりあえず、書いてから内容は考えることにした。noteでなくても良かった。でも、noteを開いてしまったから書くしかない。書くだけ書いてみる、まとまりがなかったら? それでもとりあえず書いて投稿ボタンを押すことが今回の目的。まとまりが無くたっていい。どうせみんな着飾っているだけだから。着飾る必要はない。これはtwitterのように有限性のある媒体ではない。けれども無限性があるとは限らない。何を言っているのだろう。まぁ、いい。指が泊まるまではキーボードを打ち続けるだ

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          むだい、大学3年生

          今日はゆっくりした日を過ごした。久しぶりに土日が休みだから、金曜日にやることを分散できた結果だろう。今後は土日作業を分散させるような予定を立てていかないと心が現象に向かないと日々感じる。 大学3年生になった。なったのではない、成らされたという表現の方が適切かもしれない。自分の意志で選んでいないどうしようもなさに周囲の時計の針だけが先に進んでいる感覚を抱く。自分の時計は止まっているわけではない、ただ、進みが遅いだけだ。 対面授業が始まった。いわゆるキャンパスライフが始まった

          むだい、大学3年生

          コントロールと詰め

          自分をうまくコントロールできない。だらだらしたい気持ちで一杯になる。 少しタスクが溜まると気持ちがアップアップになる。 癖で少しを少しタスクを残して次のことを始めてしまう。全てを終わらせてから次に進むべきなのに、途中で飽きてしまう。最後の詰めはいつだって甘い。 そして、少しずつ終わっていないタスクが溜まっていく。溜まり、溜まるとタスクの多さに心がいっぱいいっぱいになる。週に1度でもタスクを全て終わらせる日を作らないと一生やらないといけなくなる。ゆっくりでいい、一つずつでいい

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          通学路と死~今日はnoteを書けました

          私は研究会の関係から、ヘルスケアを考えている。最近の議論は「死とはなにか?」である。20歳の私が死について考える機会である。世間的には若い世代なので、死を日常から考えることは少ない。読者も死を想うことはしないだろう。 家の近くで交通事故が起きた。その事故で通行者が巻き込まれ、死亡したらしい。そのことに今日気づき、ゾッとした。事故が起きた場所は私が大学の通学路である。その日は寝過ごしてしまい、午後から行こうと思っていた。事故は私が家を出る前に起こっていた。 あの日、寝過ごし

          通学路と死~今日はnoteを書けました

          心の余裕がなくなる順番

          皆さんは心に余裕はあるだろうか? 心の余裕がない時どういった行動をしているだろうか? どういったときに心に余裕がなくなるのか? 大学生になり、心の余裕がなくなることが多くなった。一人暮らしの影響で全てを自分でこなす必要があるため、「やること」に忙殺されている節がある。また、自分に回ってくる話が多いあまり、対応できな場合が多い。それに後回しの癖が重なって、「やるべきこと」だけで一日が終わってしまう。どうにかしたい。 心のゆとりがなくなると、まず小説を読まなくなる。そして、家

          心の余裕がなくなる順番