ライブに行っても楽しめなくなった話
私はあるアーティストが好きだ。中学生の頃に友達から「これ良かったら聞いてみて」と言われ借りたCDアルバム。そこから見事にハマって現在40代に至るまでずっとファンを続けている。
とてもそのアーティストが好きな事は昔から変わりがない。なのに何故なのか、ライブに行っても前ほど楽しいと感じられなくなってきた。
そりゃ若い頃と今の自分じゃ感性に違いが出てくるのはしょうがないよねとも思いつつ、自分の感受性が死んできているのではないかと寂しい気持ちが湧いてくる。
感受性云々は置いといて、なぜ楽しいと感じなくなってきたのか考えてみようと思う。
原因その1 ステージで歌っている、演奏している人達が現実に存在していると感じられない
〇〇ドーム、スタジアムなどの巨大な空間でのライブを見たことがある人ならわかると思うが、席がステージから遠いとアーティストは豆粒のように小さくしか見えない。ステージの横にある巨大スクリーンの映像を見れば本人だとわかるが、どうしても遠くからDVDを見ているような感覚に陥る。
原因その2 お客さんとの距離が近すぎる
去年スタジアムでのライブに行った時感じた事。お客さんとの距離が近いなぁということだ。自分の隣の方が結構ふくよかで、2人分ぐらいの幅を取っていたので、開演を待ってる間体がぶつからないよう気を使って凄く疲れた。また、Zeppなどオールスタンディング系のライブも言ったことがあるが、席が区画されているライブと違って人いきれが半端ない。満員電車のすし詰め状態で見るライブは全く集中できず、早く帰りたいとしか思えなかった時もある。
原因その3 会場が広すぎると音が響きすぎて変に聞こえる
広い会場だと音がモワーンと広がってあまり良く聞こえないことがある。ワンワンワンと空間を漂う残響が混じって変な感じに。それがライブだろと言われればそうなのだけども。音楽をじっくり聞きたいならやっぱり音源が一番いい。
原因その4 ミニマリスト傾向があるのでグッズを買わない
グッズを買う、というのもライブの楽しみのひとつ。だけどグッズを買うと物がどんどん増えていくし、増えすぎたから捨てようとなると心苦しい。だから今は全く買わなくなってしまった。
学生時代は結構買ってた方で、どうしても欲しいグッズを買ってしまいお金が無くなり、「帰りの運賃どーしよう」となった淡い思い出がある。
ここまでなんで楽しめないのか、という点を挙げてみて感じるのは、いまいちライブに没入できない、集中できなくなってしまったということだ。
家でライブDVDを見ている時はとても集中しているし感動もしている。アーティストの表情も目の前でしっかり感じられるし、歌や音がしっかり耳に届くから。なおかつ集中を削がれる外的要素もない訳で。
感受性が死んできているのではと思ったけどそうではなく、年齢を重ねるにつれ楽しみ方が変わってきたのだろう。会場に集まった人たちの熱気を感じながら見たいというより、ゆったりした状態でしっかり見たい、聞きたいになったのだなと思った。
でもライブを全く見なくなるのもそれはそれで寂しい。ディナーショーみたいな椅子に座りながらゆったりしたライブをやってくれたらいいのになぁ。そうなるとチケットは全然取れないだろうし、どんだけ値段が高くなるのか恐ろしい。
ライブを楽しめる方も楽しめない方も。今は楽しめないかもしれないけどそのうちまた感性が変わって楽しめるかもしれない。どっちにしろそのアーティストを好きで応援する気持ちは何も変わりはない事だけは強く言えると思った。
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