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重い彼女に愛されてみませんか?

今日も日雇いのバイトを終え、友人の家に帰ってきた。

友:おぉ〜おかえり〜

〇:ただいま〜

友:お腹減ってるだろ?夕飯用意してあるよ

〇:色々とありがとう…

友:いいって!あんなことがあったんじゃな

〇:ほんとごめん…

友:だからいいって!ほら飯冷めちゃうぞ

俺は今、身分を偽っているため定職に就けずに日雇いの仕事をしている。なぜ令和にもなって俺は身分を偽らなくてはいけないのか…。

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当時大学一年生だった俺には同じ学部の彼女ができた。その子は入学当時『可愛い子がいる』と噂になっていた子だった。小柄で笑顔が可愛くて誰にでも優しい子だった。

そんな彼女と付き合えたことは俺の人生で一番の嬉しいことだった。彼女のことは本当に好きだったし、愛していた。けど…。

彼女はとても愛が重かった。最初は耐えられる、こんなに愛してくれてるんだなって嬉しい方が大きかった。だけど、どんどん度が過ぎていって『監禁』されそうになった時に命の危険を感じ別れを告げた。

そこから数年は何事もなく過ぎていったけど、新しい彼女ができた時また彼女が僕の前に現れたんだ。

『なんで私以外の女と一緒にいるの…
?』『浮気だよね?』

「は?俺たちは別れたじゃないか」

『別れた…?何言ってるの?〇〇?』

「変な事言ってるのはそっ…」

『私たちは別れてない!!!』

恐怖を感じその場から急いで逃げた。彼女は追いかけて来なかったけどその日から俺の彼女に対しての嫌がらせが始まった。
俺も毎日誰かにつけられている恐怖心で家に引きこもるようになった。

彼女にも危害が加わるならと別れを告げ、大学も中退した頃、また彼女が現れた。

「何しに来たんだよ」

『彼女なら彼氏の家に来るのは当たり前でしょ?』

「は?まだそんなこと言ってんのかよ…」

『やっぱり…〇〇には分からせないといけないんだね…』

「は?」

彼女はいきなり俺の腹にスタンガンを突きつける。

「うっ…!」

俺は尻餅をついた。彼女はどんどん距離を詰めてくる。俺は逃げようとするが目の前の恐怖で体が思うように動かない。

いつの間にか彼女が俺の上に跨っていた。

『〇〇は私と別れてなんていないよ?』

「う、嘘だ…」

『〇〇はずっと私のもの…私だけの〇〇なの』

「ち、違うっ…」

『違わないっ!』

「っ…」

俺は力の限り彼女を退かして家から逃げた。振り返らず、ただがむしゃらに。

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〇:はぁっ!…はぁ…はぁ…

友:大丈夫か…?

友人は駆け寄り俺の背中を摩る。

〇:うん…

友:水飲むか?

〇:コクン…

友:またあいつの夢見たのか?

〇:そう…

友:無理しなくていいからな

〇:ありがとう…

友:身分の変えているんだそんな簡単に見つからないから安心しろ

〇:うん…

彼女から逃げた俺は友人の家に匿ってもらい、身分を偽ることになった。もう、彼女に見つからないように。

いつ彼女が俺の前に現れるか分からない恐怖に怯えながらも俺は毎日を過ごしていた。

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今日も日雇いバイトを終えて、友人の家に帰る。

〇:ただいま〜

部屋からは返答が無く、やけに静かだった。出かけているのかなとこの時は思った。

友人:〇〇!!こっちにくるなっ!!!

部屋に入ろうとした途端、友人の叫ぶ声が部屋中に響いた。

友人の忠告を素直に聞けばよかったが、友人のことが気になり、声のする方に行ってしまった。

〇:大丈夫k…え……

俺の目の前には床に倒れている友人とその友人の側に立っている元カノの姿があった。

〇:なんでひかるがここに…

ひ:やっと会えた〜〇〇〜会いたかったよ〜

元カノは僕に抱きつこうと近づいてきた。

〇:やめろ…俺に近づくな

ひ:なんで?私たち付き合ってるんだからいいでしょ?

友人:〇〇逃げろっ!!

ひ:うるさいっ!今〇〇と2人で喋ってるの邪魔しないでっ!!

友人はひかるの気迫に押され黙り込む。

〇:何ここにいるんだよ…

ひ:そりゃ…彼女だもんっ

〇:お前はもう彼女じゃないっ!!!

ひ:は?何言ってんの?私は〇〇の彼女だしずっと付き合ってたじゃんっ!別れてなんかないっ!!!

正気じゃないひかるに言葉を失う。

ひ:ねぇ?なんで?忘れたの?〇〇はずっと私の彼氏だよ?ずっと愛し合ってたのに…?なんでなんでなんでなんでなんでなんでよっ!!!!

ひかるの怒号で俺は腰が引けて尻餅を付く。気づいたら涙が溢れていた。

〇:もうっ…やめてくれよ……許してくれよっ…

ひ:私は何も怒ってないよ?あっ浮気したことはもう許したからね

ひかるは俺の前でしゃがみ俺の頭を撫でる。

ひ:〇〇がいなくなったあの日から私ずっと苦しかった…〇〇がいた毎日がずっと恋しかった…ずっと戻って来てほしいって思ってた……私が悪いよね…ごめんね…〇〇の事好きすぎて家の中に閉じ込めておこうとして……〇〇の事を取られたくなかったからっ…しちゃったっ…本当にごめんねっ…

ひかるの顔を見ると涙目になっていた。

〇:ひかる…

友人:おいっ!!〇〇っ!!

友人の叫ぶ声が聞こえてくる。けど、目の前のひかるから目を外せれない。

〇:ひかる…

ひ:どうしたの?…〇〇

ひかるは微笑みながら僕の頬に手を添える。

友人:おいっ!!!正気に戻れっ!!!

友人が何か叫んでいるが、友人の声はもう俺には届いていなかった。

〇:お…俺はっ……どうすればっ……

ひ:〇〇はずっと私といればいいの…もう考え込まなくていいしもう過去のことは忘れよう…?

〇:ひかると一緒に……?

ひかるは俺を抱きしめる。ひかるの胸の中でひかるの鼓動が鮮明に聞こえてくる。

ひ:うんっ!…〇〇の辛さも苦しみも痛みも全部受け止めれるのは彼女の私しかいないでしょ?

ひかるの背中に手を回す。ぎゅっと抱きしめるとひかるはさっきより少し力を込めて俺を抱きしめ返した。







〜〜〜

ひ:〇〇〜ごめんね?ちょっと遅れちゃった…

〇:大丈夫だよ?さっき来たばっかだし

ひ:そっか……

〇:どうした?

ひ:浮気してないよね…?

〇:そんな短時間でできるわけないじゃん(笑)それに俺はひかるだけしか好きじゃないよ

ひ:えへへっ…///ならよかったっ!

〇:じゃあいこっか?

ひ:うんっ!!今日はどこ行こうかなぁ〜

ひかるは〇〇の腕に抱きつき幸せそうな笑顔を〇〇に向ける。〇〇もひかるに微笑み返す。二人は幸せそうに人混みに消えていった。

end.

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