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夏休み最後の日に出会った少女

〇:今日で夏休みも終わりかぁ…

〇〇は1人公園のベンチで黄昏ている。

〇:と言っても何もすることないしなぁ…

〇〇は立ち上がり歩き始める。

〇:はぁ…

〇〇は溜息をつき下を向きながら歩いていく。

ドンッ

〇:痛っ…

〇〇はなにかにぶつかった衝撃を感じ前を見る。
多分自分がぶつかったであろう人が転けていた。

〇:(あ、やばいじゃん…)だ、大丈夫ですか?

?:いててっ…あ、すみません…よそ見してて…

〇:(うわぁ…怪我させてないかな…それにか弱そうな女の子じゃん…ちっこいし…小学生?それにしてはデカいか…中学生?)

?:あの…私の事今小学生とか中学生とか思いました?

〇〇の目の前に人物は〇〇の事を睨んでいた。

〇:え?いや…そんな事は…

?:絶対思ってた!顔に書いてあったもん!

〇:はぁ?心の声読めんのかよ

思わずツッコミを入れてしまう〇〇。

?:やっぱり!

〇:あっ…

?:私は小学生でも中学生でもありません!

〇:それは失礼しました…それより怪我は…?

?:軽いかすり傷なので大丈夫です

〇:よかった…(か弱そうだから骨折れてたりしてなくてよかった…)

?:か弱そうとか思ってます?

〇:(なっ!?…なんでわかるんだよ…)い、いえ…

?:ふーん…顔に出やすいので気をつけた方がいいですよ?では…

彼女はそういうと去って行った。

〇:なんなんだ…あの子…

〇〇も不思議に思いながらも家の方向に向かって歩いて行った。

~~~

夏休み明け初日。

〇:はぁ…学校始まっちまった…

〇〇は自分の机に顔を伏せだるそうにしている。

ガラガラ

先生:お前らーHR始めるぞー

〇:はぁ…

先生が入ってくると〇〇はため息を着く。

先生:初めにー今日から転校してきた生徒を紹介するぞー入れー

HR開始早々に転校生が来たことを告げられ教室は一気にざわざわしだした。

先生:お前ら少しは静かにしろー

男生徒:せんせー!転校生は女ですか?男ですか?

先生:来たら分かる

男生徒:教えてくれたっていいじゃん!

女生徒:かっこいい人かな?

男生徒:かわいい子だろ!

女生徒:かっこいい人来て欲しい〜!

先生:はい、お前らうるさいぞー

思い思いに話す生徒たちに先生は少しうざそうにしていた。

先生:はぁ…らちあかねぇなぁ…転校生呼ぶから静かしろー

その言葉に生徒たちは黙った。

先生:よし入っていいぞー

ガラガラ

教室に入ってきたのは小柄な女子生徒だった。

〇:ん?どこかで…

先生:じゃあ自己紹介よろしくー

ひ:ふ、福岡県から来ました…森田ひかるです…よろしくお願いしますペコッ

先生:じゃあみんなよろしくなー

ひかるが自己紹介をすると教室はまたざわざわしだした。

男生徒:かわいくね?

男生徒:だよな!仲良くなりてぇ

女生徒:ちっさくてかわいい〜

女生徒:愛でたい〜

先生:お前らほんとうるさいぞー

〇〇はじーっと転校生を見ている。

〇:あっ!

〇〇は急に大きな声を出し立ち上がった。

みんなが〇〇を見る。

〇:(あの子…昨日ぶつかった子じゃないか!)

先生:〇〇どうした?

ひかるも〇〇の方を見て驚いている。

〇:あ、いや…

先生は〇〇とひかるを交互に見る。

先生:お前ら知り合いか?

ひ:いや…知り合いって訳では…

〇:ち、ちがっ…

先生:まぁなんでもいいわ、知ってそうな顔してるから森田さんは〇〇の隣な

ひ:え?

〇:は?

先生:それと〇〇、昼休みか放課後森田さんに学校案内してやれ

〇:なんで!?

先生:隣の席だし、お前部活もやってないし暇だろ

〇:身勝手な…

先生:じゃあよろしくー

〇〇は面倒くさそうに席に座り、ひかるは〇〇の隣の席に座る。

すると先生はHRの続きを始めた。

ジーーーーーーーッ

〇:なんだよ

ひ:まさか同じ高校だったなんて…

〇:偶然すぎるだろ

ひ:昨日の事忘れてないから

〇:あれはごめんって

ひ:学校ちゃんと案内してね

〇:はいはい

~~~

その日の放課後。結局、昼休みはひかるが先生に呼び出された事により学校案内ができなかったため放課後する事になった。

〇:校舎は2つに別れていて…俺らの教室が本館で…

〇〇は校舎を回りながらひかるに教室の名前を教えていく。

〇:まぁざっとこんな感じかな

ひ:どの教室も広いね

〇:生徒数多い分クラスの人数も多いからな、あのくらい規模ないと入らないのかもな

ひ:私がいた所とは全然違う

〇:福岡だっけ?どんな所なの?

ひ:すごく田舎だよ、生徒の数も少ないし…

〇:へぇー

ひ:興味ないって思ってるでしょ

〇:思ってねぇよ、それに勝手に思ってる事読むな

ひ:やっぱり思ってたんじゃん…それは顔に出やすい〇〇くんが悪い!

〇:俺のせいにしやがって…

ひ:もう学校案内は終わり?

〇:そうだな…あっ

ひ:?

〇:最後にとっておきの場所教えようと思ったけどやーめた

ひ:は?なんで?

〇:森田さんがいじわるしたから(笑)

ひ:してないんですけど

〇:俺の考えてる事勝手に当ててそれを俺が顔に出やすいせいにしたから〜

ひ:ムーッ!なんかむかつく!

〇:(俺の勝ちだな(笑))

ひ:先生に〇〇くんがいじめてきたってチクってやる…

〇:はぁ?

ひ:これで〇〇くんも終わりだね(笑)

〇:すごい小学生超えて幼稚園児みたいな考え…

ひ:誰が幼稚園児だ!!

〇:(ぴーぴーうるさいからもう案内しよ…)ごめんって…案内するから許して

ひ:なら…許す

〇:ちょろっ…

ひ:ん?

〇:あ、いえ…なんでもないっす…

〇〇は仕方なくひかるを『とっておきの場所』に案内することにした。

~~~

ガチャッ

扉を開けて外に出る〇〇とひかる。

ひ:とっておきの場所って屋上?

〇:そう、ここは滅多に人が来ないしなんかあったらここに来ちゃうんだよね…それぐらい居心地がいい場所

ひ:いい所だね!気に入ったかも!

〇:あ、ここ俺が先に見つけた所なんで取らないでください(笑)

ひ:私も使っていいでしょ!

〇:別にいいけど(笑)

ひ:ムーッ!やっぱりなんかむかつく!

それから数日後、ひかるも学校に慣れてきて〇〇とも言い争いや小さな喧嘩をすることもあるが仲良くなっていた。

~~~

昼休み。

ひ:(あ、やばい…お弁当忘れてきちゃった…今から購買向かってももう売り切れてるよね…)

ちょうど〇〇が購買から帰ってきた。

〇:森田どうした?

ひ:いや!なんでもない!(ここで〇〇に言えばまたからかわれる…それは絶対嫌だ!)

〇:ふーん…

〇〇は席に着く。

〇:お昼食べないの?

ひ:あ、あぁ!お昼ね…い、今から食べるよ…!

〇:……

ひ:(どうしよ…)

ガタンッ

〇〇は席を立つと自分が購買で買ってきた焼きそばパンをひかるに差し出す。

ひ:え?

〇:これやるよ

ひ:なんで?

〇:お昼忘れてきたんだろ、今から購買行っても売り切れてるだろうし…やるよ

ひ:でも…〇〇のお昼は?

〇:俺の事は気にすんな、ほら

〇〇はひかるの机に焼きそばパンを置く。

ひ:でも…

〇:じゃ、俺ちょっと席外すわ

ひ:ちょっと…!

ひ:なんかむかつく…///

ひかるは顔を少し赤らめて俯いた。

~~~

〇:なんかカッコつけたみたいになったな…

〇〇は教室を出て屋上にいた。

ガチャッ…バタンッ!

ひ:〇〇!

〇:え?なんで来た?

ひ:やっぱりここにいた…

ひかるは〇〇の隣に腰掛ける。

〇:お昼食べてたんじゃないの?

ひ:私だけ食べるのはなんか嫌…

〇:はぁ…

ひかるは手に持っていた焼きそばパンを半分に割って片方を〇〇に差し出す。

ひ:はい!

〇:いいって

ひ:だめ!

〇:そんなグイグイ来なくていいって、食べるから!

〇〇はひかるから焼きそばパンを受け取る。

〇、ひ:いただきまーす(ます!)

ひ:パクッ…ん!この焼きそばパン美味しい!

〇:モグモグ…だろ、これが一番好きなんだよね

ひ:なんかご飯って1人で食べるより2人で食べた方が美味しいねニコッ

〇:そ、そうだな…///プイッ

ひ:ん…?…あれ〜照れてるのかな〜?(笑)

〇:て、照れてないしっ…///

ひ:あははっ…ほんと顔に出やすいよね…くくっ…あははっ

〇:笑い過ぎ!

ひ:あははっ…!

〇:もう笑うな!

からかい合う二人の中で『何か』が芽生え始めていた。

end

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