おいしいお店 第999話・10.20
「周りから何も言われないから、つくってみたよ」ここは山梨県内を走っている列車の中。高校生の今治美羽は、学校は違うけど幼馴染でそのまま付き合っている尾道拓海にサンドイッチを手渡した。
「おう、美羽が作ったのか。いいねえ」拓海は、美羽の次の言葉を待つなくサンドイッチを口の中に入れる。「うん、うん、おいしいよ」と上機嫌。だが美羽はあまりうれしそうではなかった。
「でも、それ素人が作ったものだから」美羽は自信がなかった。拓海が気を使っている気がしたのだ。だが朝から何も食べていなかった