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東山魁夷の(と)「道」
世の中は東山魁夷展やっているらしいけど僕は自宅にあるやつで十分かな。
大混雑のなか常に後ろからのプレッシャーに晒されながら絵を観賞するのはムリ。
生でみるから価値があるってわけじゃない。大切なのはその絵と(一生)向き合う姿勢だから、それがしっかりしていれば対象がレプリカであっても、絵葉書でもYouTubeでも全然OKなんですよ。
逆言うとそれぐらいのやや深めの覚悟、に近いものがないのであればどんどん美術館巡りしたらいいと思う。それは観光旅行と同じ位相だから。
つまり数をこなせば満足感が高まるタイプの趣味。
絵を観るとは本来はそういうことではないのですが、観光旅行が本来の「旅」からかけ離れてしまい、かけ離れたがゆえにまったく別なタイプの趣味や娯楽として「旅」と共存しているように、絵を観ることと、週末イモ洗いの中美術館巡りをすることとは共存しているようなのでまあよいのではないでしょうか。
観光旅行や美術館巡りは資本主義経済に完全にからめとられていますが、もともとそういう性質を内包しているものなのでしょう。