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知らない人んち(仮) 4話

お疲れ様です。
最終話。楽しみです。
撮影みなさま頑張ってください!

それでは、少し長いですが、よろしくお願いします。


設定

きいろ、キャン、アク、ジェミは同じ施設「ひまわり」の育ち。
きいろは小さい頃に出ていったのと子供の頃の度重なる折檻とあの事件のせいで記憶が曖昧になってしまっていた。
折檻をしていたのは施設のもう一人の大人であった、伊藤さん(竹田先生の奥さん)であった。
奥さんは施設運営をする竹田さんに対して積極的にサポートしてはいなかった。
そのため、竹田先生との仲は悪くなり、子供達に対しても意地悪していき、次第に孤独感が強まり、それを子供たちに向けた暴力へと変わってしまった。
子供たちからはアイツ呼ばわりされ、憎まれていた。逆に奥さんは子供達を憎むことで自分を成立させていた。ある日幼いきいろが、花瓶を落としてしまったことを契機に奥さんがきいろを叱るために折檻をした。さらにお仕置きだとして、あの暗室と言われている自室へ連れ込んだ。それを見ていた、アクは正義感が強く許せなくなってしまった。
そこでアクの計画で、硫酸をかけて仕返しをすることにした。しかし、かかる所が悪く目に入ってしまい、そのせいで奥さんは失明をしてしまった。またそれがきっかけで引きこもるようになったのだ。
竹田先生はそこまで子供達が奥さんを憎んでいると知らなかった。
自分の責任だと思い、あの部屋に奥さんを隠し続けていた。
ただ、あの部屋を見ると皆が痛ましい気持ちになるので、入るべきじゃないと言っていた。

あの事件とは?→きいろを守ろうとしたアクの暴挙であり、奥さんを引きこもらせてしまった事件でもある。
アクからの送信されたきいろの名前→「きいろは本名を覚えているぞ」という意味→もらい子の方の名前ではなく、昔の名前で話しているじゃないかということ。
キャンの真相は?→アクから逃げるため。そして本当はきいろと繋がっていたのはキャンであった。竹田先生を助け戻ってくる予定。
アクはどこへ?→竹田先生から奥さんの部屋の鍵を取りに行った→なぜ?→奥さんを殺して全員が自由になるため、(心の平穏という意味で、そしてきいろの記憶が戻っていることも含めて彼女も救われるため)


プロット


●リビング:きいろとジェミ

ジェミ「きいろ? 違う人なの? じゃあ、あなたはだれ?」
きいろは微笑みのまま
きいろ「大丈夫よ、ジェミ。アクはそんな人じゃなかったじゃない?」
そう呟く、きいろ
その声に気づくジェミ
ジェミ「アクのこと……を、覚えているの?」

アクからのメールの文面に続きがくる
アクT「彼女は、自分の本名を覚えている」

   ×   ×   ×  

きいろ「私の本名『真ん中きいろ』って言うんですよ」

   ×   ×   ×  

きいろ「アクは優しいこだったもん」

ジェミ「ダメよ! きいろ! ダメよ!」

ドアを開けるおと
アクの帰宅

アク「ただいま」

●アク、きいろ、ジェミあの事件の回想:リビング

リビングが散乱している
それを冷めた目で見下ろすアク
慌てるジェミ

ジェミ「あ、アクおかえり。急に居なくなったから私びっくりして、動揺してしまって。ごめんなさい。部屋を散らかしてしまったのよ。」

すぐに片付けるからと、言って片付けようとするジェミ
アク「動揺? 本当は疑っているんだろう? いや、こんなお芝居をやめなければならない? そうだろう? きいろ」
ジェミを睨みつけたまま、アクはきいろに問いただす。

きいろはアクを見つめる。
優しい目のまま

コクリと頷く(きいろの中では、殺したり、終わらせたりするんじゃなく、みんなで幸せになるための一歩を踏み出そうよ、と言う意味が込められている)

アク「僕らは、あの女を。あの女を、社会的に抹殺してしまったんだよ」

暗室の扉の音がまたする。

●回想 アクNで:和室などで
ひまわりの立て看板が映る

伊藤さん(竹田さんの奥さん)
以下奥さん
奥さん「ああ! うるさいね!」
そう言って二階から顔を出して怒る感じの悪い奥さん

奥さん「だから、やなんだよ。子供ってのはさ!」
アクN「アイツは、事あるごとに暴言、暴力をふるって俺たちを蔑んでいた」

奥さんのいろんな行動を、過去の行動として、写す。
決して子供達を見せないアングル
 子供をぶつようなシーン
 水をかけるようなシーン
 マッチの火を投げつけるようなシーン
 唾を吐きつけるようなシーン
 服をもぎ取るようなシーン
 罵声をあげているようなシーン
 何かを笑い者にしているシーン

アクN「俺たちは耐えた。 竹田先生が好きだったから。そして、こうやって生きていくしか無いと諦めていたからだ。」

奥さんの虐げる笑顔のアップ
アクN「だが、きいろに。きいろに折檻をしやがったんだ。たった、あれだけのことで」

花瓶が棚から落ちるシーン
花瓶が割れている
奥さん「このクソガキ! 何しやがるんだ!」
奥さんが階段を登り、上に引っ張っていく。あの暗室を目指す。

奥さん「来い! 懲らしめてやる」
※SEなどで、子供の声でやめてーなどがあれば尚いい

アクN「俺は……俺たちは、もう我慢ができなかった」

目に強い硫酸をかけられる奥さん。
アクによる暴動であった。
叫び、続ける奥さん
アクN「視力を失ったあの女は、それ以来部屋に引きこもった。いい気味だ。そのあと、きいろも引き取り手が見つかり、僕らはバラバラになり、竹田先生も養護施設を閉じた」

閉じられた暗室のドアのアップ

アクN「そうだ。これで良かったんだ。僕らにとっては。きいろにとっては。竹田先生も、僕たちが悪いとは…悪いとは……」
(自分をなんとか正当化しようとしているアク)

––回想終わり––

●アク、ジェミ、きいろ:リビング
アクの苦しそうな顔アップから

アク「だから、さ、まだアイツは生きている。上にまだ居るんだよ。きいろの記憶が蘇ってしまったら、この過去を持ったまま生きなきゃならない。そうだろう? ジェミ? お前だって、本当は苦しいんだろ?」

ジェミ「だからって、だからって、何をするつもりなの?」

ポケットから、鍵を取り出すアク

アク「ジェミ。お前が探していたのはこれだろう? あの部屋の。アイツへの扉。僕らはアイツから解き放たれなければならい」
そうして、一度頭をもたげるが、降りしきって顔をあげる。

アク「そして、この家を燃やしてしまおう。みんなで一緒に……」
ジェミ「ダメよ! 自暴自棄にならないで」
ジェミが、アクに飛びつくが、跳ね飛ばされる。

アク「もう、嫌なんだよ。何もかも……」

階段を登る、アク

ジェミを抱えるきいろ

きいろ「大丈夫です……ううん、違うね。大丈夫? ジェミおねちゃん」
ジェミ「きいろ…きいろ……」
泣き崩れるジェミ
記憶が戻っていることが嬉しいが、何も好転しないこの状況が嫌でだった

●失明し、年老いた奥さん:暗室
ジェミ「ねぇ! 止めなきゃ。アクを止めなきゃ」
きいろ「うん。でも、アクはそんなことができる人じゃない」
鋭い目だが、動揺をしていない、きいろ。強い意志を感じる

アクが、扉に手をかける。
鍵を開けると、暗い部屋の真ん中で揺れて立っている奥さん。
ゴミ屋敷のようになっている。
アク「お前も、お前もここから出たいだろう?」
奥さんは、アクの方向を見つめて、ブツブツと何かを言っている。
ギリギリと握るハンカチ。
そのさきに包丁が見える

●止めに入る、ジェミときいろ:暗室
アク「お前がいなくなれば、そして、お前さえ居なければ」
アクが、奥さんを刺そうとする。
きいろが、間一髪で奥さんを押し倒して二人を救う。

アク「はぁはぁ! きいろ、どけ! こいつを殺して。そしてみんなで死ぬんだ。もう、終わるんだよ! お前から殺してやってもいい! お前だって辛いんだろう。この日常の世界がさ!」

ジェミ「やめて!」

きいろ「……どうもーyutouberのきいろでーす」
きいろは、奥さんを抱えたまま、あのセリフを言う。
戸惑う、二人。

アク「何を、こんな時に、ふざけやがって」
きいろ「ふざけてなんか!ふざけてなんかない!」
きいろは目の前のアクに強い意志で伝えようとする

きいろ「例えば、youtuberは架空のものかしら? 私の、あの名前も? それから、私のこの過去も?」
そう言って、抱えた奥さんをみるきいろ。首の後ろが少し見え、奥さんに折檻されていた傷が見える

きいろ「それから、この人が居なくなれば全てすむ? それに、わたしたちまで死んでしまって」
アクは、ワナワナとしている。二人を見守るジェミ

きいろ「そんなことない。そんなこと絶対にない。アク」
きいろは、奥さんを寝かせつけて、立ち上がる。

きいろ「何からも逃げないの。この過去の過ちからも」

アクが、プルプルと震える。包丁が揺れている。
きいろ「それが、本当の、全部やり直すってことなの。アク」
アクの心にその言葉が刺さる。
しかし、すでに竹田先生に手をかけているので、後戻りができない。

アク「だが、もう手遅れだ。何もかも。俺は、俺は、竹田先生を…」

キャン「手遅れじゃないわ」
ドアに手をかけているキャン
きいろと目が会うキャン
二人が真剣な目でうなずきあう

キャン「竹田先生は無事よ」
ジェミ・アク「え?」

●回想 キャンときいろ
キャン「きいろ…?」
きいろ「え??き、い…ろ…」
街中で偶然であった二人。キャンはきいろに話をし、昔のことをあらざらい話したのだった。そして、あの事件のことも。
きいろは、曖昧だった思い出を取り戻し、養護施設時代の名前も取り戻す。
きいろ「つまり、私たちはまだあそこにいるってこと?」
キャン「ん? どう言うこと?」
きいろ「私たちって、まだ信号でいうときいろよ。赤でも、ブルーでもない」(アウトでもセーフでもない、進むでも止まるでもない)

きいろN「私たちは、二人でこの過去を精算する計画を立てた。それは贖罪である。罪をお互いに認識して、もう一度歩み始めたい。そのためには、アクの心の重荷をみんなで一緒に降ろす必要があった。だから、私たちは、わざとあの公園の近くでyoutuberのふりをしてアクにアクションをかけたのだった」

起き上がる竹田先生(カット終わりで、動く島津さんの絵があれば)
キャンN「さっきのニュースはアクを油断させるために、私が作っておいたもの。竹田先生には裏で話を通しておいて、迎撃に備えてもらったのよ」

 ––回想終わり––


●全員で、アクを止めて、皆で謝る:暗室

キャン「だから、先生も生きているのよ。アク」
ジェミが口を抑える
きいろ「そう、手遅れじゃないわ」
アク「だが、そうだとしても。俺は、そいつが憎い」

アクが、一歩前進する。きいろを手で避ける。
きいろはそのまま放っておく。

アク「こいつが居なければ。みんなであのまま住めたんだ。こいつが居なければ、俺たちは、こんな毎日を過ごすことなかった。親も身寄りもない。それだけで虐げられる人生の連続だった。そうだろう?みんなだってそうだったはずだ。」

振り返ってきいろをみるアク

アク「きいろ、お前だって。お前こそ!」

奥さん「ごめなさい。ごめんなさい。ごめんなさい」

小さく奥さんが呟いたのを聞き取るアク、きいろ

きいろ「でも、奥さんが居なければ、私たちはそもそも彼処に集まることさえできなかったのよ」
アクがきいろを驚愕の目で見つめる

きいろ「竹田先生がこの施設を開くことができたのは、奥さんのおかげよ。竹田先生の考え方には賛同していなかったけども、施設設立のお金を出してくれたのはこの人よ」

ジェミ「でも、どうして、あんなにも私たちを憎んでいたのよ。そんなのおかしいわよ」

キャン「そう、最初はとても優しい人だったのよ」

 ––回想シーン––

奥さんの優しいシーン

 ––回想終わり––

きいろ「子供ができなかったの。それが段々とプレッシャーになってしまったのよ。私たちの奔放さに、傷ついていたのよ。どうして私には授けてくれないの?って」

アク「だから、、て。だからって何をしてもいいわけじゃない!お前だって、そんな体にされているのに!」
きいろ「でも!だからって、彼女の光を私たちが奪っていいわけでもなかったのよ」

アクは、後ずさる。
キャンは、下を向く。
ジェミは俯く

アク「でも、でも」

きいろ「だから、もう。アクも自分を許してあげて。貴方だって悪かったわけじゃない。いいえ。世界中の何かが貴方を許さないのは分かるわ。でも、私は貴方のことを許す。私を守ってくれたもの。そうして、私はこの人に謝らないといけない。私がそんな風に思ってしまっていることを」

奥さん「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。

きいろ抱き寄せる。

きいろ「ごめんなさい」

泣き崩れる、アク。

●後日談
きいろN「私たちはあれから数週間ごとのサイクルで奥さんの面倒をみることを決めた。それが、私たちのできることでもあった」

きいろN「それをしているおかげか、アクの気持ちの不安定さも落ち着いていった」

きいろ家を見つめる
きいろ「私たち、戻ってきたんだよね」
アク「ああ」
ジェミ「そうね。あの頃のように」
キャン「結局、アクの願っていた通りになったってこと?」
アク、照れる

みんなが家に入っていく。「お邪魔しまーす」

きいろN「あの頃に戻ったんじゃない。もう、前に進んだんだ。だから、この家は、私たちにとっては知らない人んちになったの」

最後、乾杯をするシーンで終わる。


––了––



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