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Vol.7 立石優輔|機能性材料・分子をAIで探したい博士

1.どのような研究をしていますか?

 “インフォマティクス”と言われる情報科学分野での研究をしています。過去に蓄積されたデータから有用な知見を引き出したり、複雑な実験を機械学習・計算シミュレーションなどにより代替する事を行います。その中でも現在は、分子の電子状態に着目し、糖尿病治療薬を天然物から新規に発見する研究を行っています。
電子状態計算を利用した大規模な医薬品探索は、計算コストを理由にほとんど行われていませんでした。しかし、今後の更なる計算能力の向上に先立ち、電子状態計算に基づく医薬品探索の手法を確立することは、将来大きな価値を持つと考えています。
どのくらい確立した技術や知見が社会に役立つかは、いまだわかりません。しかし、研究の中で直面した課題を解決し、予想外の結果が出たらその真偽を確かめる。そして、考察して、また問題にぶち当たる。このような研究の過程は、辛いことも多いですが、自身と研究が少しづつ前に進んでいっていることを喜ばしく感じています!

学会で発表している様子(ポスターを印刷するのが間に合わなかった、、、。)

2.どんな人生を経て、熊本大学に?

 今では笑い話ですが、両親からは「生まれた時から反抗期」と言われており、本当に猪突猛進を体現したような、手のかかるヤンチャな子供でした。高校では(少し手を抜きながら)勉強と部活を両立し、ドタバタで頑張っていました。毎年全国大会に行く様なソフトテニス部で、毎朝毎晩、練習練習練習で、部活以外は脊髄反射で生きている様な高校時代でした。このソフトテニス部に入ると言う選択が人生のターニングポイントだったのではないかと思っています。この時期に、礼儀とか、ガッツとか、自制心とか、勉強以外に大切なことをたくさん学ばせて貰った気がします。
大学に入学後は、時間があったので、たくさんバイトして、たくさん遊びました。暇が故に、これまで猪突猛進だった性分が改善し、物思いにふけたり、内省したり、何かを嗜んだり、そういった自分の心と対話する時間を得ることができ、精神的に成長したと感じます。
一番の刺激は、多くの人たちとの出会いです。悪い(けど良い)先輩、親しい同期、生意気だけど可愛い後輩など、彼らから多くの刺激を受け、新しい経験や感情、考え方を学びました。
現在は絶賛、研究に没頭中ですが、これも家族の支え、指導教員である杉本先生のご指導、ご支援のおかげ以外のなんでもありません。


高校時代、ソフトテニス部に所属していました。この写真は高校生活、最後の公式試合だったと記憶しています。とても日焼けしていますね。
見覚えのない幼稚園生時代のお遊戯会。ちなみにMBTIは主人公(ENFJ)らしいです。

3.人生の中で、心に残っている言葉は?

2つ、心に残っている言葉があります。1つ目は、高校の先生に「自分が苦しくなる選択肢を選びなさい」と言われたことが、心に残り続けています。最初は、「そんな馬鹿な…」と思っていましたが、今はその大切さが分かります。ナルト疾風伝のナルトも似た様なことを言っていました、「知りたいのは楽な道のりじゃねぇ、険しい道の歩き方だ!」と。2つ目は、平成31年の東大入学式で、上野千鶴子さんが仰っていた内容です。「自分が恵まれた環境にいる事を自覚しなければならない。自分が勝ち進む為だけに努力してはならない。」というお言葉です。いつも、これらのメッセージが心の片隅にあります。これまで起きた全ての出来事、出会い、環境、努力の結果に、感謝して、驕らず謙虚に進んでいきたいと思っています。


熊本大学新入生サポートセンター(通称:サポセン)での一枚。サポセンは、僕の大学生活の50%以上の思い出を占めるコミュニティ(入って良かった!、いろんな出会いと経験に感謝!)
学部卒業式で、研究室の卒業メンバーで撮った写真(杉本研究室を選んで良かった!)

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