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彼女が出来ないのは幼馴染のせい…?

○:好きです!付き合ってください!

俺は今、何度目かの告白をした。

女の子:嬉しいけど…ごめんなさい…!

そして、案の定振られた。

俺は、落ち込みながら教室へ戻る。
告白しては振られる。毎回そう。だから、高校生になっても彼女ができない。

○:はぁ…

?:○○ー!どうだった??

○:ダメだった…

?:またダメだったか…じゃあひかるちゃんが慰めてあげる!

○:いいよ…年がら年中告白されるやつに慰められたくもない

ひ:うわ…言い方ひどっ!

俺の横でわーわー騒いでんのは幼馴染のひかる。俺と違って告白される側のやつ。まぁ毎回断ってるらしいけど。

○:うるせぇ…ってかなんでまだ教室にいんの?

ひ:それは振られた○○を慰めるため!

○:だからいいって

ひ:なんでよー!

○:近くで騒ぐな!

告白されて振られる度にこうやってひかるに茶化される。これがほんとうんざりするんだよなぁ。

ひ:ってかもうこんな時間!○○帰るよ!

○:はいはい…

俺はひかるの後を追うように教室を出る。

~~~

○:ひかるはいいよなぁ…告白される側で

ひ:なんで?

○:だって自分の事を好きになってくれる人がいるって事じゃん…俺なんて好きになってくれないから毎回振られてんのによ…

ひ:でも好きな人から告白されないからこっちもツラいんだよ?

○:ひかる好きな人いんの?

ひ:そりゃ…いるよ…///

○:誰?

ひ:教えない!

○:即答かよ…

ひ:○○もいつか好きになってくれる人が現れるって!

○:いつになるんだろ…

ひかると話しているうちに家に着いていた。

ひ:じゃあまた明日!

○:じゃあな

お互い家に入っていく。

~~~

数日後の放課後。

○:なぁひかる

ひ:うん?

ひかると帰ってる時に俺は宣言した。

○:俺…隣のクラスの守屋さんに告白するわ

ひ:え??なに急にってか守屋ちゃんの事好きだったの??

○:まぁね

ひ:へぇー…でいつ告白するの?

○:明日

ひ:あ、明日!?

○:なんで驚いてんの?

ひ:え?お、驚いてないよ…

○:まぁいいけど…

そうこうしてると家に着いた。

○:次こそは彼女作ってやるから

ひ:ま、まぁ頑張って…!

ひかるが若干動揺してる気がしたけど気にしないで家に帰った。

~~~

翌日。俺は守屋さんに放課後話があるから中庭に来て欲しいと伝えた。守屋さんは『わかった〜』と答えてくれた。

そして放課後。俺は中庭に向かおうと教室を出た。すると隣のクラスで守屋さんとひかるが2人で喋っている所を見かけた。
何故か気になってしまい俺は2人の様子をこっそり覗いてしまった。

麗:ひかるちゃんどうしたの?話って…

ひ:ま、○○に放課後呼び出されてるよね…?

麗:そうだけど…

ひ:も、もし告白されても断ってほしい!

麗:え?

は?ひかるは何言ってんだ?昨日は頑張ってって言ってたのに。なんで告白の邪魔してんだ?
もしかして毎回告白して振られてんのはこうやってひかるが邪魔してるから?何してくれてんだよ。

○:おい…何してんだよ!

俺は怒りに任せて気づいたら教室に入り、ひかるに怒鳴っていた。

麗:○○くん!?

ひ:○○!?も、もしかして聞いてた…?

俺はひかるの正面に立つ。

○:聞いてた?じゃねぇよ!なんで俺の告白の邪魔すんだよ!

ひ:ち、違うの!

○:なんも違わないだろ!聞いてたぞ!『告白されたら断って』って!

ひ:そ、それはっ…!

麗:○○くん!落ち着いて!

守屋さんが俺を止めようとひかるとの間に入ったがそんな事お構い無しに怒りをひかるにぶつける。

○:俺が告白する度に邪魔してたんだろ!それで振られた俺を毎回嘲笑ってたんだろ!

ひ:違う!

○:どこが違うって言えるんだよ!!もういい…これ以上俺に関わんな…

ひかるに背中を向ける。後ろではひかるが泣いている声が聞こえたが俺は振り向かずに教室を出た。

その日からひかるとは一言も言葉を交わしてない。
何度もLINEでメッセージが来たけど全て無視していた。

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私はやってしまった。小さい頃からずっと好きだった○○が守屋ちゃんに取られそうになった不安からついやってしまった。

あの日から毎日LINEにメッセージを送るけど、未読無視。そりゃそうだよね…。私はもう○○と付き合うことが出来ない。幼馴染としての関係にも戻れない。もう赤の他人なんだ。

あの日から毎日毎日後悔して、泣いていた。

○○の彼女になりたかった。毎回○○に好かれる子が羨ましかった。○○が私の事を好きになってくれる日が来ると思ってアピールもした。幼馴染っていう特権を使って。でも、全部ダメだったみたい…。

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ひかると話さなくなって1週間。なんだか静かになってちょっとだけ寂しい気持ちと許せない怒りで複雑になっていた。ひかるは俺になんか言いたそうに見てくる事があったけど俺は話す気がないから無視し続けていた。

?:ねぇ○○?

○:ん?

机に突っ伏した状態から顔を上げると同じクラスの松田がいた。

○:なに?

里:ちょっと話があるんだけど

○:うん

里:ここじゃなんだからちょっと来て

○:お、おう

松田と一緒に誰もいない視聴覚室に来た。

里:ここなら誰もいないね

○:なんだよ話って

里:ひかるのこと

○:……

里:ひかるから全て聞いてるよ…確かにひかるは悪い事した…100%ひかるが悪いし○○が怒れるのもわかる…でも、ひかるも反省してるから1回話は聞いてあげて欲しい

○:……

里:やっぱりまだ許せない…?

ひかるを許せない気持ちもまだある。でも、ひかるの事を考えると今まで幼馴染として過ごしてきた楽しかった日々も一緒に押し寄せてきて整理がつかなくなっていく。

○:少し考えさせて…

俺はそれだけ言い残し視聴覚室を出た。

家に帰って今日あった事とひかるの事を考えていた。考えれば考えるほどあの日の怒りよりも楽しい思い出ばかり思い出してしまう。

一緒に学校に行って、休み時間の度に絡んできて、帰る時も一緒で。休みの日には急に家に来て外に連れ出されて、毎回ひかるの好きな所に連れ回されて。テスト期間の時は一緒に勉強して、2人で赤点ギリギリを取って。バレンタインもクリスマスも俺の誕生日も毎年チョコやプレゼントくれたし、俺もお返し渡したり逆に誕生日とかお祝いしたり…。どの思い出もひかるは笑っていた。

この時にはもう俺の気持ちにはひかるへの怒りなんてなくなっていて、代わりにあったのは、『ひかるとまた毎日一緒にいたい。ひかるの笑顔を俺がひかるの隣で見ていたい。』だった。

携帯を取りだし、ひかるに『明日、話したい事があるから放課後教室に来て』それだけ送った。

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教室で○○を見かける度に声をかけようとするけど○○はこっちを見ようともしない。

最近はずっと○○の事を考えててうわの空だった。○○の事を考えてると時間があっという間に過ぎていて気づいたら夜中になっていたり、あの日の事を思い出して泣いてたりで寝不足になっていた。
親友のまりなに心配され、相談してみたけど…たぶん解決しないんだろう。だって…私は悪い事したんだもん。酷い事したんだもん。○○はもう…振り向いてくれないんだから。

今日も○○の事を考えていたら夜遅くになっていた。すると携帯に通知が。何も期待しないで見てみると○○からで…

『明日、話したい事があるから放課後教室に来て』

とだけ来ていた。

ひ:○○…

久しぶりに○○からのメッセージが来て○○のトーク画面を開いたままずっと泣き続けた。

私はまだやっぱり○○の事が好きで、諦めきれないんだ。それと同時にずっと苦しみ続けるんだなって実感してしまった…。

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誰もいない教室で○○は席に座って外を眺めている。程なくして教室のドアが開く音がする。

○○がドアに視線を向けるとひかるが教室の前に立っていた。

ひかるが○○の前まで来ると○○は席から立ってひかると面と向かう。ひかるはもう目に涙を溜めていた。

○:久しぶりだな…こうやって2人っきりなの…

ひ:うん…

○:あの時はカッとなって怒鳴ってごめん

ひ:ううん…○○は悪くない…悪いのは私だから…あの日は…ごめんなさい

ひかるの頬には涙が伝っていた。

○:もう謝んなくていいから…でもなんであんな事したの?

ひ:○○の事がっ…好きだからっ…ずっとずっと…好きだったからっ……○…○○が…守屋ちゃんと付き合っちゃうと思って…グスンッ…だからっ…邪魔した…

○:俺が告白する度に毎回ああやって言ってたの?

ひ:ううん…あの日だけ

○:そうだったのか…じゃあ俺も言い過ぎたな…

ひ:○○は悪くないって…!…私が○○を取られたくないからって…

○:目の下にクマできてるぞ…ちゃんと寝てるのか?

○○はひかるの目の下を撫でる。

ひ:なんでっ…なんでそんなに優しくするの…?私○○の告白邪魔したんだよ?…なんでっ…なんでよっ

○:ひかるの事が好きだから

ひ:えっ…?

○:あの日はひかるに怒ってたし、酷いことしてくれたと思ってた…許せないって思ってたけど…考えれば考えるほど怒りよりもひかるとの思い出ばっかり思い出しちまう…

ひ:……

○:怒りなんて今はとっくになくて…今は幼馴染じゃなくて彼女として…ひかるが俺の隣にいて欲しい…隣で笑っていて欲しい…そう思ってる

ひ:……いいのっ?…私…あんな酷いことしたのにっ…

○:それでもひかるがいい

ひ:ううぅ…○○っ…!

○○は泣いてるひかるを抱き寄せ頭を撫でる。

ひかるは○○の背中に腕を回し、服を掴む。

ひ:私も…○○がいいっ…!○○じゃなきゃいやだよぉ…!

○○は自分の胸の中で泣き続けるひかるの頭を優しく撫で続けた。

久しぶりの2人で帰る帰り道。

あの時とは違って2人は恋人繋ぎをしながら並んで歩いている。

二人とも幸せそうな笑顔で。

end.

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