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追想

日曜日の夕方5時。テレビで流れる夕方のニュースをソファに横になりながら見つめる。

ひ:まだゴロゴロしてたの?(笑)

ひかるが二つのマグカップを持って来る。

〇:やることないしなぁ

ひかるはマグカップを机に置くとソファにもたれかかる。

テレビのニュースでは最近結婚した芸能人について放送していた。

〇:なんかずっとこのニュースしかやってないね

ひ:そりゃ〜二人とも超有名人だもん

〇:へぇ〜

ひかるの言葉でアナウンサーの人の『超ビックカップルがゴールイン』という言葉が少しだけ信憑性が増した。

ひ:ほんとに芸能とか興味ないね〜〇〇は

〇:ないね〜

言いながらひかるの顔を見ると羨ましそうに見ている気がした。





ひかると付き合って3年。出会ってからだともっとか。ずっと友達の関係だったひかると恋人になって同棲して…色んなことがあったな。





〇:なぁ…ひかる

ひ:うん?

ひかるがこっちを振り向く。






〇:俺の苗字もらってくれる?






ひ:えっ…

ひかるは目を丸くして驚いている。もっとちゃんと言えばよかったかな…。ひかるに次の言葉を言おうとした瞬間、抱きつかれた。

〇:ひかる…?

ひ:もちろん…〇〇は…もらってほしいの?

〇:俺はひかるがいい

ひかるの体を抱きしめる。

ひ:やっと…言って…くれた…

気づいたらひかるが泣いていた。

〇:待たせてしまってごめんね

ひ:ううん…謝らないで

ひかるは顔を上げて嬉しそうに微笑む。

ひ:やっと〇〇と同じ苗字になれる…///

〇:そんなに嬉しいの?(笑)

ひ:も〜…お嫁さんは女の子の夢なんだよ〜

〇:そうなのか…(笑)















〇:なんか懐かしいなぁ…

段ボールが何個も置かれた部屋を見てふと前のことを思い返してたみたいだ。

今日、たくさんの思い出が詰まったこの部屋とお別れする。彼女とたくさんの思い出があるこの家を。

?:何ぼさっとしてるの?

〇:ごめん(笑)

声のする方を見るとひかるが頬を膨らまして可愛らしく俺を睨んでいた。

ひ:もう〜早くしないと業者来ちゃうって〜

〇:もう終わるから(笑)

ひかるは『もう〜』と言いながら段ボールを持つ。その左手の薬指には綺麗な指輪が輝いていた。

end.

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