HL7-FHIRに準拠した健康・医療データを管理できるソフトウェア「FRUCtoS」の無償提供を開始【気になったニュース】
趣旨
東京大学、ソフトバンク株式会社、株式会社ケーアイエスなどが共同で設立した株式会社HEMILLIONSが、HL7-FHIRに準拠した健康・医療データを管理できるソフトウェア「FRUCtoS」の無償提供を開始したというプレスリリースです。
背景
「HL7-FHIR」とは医療情報交換のために米国のHL7協会が開発した新しい標準規格です。この規格は、医療データをWeb技術を用いてやり取りすることを目的としています。
この「HL7-FHIR」は国の医療DX政策において、医療データの共有システム(電子カルテ情報共有サービス)の標準規格として採用されました。これまでは電子カルテのデータについて、統一された形式がなく、各ベンダーや医療機関が独自の方式で管理していましたが、2025年4月から本格運用が開始される「電子カルテ情報共有サービス」においては、この「HL7-FHIR」規格で医療情報を取り扱う必要が発生しています。
具体的な各ベンダーの対応としてHL7-FHIR規格に則ったデータベースやサーバー構築の対応が必要になってきますが、株式会社HEMILLIONSが発表したソフトウェア「FRUCtoS」においては、「サーバー設計および開発」「既存データからFHIRに変換するためのアダプタ開発フレームワーク」を無償で提供できるようです。
展望
電子カルテが「電子カルテ情報共有サービス」「HL7-FHIR」への対応を求められる中、無償で利用可能な「FRUCtoS」は各ベンダーの開発コストや開発期間を抑制することが期待され、医療情報がHL7-FHIRを通じて共有化される、技術的な活用基盤になる可能性があると考えます。