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Vol.4 岡田行雄|酒席博士
#現場主義 #人は出会いで変わる #酒席での学び大切さ
1.どのような研究をしていますか?
法律学の中でも、主に少年法という法律に定められている家庭裁判所調査官による非行少年についての調査の在り方について研究してきました。そこから現在は、「性犯罪を繰り返す非行少年がどのような扱いを受けるべきか?」に関する研究をしています。
これらの研究の着眼点は、非行少年に積み重ねられてきた虐待被害などの様々な被害です。例えば、性犯罪を繰り返す者は、性的な虐待被害の過去を持つという指摘もあります。しかし、そのような被害に対する手当てが行われてきた話は一切出てきません。そこで私は、このような被害が積み重ねられた末に非行や犯罪へ至った者に対して、どのような法的対応がなされるべきかに着目して、内外の文献の検討や非行少年の教育や治療に携わっている方々へのインタビューを通して研究を進めています。
このような研究を通して、非行少年や犯罪者を処罰する以前に、事件の被害者のみならず、被害が積み重ねられた非行少年や犯罪者をも幸福にするために国が行うべきアクションを明らかにすることが狙いです。
このような研究の背景には、私自身が受けてきたいじめ被害等と、私が走った非行との間のつながりに私自身が気づいたことがあります。
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この会議を主宰している団体を長らくリードしているプファイファー教授に
ご著書をいただいたときの写真。
2.どんな人生を経て、熊本大学に?
学校で小学校3年生から中学校2年生までいじめられており、学校は行きたいところではありませんでした。いじめだけでなく、教員による体罰にも怒っていました。余計な一言をつい人前で言ってしまい、周囲からひんしゅくを買い、友達を作るのも下手で、寂しい10代でした。
生まれ育った長崎を離れ、九州大学法学部で麻雀卓を囲む仲間ができ、刑法ゼミで素敵な先輩方に可愛がっていただいたおかげで酒席の楽しさも知りました。そこで自分は、人とお話しをするのが大好きなのだということに気が付きました。
刑法ゼミの先輩が大学院に進学したのを見て、私自身も大学院に行きたくなり、恩師である内田博文先生(現:国立ハンセン病資料館館長)の下で研究を始めました。その時は、国家が刑罰を科すことで本当に犯罪者が犯罪をやめるのか?という、自分の体験に基づく疑問から出発したテーマを研究しようとしていました。
その後、内田先生から、「少年のような岡田君は少年法を研究した方がいい」とアドバイスをいただき、少年法を研究をすることで、いじめや体罰の問題にもコミットできると考えた末、少年法の研究を始めました。
しかし当時は、少年法の研究者など皆無に等しい状況であり、研究が全く進みませんでした。それでも偶然に、ドイツ・ミュンヘンに1年弱留学させてもらったことで、ドイツと日本の少年法を比較しつつ、内田先生が説かれていた”現場に学ぶこと”を実践するうちに研究が進むようになり、現在に至っています。
ドイツ留学中は、”自分にとって大事なものは何か?”を真剣に考えました。その後、法律学では、価値観ではなく、歴史に裏付けられた価値が重要だと恩師から教えていただいたことを踏まえて、常に、客観的に大事なことは何かを意識しながら人生を歩んできました。
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3.生きている中で大事にしていることは?
生きている中で大事にしていることは、”他者との信頼関係”です。人は一人では生きていけません。寂しがり屋の私にとって、人に信頼してもらうことは命とも言えます。
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3位になったときの写真。
▼所属研究室▼
▼紹介記事1▼
熊大通信 Vol.77 ~学外の学びも止めない「被害者分断の克服に向けて」~
▼紹介記事2▼
~研究室探訪〜