ジャズクラリネット奏者 谷口英治さんにインスタライブでお伺いした12の質問
2021年 4/13(火)20:00〜熊倉未佐子インスタライブに、谷口英治さんをお招きして沢山のお話を伺いました。
私の師匠でもある、ジャズクラリネット奏者 谷口英治さんは、学生時代から数々のコンテストで素晴らしい成績をおさめられ、クラリネットの新鋭として鮮烈なデビューをされて以来、昨今のクラリネットミュージックの領域を広げていらっしゃるお方です。
詳しくはこちらをどうぞ〜
今でこそ、お仕事でご一緒する機会も増えて参りましたが、私が高校生の頃からお世話になっている師匠ですので、ちょっと気恥ずかしさもありつつ…(笑)
今回インスタライブにお招きするにあたり、この機会に視聴者さんから募った12の質問をしました。
この記事では、Q&Aをまとめておりますので、ジャズクラリネットを習得したい方や、ジャズクラリネットを教えている方にも参考になる内容だと思います。ぜひ最後までご覧ください。
Q1.リードの選び方について、良いリード、悪いリードの違いがよく分かりません。どうすればいいですか?
A.初心者の方の場合、沢山のリードに出会っていないので違いがわからないのだと思います。まずは、とにかく多く吹き比べてみましょう。状況が許せば2〜5箱試してみて、その中で何もしなくても良い音が出るリードが数枚見つかればそこからは見分けるのも早いです。
ある程度吹ける方の場合、藤井一男先生のお言葉で、『小は大を兼ねる』というお言葉があり、リード選びの際に小さい音で吹くことをお勧めされています。小さく吹いたときに太くて豊かな音色がするリードを選ぶと良いそうです。
Q2.R13を吹いていますが変化が欲しいです。リード以外で何のパーツを変えるのがお勧めですか?
A.アマチュアの方の場合、やり過ぎない方がいいですが、色々なグッズを試すのはひとつの楽しみ方でもあるので、沢山試してみてください。R13は良い楽器なので大切にしてくださいね。
Q3.テーマのフェイクがうまく出来ません。どんな練習をしたらよいですか?
A.テーマの研究を沢山することです。そっくりに吹けるようにコピーしましょう。
Q4.グリッサンド(ポルタメント)が上手くなるにはどうしたらいいですか?
A.まず、今の仕掛けがポルタメントに適していない可能性があります。
柔らかい(軽い)リードを使い、ポルタメントをする際は口を緩めた状態で指をずらします。
ラプソディーインブルー冒頭のポルタメントは、音程を均等に上昇させるよりも、序盤は緩やかに、後半で一気に上昇させるとより爽やかで魅力的になると考えています。ぜひ参考にしてみてください。
Q5.初心者におすすめのプレイヤー、アルバムは何ですか?
A.初心者だからとか、ジャズ入門はこれ!といったことは特にないと思います。いろんなものを聴き比べて気に入ったものから枝葉が伸びていくのが良いと思います。
※谷口さんが初心者の頃に聴いていたのは、ベニーグッドマンの1980年来日公演を聴いて感動したんだそうです。ラジオで流れたのをカセットに録音して繰り返し聴いていたそうです。それから北村英治さんのアルバムを夢中になって聴いていたのだとか。
※熊倉が初心者の頃どハマりしていたのはバディーデフランコでした。当時の私にはあまりにも難し過ぎたのですが、何度も聴いて完璧にニュアンスが合わせられるようになるまで研究しました。
Q6.耳コピがなかなか出来なくて困っています。どんなトレーニングをすればいいですか?
A.谷口さん)ジャズはイヤートレーニングがとても大事な音楽です。才能がなくても訓練で耳は育ちます。キャッチできることを少しづつ増やして、知っているパッセージを増やしていくようにしましょう。
拾った音を楽器で吹く前にイメージする為に歌ってみるのも効果的です。歌ってみることでイヤートレーニングになったりもします。
熊倉)洗足音大で教わったイヤートレーニングで、ピアノで基準になる音を確認した後に鍵盤を見ずに音をひとつ鳴らして音程間を当てたり音名を当てる、相対音感を鍛えるトレーニングが効果的だと思います。
谷口さん)Anat Cohenとの練習でやったトレーニングで、谷口さんがロングトーンした音にAnatがピッチも合わせてロングトーンをする、今度はAnatがロングトーンした音に谷口さんがピッチもぴったりにロングトーンするという練習がイヤートレーニングにもなるしロングトーンの練習にもなって効果的だと思います。
Q7.コロナで活動の制限があり、練習モチベーションが下がってしまいました。何か良い方法ありますか?
谷口先生も仕事に行きたくない日ってありますか?(笑)そんな時はどうしていますか?
A.初心に返って、初めて楽器を触った日にタイムスリップするごっこをしています。新鮮な気持ちを大切にすると良いです。モチベーションが高かった瞬間の気持ちを思い出すことで気分を変えることができます。
Q8.説得力のある音を出すコツを教えてください
A.説得力は自分から出すものではなく、説得された側が「説得された〜」と思うことですが、説得力のある音を出そうと思うことや、説得力のある音ってどういうことだろうと真剣に考えることは大事です。
「部屋の向こう側では自分の音がどんな風になっているのだろう?」と、外の音を聴いてみることが大事です。最初は難しいですが意識してみましょう。
Q9.初心者です。谷口先生のエチュードを購入しましたがまだ自分には難しいです。まずどのような基礎練習をすればいいですか?
A.できるところだけ吹いてみるのも良いと思います。
基礎練習は巷に沢山ありますので特にこれというのはないですが、ロングトーンと慌てずにスケールをやることですね。思いっきりゆっくりのテンポで枯葉のメロディーをロングトーンしたり、Over The Rainbow で生徒さんのコンディションチェックをしたりしていますよ。曲をやりましょう。
Q10.樹脂リードを使われたことはありますか?
A.熊倉)あります。バスクラリネットはレジェールを愛用していますが、ベークラリネット用は私には合いませんでした。それと、樹脂リードから普通のリードに戻る際に苦労されているアマチュアの方をよく見かけるので、「安易な気持ちで乗り換えようとしてるなら気をつけてくださいね」とアナウンスしています。
谷口さん)樹脂リードは便利だろうなとは思うものの、時間とお金をかけるだけのモチベーションが向いていないことと、今のところ必要性を感じていないので使ってはいませんが、研究すれば全然使えると思います。
Q11.八分音符がかっこよくスウィングするためにはどうしたらいいですか?裏のタンギングが出来ません。
A.お勧めの動画があります。
【日本語字幕】クラーク・テリー『ジャズの発音について』【英会話学習】
Q12.アドリブを吹こうと思うと緊張して上手く音が出せません。どうすればいいですか?
A.ジャズという音楽は、「自分がそのメンバーと何ができるか」という音楽ではなくて、「その人たちと自分がどうできるか」という音楽だと思います。
素晴らしいメンバーと一緒に演奏すると自分が転んでいても全部音楽になっていくんです。それを早く知ることが大事です。
「自分が一言一句間違えないようにきちっとした内容が出来なくては!」というアプローチは良くない状態で、「え〜と、あの〜…」となっているぐらいのものの方が案外良いアンサンブルだったりします。
自分が何かやらなくてもジャズのアンサンブルはむしろ良い状態になっていくということを早く体験した方がいいと思います。それは人任せにするということではなくて、その状況の中で自分がどういうアクションを起こしたらいいのかっていうところからいいアドリブが生まれてきます。
緊張した状態で何が出来ているかということによって、面白い音楽が出来てゆくのです。
おわりに
今回快くインスタライブに出演してくださった谷口英治さんへの質問、いかがでしたでしょうか?とっても的確に、親切でわかりやすい回答でしたね。ぜひご参考になさってください。
谷口英治さんは、近く、テレビ出演もされるそうです。
29日(土)10:00~題名のない音楽会(テレビ朝日)
ぜひご覧になってみてくださいね。
拾い画ですが、予告に映っていたそうですよ!
谷口英治さんはご多忙の中、数多くの生徒さんをご指導されており、冒頭でも書きましたが私もそのひとりでした。谷口英治さん直系のお弟子さんで、音楽大学を卒業しプロの演奏活動とレッスン教室の運営や指導をされている方は意外に少なく、私を含め数人です。
私も、ジャズクラリネットに挑戦してみたい方のお手伝いができたらと思い、幅広い年齢層を対象に、暮らしに寄り添った頻度と時間帯のレッスンを行っております。クラリネット初心者の方でもご安心いただけるよう、個人個人のレベルに合った内容で、明るく楽しく続けられるレッスンを心がけています。ご興味のある方は、ぜひこちらをご覧ください。インターネットから簡単にレッスンのご予約が可能です。
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