ぬくもり
〇:ひかる…
いつもならたくさん甘えてくる妻が今は布団に潜り込みあからさまに拗ねている。
そうなったのには僕に原因があるんだけどね…。
数時間前…。
〇:た、ただいま…
ひ:おかえり〜
ひかるは今日も笑顔で僕の帰りを迎えてくれたのに何故か冷や汗が止まらない。
ひ:今日の晩御飯は〇〇の好きな〜…
ひかるの話が入ってこない。
ひ:〇〇聞いてる?
〇:うん…
ひ:ふ〜ん…
〇:と、とりあえず…風呂行ってくるっ…!
ひ:待って!
〇:は、はいっ!…なんでしょう…?
ひ:〇〇…なんか隠してるでしょ?
〇:いや…気のせいでしょ…
ひ:なんで嘘つくのかなぁ…
あ、やばい…ひかるの目がガチでキレた時の目してる…。
ひ:ねぇ〇〇…何隠してるの…怒らないから言ってみな?
そのセリフは絶対怒るやつだって…(苦笑)。でも、隠し続ける方がもっと怒る。
〇:実は…
ひ:……
〇:急遽出張が決まりまして…
ひ:……
〇:あ、明後日から…京都に行きます…1週間くらい…
ひ:…〇〇は私に内緒で出張行こうとしたの?
〇:そういう訳じゃなくてっ…なんて言えばいいかわからなくて…
ひ:正直に言ってくれれば怒らないのに…〇〇は私の事信用してないの?
〇:いやっ…
ひ:そういうことじゃん!〇〇は少しでも隠そうとしたんでしょ!!信用してないってことじゃん!!!
〇:っ…
何も言葉を返せない。
ひ:もう知らないっ!〇〇の勝手にすれば!!
ひかるは寝室に閉じこもってしまった。
〇:ひかる…
そっと寝室のドアから覗くとひかるは布団に潜り込んでいた。
_____________________
それから1週間があっという間に経過した。あの日以降ひかるとまともに会話をしていない。
〇:ただいま…
いつもより早く帰れたけど…ひかるはいないのかな…。
リビングに行くとソファで眠っているひかるが目に入る。
〇:ただいま…
ひかるの前にしゃがみ頭を撫でる。
ひ:んんっ……〇〇…?
〇:起こしてごめん
ひ:今帰ってきたの…?
〇:うん
ひ:おかえりニコッ
ひかるはいつもと変わらない笑顔で迎えてくれる。
〇:ひかるごめんっ!
ひ:っ…///
咄嗟にひかるを抱き締める。
〇:出張の事ちゃんと言えばよかった…ひかるに隠し事をしようとしてほんとにごめん
ひ:もう大丈夫だよ……それに私こそ…ごめんね?強く言いすぎた…
ひかるは僕の背中を優しく摩る。
〇:いや…僕が……ほんとごめん…
ひ:もう謝らないで…それよりも…
ひかるは僕から離れる。
ひ:1週間〇〇に甘えられなくて寂しかった…///
○:ごめん…
ひ:ごめんじゃないっ!…ひかるが欲しいのは…
チュッ…
ひ:○○からの"好き”が欲しい…///
○:ひかるっ…!
僕は我を忘れてひかるをソファに押し倒す。
ひ:○○…ちょーだい?…♡
ひかるの唇を塞ぐように深くキスをする。
ひ:んっ…んんっ…ぷはっ…♡はぁ…はぁ…♡
ひかるは僕と目が合うと優しく微笑む。
ひかるのおでこと自分のおでこをくっつける。
○:ひかる…好きだ…愛してる
ひ:私も…好き…大好き…愛してる…♡
あぁ!…我慢できそうにない。
先程よりも激しくより深くキスをする。
ひ:んんっ!!…んっ…んんんっ…!
ひかるに肩を叩かれて我に返る。
○:はぁはぁ…ごめん…
ひ:なんかいつもより激しい…///
○:だって…1週間ひかるに触れれなかったから…///
ひ:○○…♡…ひかるだって1週間○○不足だったんだけどなぁ……
〇:今から埋め合わせするでもいい?
ひ:一日じゃ足りないよ?(笑)
ひかるはいたずらっ子のように笑う。
〇:実は…今回の出張が急遽だったから明日から3日間休みもらったんだ
ひ:えっ!?
〇:土日合わせて5日間あるんだけど…全部ひかるの為に使うよ
ひ:ほんと??
〇:うん
ひ:やったー…///
〇:なにがしたい?
ひ:ん〜じゃあずっと家に居たいなぁ〜
〇:いいの?どっか出掛けなくて
ひ:だって家じゃないとたくさん〇〇に甘えられない…
〇:そうだね(笑)
ひ:〇〇の事独り占めしたいもん…
目をうるうるさせて訴えてくるひかるに胸が締め付けられる。
〇:わかったずっと家にいようっ!
ひ:やったー!…朝からイチャイチャして〜お昼ご飯は一緒に作って〜ゲーム一緒にして〜漫画も一緒に読んで〜お昼寝も一緒にしたいなぁ〜それから〜
ひかるは楽しそうに予定を組んでる。
ひ:えへへ〜〇〇とやりたい事多すぎて困っちゃう…///
微笑むひかるをそっと抱き締める。
〇:ひかるの好きな事全部やろうね
ひ:うん!
ひかるの温かい体温にやられ一気に眠気が襲ってくる。
〇:ふぁぁ…
ひ:〇〇眠いの?
〇:うん…ちょっとね…
ひ:じゃあまずは一緒に寝よ?ひかるが添い寝してあげる!
〇:ありがとう〜
ソファから起き上がるとひかると手を繋いで寝室へ。
ひ:はいっ!〇〇ここに寝て!
〇:うん
布団に入り横になるとひかるも隣で横になる。
〇:ねぇ…ひかるにぎゅってして寝ていい?
ひ:もちろんっ!
腕を広げてるひかるに抱き着く。ひかるの胸に顔を埋める。
ひかるは小さな体全てを使って僕を包み込んでくれる。ひかるの温かな体温と優しい匂いに包まれてとても心地がいい。
ひ:〇〇〜おやすみ〜
〇:おやすみ〜…
明日からの5日間楽しみだなぁ。
end.
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