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人生で一番の大勝負

放課後、俺の家にはよく『ひかる』という幼馴染がよく家にくる。今日だって。

ひ:お邪魔しまーす!

〇:今日も来たのかよ…

ひ:来ちゃダメなの??

〇:俺の家だからな

ひ:いいじゃーん!〇〇のお母さんだっていつでも来ていいよって言ってたもん!

〇:はぁ!?ったく…余計なこと言うなよ母さん…

ひ:おっ!これ新刊じゃん!

ひかるは漫画を手に取るとベットに横になり読み始めた。

〇:あぁ!!それ俺まだ読んでないのに!

ひ:いいじゃーん〜〇〇はいつでも読めるでしょ?

〇:はぁ…

俺は諦めてスマホでゲームを始める。

〜〜〜
数時間後…

ひ:ねぇ〇〇〜

〇:ん?なに?

ひ:ひ、ま

〇:は?

ひ:だからひ〜ま〜!

〇:うるせぇ!ってかもう外暗いから家に帰れよ!

ひ:やだ!まだ帰らない!それに今日は〇〇の家でご飯食べてくるって言ってあるもん!

〇:何勝手な事してんの!?

ひ:〇〇のお母さんはおっけーしてくれたよ?

〇:また母さんかよ…

ひかるはすごく得意げに俺を見てくる。

〇:なんだよ…

ひ:ねぇ新しいクラスになって結構経ったじゃん

〇:そうだね

俺とひかるは今年高校2年生になった。

ひ:彼女とかできたの?

〇:率直に聞いてくるやん…

ひ:で!!どうなの??

〇:できてねぇーよ

ひ:だよね〜

〇:ひかるはできたのかよ

ひ:それは…

〇:ひかるもできてねーじゃん(笑)

ひ:それはこれからできるんだって!!

〇:ふーん(笑)

ひ:な、何?

〇:まぁ俺の方が先だな(笑)

ひ:なんで!?

〇:だってひかるチビじゃん(笑)

ひ:小さいことは関係ないじゃん!〇〇だって子供っぽいからできないよ!

〇:はぁ!?じゃあどっちが先に恋人できるか勝負だ!

ひ:いいよ!その勝負のった!

こうして俺はひかると『どっちが先に恋人ができるか』の勝負をすることになった。

ひ:負けないから!!!

〇:俺だって!!!



〜〜〜



ひかるが帰ったあと、俺は部屋で寝っ転がっていた。

〇:はぁ…どうしよ…

俺は悩みに悩んで親友に電話をかけた。

親友:お、〇〇どうしたん?珍しいやん

〇:ちょっと相談があってさ

親友:おう

親友に今日あった事を話した。

親友:なんか面白い展開になったじゃん(笑)

〇:何も面白くねぇよ

親友:これで告白しやすくなったじゃん(笑)

〇:まさか、お前面白がってんだろ!

親友:違うって(笑)親友の〇〇が長年想ってた森田に告白するってんだから応援してんだよ(笑)

〇:絶対嘘だねっ!

親友:そこは俺を信じろよー!

〇:嫌だね!

親友:でも真面目に〇〇には幸せになってほしいのよ

〇:なんだよ急に…

親友:だって小さい頃からずっと好きなんだろ?こんな機会ないじゃん!ここで漢気見せてくれよ!

〇:はぁ…でもさ、どうやって告白すればいいん?

親友:ん?そんなの簡単だって!……


________________________


学校にて。俺は親友の前で正座をさせられている。俺の前で親友はというと仁王立ちで腕を組んでいる。

親友:で?あれから何日経った?

〇:3週間くらいですかね…

親友:何でまだ告白してないんだよ!!!

〇:だって…

親友:だってじゃねぇ!ここで漢見せないでどうすんだよ!

〇:いや…告白したことないですし…言おうと想って意識すると…なんか…ひかるの顔見れないんですもん

親友:はぁ…

俺は懇願するような目で親友を見る。

親友:いいのか?森田がどっかの知らんやつに取られて

〇:…嫌です

親友:〇〇と勝負してるからって好きでもねぇ男と付き合うかもしれねぇぞ(森田に限ってそんな事ないと思うけど…)

〇:それは嫌だ!

親友:(今の〇〇には何言っても無駄か…)じゃあここで告白しないと!!!

〇:でも…

親友:何でそこで弱気になるっ!!

ひ:え?〇〇たち何してるの?

俺たちは同時に振り返る。ひかるが俺たちの光景を不思議そうに見つめている。

親友:おっ丁度いいところに(笑)

〇:まてっ!

ひ:ん?

親友:なんか〜〇〇くんが〜話したいことがあるんだって!

ひ:そうなの??なになに??

〇:ちょっ!お前!

親友:じゃあ僕はお邪魔だと思うので失礼しま〜す

〇:おいっ!まてっ!

親友は俺を置いて行ってしまった。

〇:(どうしよう…)

ひかるの方を見るとなんか若干ワクワクしてるように見えるんだけど…。

ひ:〇〇〜話ってなに?

田村〇〇。ここで言わなくていつ言うんだ。頑張るんだ俺。

俺は深呼吸をして心を少し落ち着かせる。

〇:ひかる

ひ:うん?

〇:どっちが先に付き合えるかって勝負あったじゃん

ひ:あったね〜

〇:それさ…

ひ:まさか先に…

〇:そうじゃなくてっ!……ひ、引き分けでもいい?

ひ:うん???それは…どういうこr

〇:俺と付き合ってほしいってことっ!!

ひ:えっ…!!!

俺は恥ずかしさのあまり大きな声で言ってしまった。やばい、絶対顔赤いよ。恥ずかしい。

ひ:〇〇…私のこと好きだったの?

〇:うん…

ひ:わ、私も…ずっと好きっ…今もずっと…〇〇のことが大好きっ…///

〇:ま、まじ?…///

ひ:うん…///

〇:両想いなら勝負しなくてもよかったじゃん〜(笑)

ひ:だね(笑)でもそのおかげで告白してくれじゃんっ!なら結果オーライだね(笑)

〇:そういうもん?(笑)

ひ:そういうことにしよ?(笑)これからも
よろしくね!彼氏さん(笑)

〇:お、おう…///

ひ:あぁ〜〇〇照れてる〜(笑)

〇:ひかるだってさっきから顔真っ赤だぞ(笑)

ひ:うるさいっ!!!

人生で一番の大勝負は幸せな引き分けに終わった。

end.

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