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公務員は税金泥棒か考える話
公務員について、「税金泥棒」との批判は、ネット上や市民の一部からしばしば聞かれる言葉だ。私自身、現在30歳で地方公務員として働き始めたばかりだが、幸いなことに直接「税金泥棒」と言われたことはない。しかし、内部にいる立場から見ても、公務員が批判される背景には一定の理解がある。以下では、公務員が「税金泥棒」と言われる理由と、その実態について私の経験を踏まえて考察したい。
公務員が「税金泥棒」と言われる理由
公務員が税金泥棒と言われる理由は主に2つある。1つは「公務員の能力」、もう1つは「公務員の待遇」に起因している。
1. 公務員は「無能がなる職業」?
地方公務員に関して言えば、公務員試験の難易度や採用基準は高くない。以前の記事でも述べたが、地方公務員は偏差値45程度の人間でも目指せる職業だ。この偏差値45というのは、平均以下の人間がなる職業であることを示している。確かに、公務員の中には優秀な人もいるが、その多くは平均以下の能力を持つ人が占めている。
その結果、市民対応窓口などで見られる「非効率さ」や「対応の悪さ」に、不満を抱く人が少なくない。特に民間企業で働く人から見れば、公務員の振る舞いが「不必要に偉そう」に映ることもあり、批判を浴びる原因となっている。つまり、実際の能力と振る舞いのギャップが、公務員への不信感を生み出しているのだ。
2. 公務員の待遇の良さ
公務員の給料は、一見高くないように見える。私自身、地方公務員1年目で手取りは20万円ほどしかない。しかし、公務員の待遇を単純な給料だけで測るのは間違いだ。ボーナスが安定して支給されること、年功序列で着実に給料が上がること、福利厚生が充実していること、そして倒産のリスクがないことを考えると、公務員の待遇は民間企業よりも優れているといえる。
さらに言えば、偏差値45程度の人間がこうした「安定した高待遇」を受けていることが、市民の不満を助長している。「平均以下の能力の人間が、なぜこんなに優遇されているのか」という批判が生まれるのは自然な流れだ。
公務員の実態はどうなのか
では、公務員は本当に「税金泥棒」なのだろうか。内部にいる私の感覚からすると、必ずしもそうとは言えない。
公務員も「税金」を支払っている
公務員の給料が税金で賄われていることは事実だが、彼ら自身も税金を払っている点を忘れてはならない。つまり、公務員も市民と同じく「税金を負担する側」であり、市民と同じように公共サービスを享受している。特別に優遇されているわけではなく、むしろ市民の一部として社会を支えている存在でもある。
公務員の忙しさと負担
外部から見ると「公務員は楽そう」「定時で帰れる」というイメージがあるかもしれない。しかし、実態は意外と忙しい。公務員の組織には、偏差値45程度の人が多数を占めているため、仕事の効率が低くなる傾向がある。その結果、業務がスムーズに進まず、時間がかかる場面が多い。さらに、少数の優秀な人材にしわ寄せが行くため、優秀な人は負担が大きく、必ずしも「楽」ではないのが実情だ。
市民サービスへの貢献
公務員の主な役割は、市民に対して安定した公共サービスを提供することにある。道路整備、住民票の発行、防災対策など、日常生活を支えるために欠かせない業務が多い。これらの仕事が円滑に進むためには、一定数の公務員が必要であり、彼らの仕事は無駄ではない。
公務員の役割とおすすめの人材
公務員が税金泥棒かどうかは、見る角度によって変わる。確かに、公務員は偏差値45程度の人間が安定した待遇を受けられる職業だ。しかし、その環境の中で市民サービスを支える役割を果たしていることも事実だ。
結論として、公務員は「税金泥棒」とは言えないが、外部からそう見られる要素は確かに存在する。ただし、偏差値45程度の人間であれば、公務員は非常に魅力的な職業だ。安定した収入や待遇を享受しつつ、社会貢献を果たすことができる。
逆に、偏差値55以上の人にとっては、公務員はあまり魅力的な職業ではないかもしれない。能力の高さを生かせる職場は他にも多く存在し、公務員の組織内ではその能力を十分に発揮できない可能性がある。
まとめ
公務員が「税金泥棒」と言われる背景には、公務員の能力と待遇のミスマッチがある。しかし、内部の実態を知れば、その批判は一面的であることが分かる。偏差値45程度の人間にとって、公務員は安定した環境の中で最大の恩恵を得られる職業だ。一方で、公務員に対する市民の目が厳しいことも事実であり、その視線を意識して仕事に取り組むことが求められるだろう。