「まちをデザインするクリエイティブチーム」株式会社ダイスプロジェクト 代表取締役 ”橋爪大輔さん”
楽しいことをどんどんクリエイティブし、それが繋がり価値あるサービスになり、地域も社会も楽しくなっていく。「まちをデザインするクリエイティブチーム」(株)ダイスプロジェクト 代表取締役CEO 橋爪大輔さんのお話を伺いました。
橋爪大輔さんプロフィール
出身地:大分県
活動地域:主に九州全域
経歴・現在の職業および活動:
プロデューサー/一級建築士
・まちをデザインするクリエイティブチーム株式会社ダイスプロジェクト代表取締役 CEO
・社会とふくしの出会い直しをビジョンとした株式会社ふくしごと代表取締役
・九州のワクワクを掘り起す活動型 WEB マガジン「アナバナ」発行人
・場の再生不動産事業「ANABA PROJECT」
・毎月第3金曜日に九州の生産者と共にオープンする 1day 企画レストラン「穴バー」主催
・九州のおいしい食とうれしい道具の見本市「皿の上の九州」主催等
持続可能な社会の実現を多様な事業を通じて取組んでいる。
「仕事も人生も楽しいことをやり続けたい」
Q1.橋爪大輔さん(以下、橋爪 敬称略)は、どのような夢やビジョンをお持ちですか?
橋爪 仕事も人生も楽しいことをやり続けたいです。プロジェクトも、それに準じて楽しいことをやっています。プロジェクトが楽しくなれば、地域も楽しくなります。
記者 橋爪さんにとって、”楽しい”とは何でしょうか?
橋爪 ”楽しい”は、常に変化していて、説明しにくいですね。社会的な背景や外的要因も含めて、直感的に”楽しい”と感じたことです。
ダイスプロジェクトを立ち上げた15年前は、僕たちのようなプロジェクトは無かったと思います。個人の直感(面白そう)から始めて、点(プロジェクト)を打ちます。点を沢山打つと、点と点の関係が見えて点と点が繋がって行き、その延長が新たな事業やサービスになり、その時期の会社の全体像になってますので、楽しい会社です。
”楽しい”とか、”好き”って直感から始まるプロジェクトは、独自性や稀少性が生まれ、競合が生まれにくいんですね。
逆に、たとえば、地域活性しようという時に、それまでの成功事例を参考に始めると、プロジェクトが類似していき、その地域の独自性や希少性が弱くなり、結果として価値がなくなってしまいます。
そこに居る人や、そこにある素材から、「こんなことあったら良いよね」って直感から始まり、走りながら「こういうのも良いよね」と積み重ね、地域独自の魅力づくりやサービスになっていきます。ダイスプロジェクトもそんな感じで創っています。
仕事も人生も継続することに意味があると思っています。なので、”好き”や”楽しい”はとても大切ですね。
「点と点が機能し全体で繋がるサポート」
Q2.その夢やビジョンを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?また、どの様な活動指針を持たれていますか?
橋爪 僕自身は代表ではありますが、みなさんが判断し動きやすい環境づくりのサポーターをやっていますね。
ダイスプロジェクトは、チームに別れてそれぞれのチームがやりたいことを攻めています。点を数打つことが大切で、打った点が事業になることも、ならないこともあります。それぞれのチームが自分たちで判断できるような基準を共有しています。僕らは「街をデザインするクリエイティブチーム」であり、大切にしているのは、楽しいとか好きという直感から始めること。そのことで類似性が薄く稀少性があり、独自の価値が生まれると思っています。
沢山の点が、全体で繋がるようにサポートしているのがダイスプロジェクトです。
プロジェクトを進める上で、ロジックや効率も必要だと思いますが、人生を豊かにするのは、”感情が楽しいと思えるもの”だと思っています。関わる人の人生が豊かで無いといいプロジェクトを創造出来ない。そしてプロジェクトを進める上でチーム力が大切だと思っています。チーム力を引き出す在り方を常に考えています。チームは一定で一律の構造で固めるのではなく、もっとぐちゃぐちゃしてる感じ(笑)。そのほうが楽しくて継続性が高いと思っています。
「時代が変わるときのモヤモヤした気持ち」
Q3.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何ですか?そこには、どのような発見や出会いがあったのですか?
橋爪 僕は今は50歳になりますが、スタートは建築設計事務所に勤めていました。アトリエでデザインに拘りのある事務所でした。当時は、バブルが終わり景気が傾き始めた頃でしたが、まだバブル絶頂期の空気感も残っていた時代でした。僕は建築を設計デザインすることが好きだし社会にとって必要な産業だと思っていたけど、時代が変わるタイミングでジレンマもあり、モヤモヤしていました。
建築設計事務所は1億の建物を建てる場合に、設計料は、だいたい10%の1000万くらい入ってきます。建築物を建てる事を前提に設計しないと0になるのですね。建築設計事務所のビジネス上のジレンマは、建物を建てるしかないということでした。都市のインフラや建物が足りない時代は建てることは必要でした。けど、都市のインフラや建物が足りた後は、業態(ビジネス)の在り方も変わらないと社会も我々も豊かにはなれないですよね。ただ、過去のビジネス構造は、自分たちのリターンのために「つくれつくれ」と走るしかない状態になっていたんです。
僕は建築が好きだけど、好きなものに矛盾を抱えるのは苦しくて、そのモヤモヤやジレンマをどうにかしたかったんです。「そもそも建物をつくるべきのなのか?」と悩みました。けど、そもそも論で悩んでいても前に変化は起きないので建物をつくらない場合でもビジネスが成立する形を創ろうと思いました。
そこで出来たのが、ダイスプロジェクトです。
時代が変わるときのモヤモヤ感がキッカケになって、今のような発想を与えてくれました。時代の変化はクリエイターにとっては最高のものです。アイデアをもって新しい事業を生み出せるからです。今からは人口減少などの社会変化で、過去の延長の視点では予測がつかない時代になってますので、新たな価値を創造するしかないですよね。面白い時代でラッキーって、今は思いますね。
「自然を受け入れ創造する」
Q4.「時代が変わるときのモヤモヤ感」を持つようになった背景には、何があったのですか?
橋爪 当時、建築業界でも ”モダニズム”から、”ポスト・モダニズム”というように、過去の時代を否定して新しい時代にいくような風潮もありました。ただ、僕は”何かを否定して新しいものを生み出す”ということが生に合わなかったですね。単純に、「これがハッピーだよね」ということを創造するのが好きでした。
記者 なぜ、そのような考え方になられたのでしょうか?
橋爪 僕の実家は大分の専業農家なんですね。農家で野菜をつくるので、「創造したい・生み出したい」が元来あるのかもしれないですね。
考え方の原因までは分からないのですが・・・、農家にとってのリスク要因は、台風・大雨・洪水など、ほぼ”自然”なのですね。農家は自然を読んだり、自然との付き合い方の経験値を持っていると思います。自然はコントロール出来ないので、否定をしても続けられないし変わらないんですよね。なので自然という外的要因を受け入れて、その中でどう生きるのか、どうクリエイティブするのか。僕は小さい頃よく農業を手伝っていたので、自然との付き合い方を考えていたのかもしれませんね。
記者 農家さんが自然とコミュニケーションをして農作物をつくっているように、橋爪さんはクリエイティブをしているのかなあと思いました。
橋爪 僕にとって、自然=外部要因でしたね。外部との付き合い方や距離感や、どう良くなるかなどを考えています。まさにコミュニケーションですね。僕らを取り巻く環境、一緒に働く人・地域の人・身近な福岡の人・旅先で出会う人・広く言うと社会や世界全体が楽しくハッピーで動いていたら、その環境にいる僕らもハッピーですよね。そうなるように動き続けるのが基本にあります。「視点は”楽しみつづけること”で、そうなるようにどういう環境にしていくのか。」そういうことをいつも考えています。
「この問題、どうしたらいいんだろう?」「こんなこと思いついたけど、実現できるかな?」そんな課題やアイデアをお持ちの方は、ぜひご連絡ください。ありがとうございました。
記者 ”楽しい”という直感から始まり、それがプロジェクト化して、独自性や希少性に繋がり価値あるサービスになる。それぞれのチームが意思決定できて、プロジェクトが繋がることで、どんどんシナジーが起こり、個人も社会も世界もハッピーが広がっていくことがとても素敵だと思いました。モノがあふれる今の時代だからこそ、”楽しい”とか、”好き”って感情が動くことは、人生を豊かにする上でとても大切なことだと思いました。ダイスプロジェクトのようなお仕事やサービスが広がることで、個人一人ひとりも、地域や社会全体も豊かになっていくイメージが来ました^^!貴重なお話をありがとうございました!
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橋爪大輔さんの活動、連絡については、こちらから
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株式会社ダイスプロジェクト HP:
株式会社ふくしごと HP:
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【編集後記】インタビューの記者を担当した熊倉と島崎です。
本当に素敵な方でした。橋爪さんの人柄からは”楽しい”ワクワクの心が溢れていました。橋爪さんのワクワクの心がどんどん人にも伝わっているんだろうなと思いました。日本の企業組織はまだまだトップダウンになりがちですが、ダイスプロジェクトはひとりひとりやチームが上手く機能し全体をつくっている生命体のような組織のようでとても驚きました。橋爪さんやダイスプロジェクトは、今からの時代をリードする人間関係・組織・社会モデルを実践する希望のメッセンジャーだと思います。今後のご活躍をとても楽しみにしています^^!貴重なお話を、本当にありがとうございました!
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
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