自他の区別がない人はNOが理解できない

はじまりは母だった気がする。

私の母は他人がハッキリと、何度も「NO」「迷惑」「あなたが嫌い」と真っ向から告げても、母はこう言うのだ「あの人は遠慮しているだけ。だから、わたしがそばにいてあげないといけない」と。そうして母から人が離れていく。母は親切だと思っているが、母から離れた人々は口々に言うのだ「言葉が通じない粘着質な恐ろしい人」だと。

母と似たような人に何度も出会った。

その人たちは相手がハッキリとしたNOをつきつけても、都合よく「遠慮しているだけだ」と考えて同じことで何度も付き纏ってきた。もちろん人間関係を維持できるわけがなかった。ハッキリNOを伝えているのに嫌なことを何度もされて嬉しい人間などいない。

彼ら彼女らは、自他の区別がついていないようで、『自分の考えていること=他人も同じことを考えている』と思っているらしく、選択肢があるように見えて最後は相手が必ず「YES」と答えるように脳内ストーリーが出来上がっているようだった。

私は未成年のときに鬱になり精神科を受診している。私の保護者として同行した母が自己愛パーソナリティ障害の疑いがあると聞かされ、あなたより母の方の言動が異常と聞かされた。

実際、私が今まで出会った自己愛の強い人々は揃って、自他の区別がつかず、勝手な脳内ストーリーを作っては他人が脳内ストーリー通りにならないと、被害者面をしてすさまじくキレていた。

母も同じように私がNOと言っても親の権力で話を捻じ曲げてYESにしたり、私の好きな食べ物や趣味、嫌いなものまで決めて理想の私を脳内でつくりあげ、些細なズレがあった瞬間、母は被害者面になり私に対しての暴言暴力がひどかった。私の鬱の元凶でもある。

自他の区別がつかない彼ら彼女らには他人の「NO」が理解できない。自分と他人の区別がつかないということは極端に言うと世界に自分しか存在しないからだ。

NOや相手にとって都合の悪いことを告げても、短時間の間にYESというまで付き纏ってくる人は私は付き合いを表面だけにとどめたり、縁をきることが多い。勝手に脳内ストーリーの出演者にされたくないからだ。


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