【インタビュー3】ホームエデュケーションをしている熊谷家への6つの質問
■回答者 熊谷 亜希子(共育ステーション地球の家 代表)
くまがい あきこ プロフィール
1男2女の母。
3人の子どもたちは、「公立学校に通う子」「ホームエデュケーションで育つ子」「ホームエデュケーション+公立学校を利用している子」と、三者三様に育っている。
また、2人の子どもに発達凸凹があり、1人の子どもがHSC(ひといちばい敏感な子ども)であるが、「発達凸凹や繊細さも含めてその子らしさ」と捉えている。
※プロフィール全文 https://profile.ameba.jp/ameba/acco888/
【問1】 お子さんの「学校に行かない(行かなかった)理由」を教えてください。
▼以下、第1子と第3子のエピソードです。
第1子:
2008年頃、子どもたちの幼児期にモンテッソーリ教育と出逢い、小学校以降も「自由の保障・自己決定・自己責任」という教育環境で育てていきたいと思っていました。
第1子が小学校に上がる際に、
「小学校に行ってもいいし、地球の家(千葉県松戸市 小さなオルタナティブスクール)に行ってもいいし、どちらでも良いよ」
と子どもに伝えました。
子どもの答えは、
「小学校ってどんなところかわからないから、行ってみる」
というものでした。
小1の1学期は、週3回小学校+週2回 地球の家というハイブリッドスクーリング(混合型の学び)でした。
その後、2学期の初めに1か月ほど小学校にまったく行かなかった時期があります。その時の理由は、たしか、
「プールのシャワーが冷たすぎる」
という理由だったかと思います。
それ以降は、週5回小学校+週1回放課後に地球の家、というスタイルで過ごしました。
中学生になり、部活にも入ったので、現在は年に数回 松戸まなビーバーのイベントに参加しています。
第3子:
年少の3学期に、第2子の小学校のすぐ近くにあった幼稚園に入園しましたが、入園後2か月で退園しました。
「なぜ、やりたないのに工作をしなくちゃいけないの?」
「なぜ、やりたくないのにサッカーをしなくちゃいけないの?」
「なぜ、やりたないのに歌を歌わなくちゃいけないの?」
自分の意志がかなりはっきりしており、集団行動に自分を合わせるということをしない子でした。
その後、3か月間自宅でゆっくり過ごしている間に、発達に関する診断も出て(当時5歳)、週5回どこかに通うのは合わないだろうという判断で、2つ目の幼稚園(モンテッソーリ教育)へ週3回だけ登園することになりました。
「自由の保障・自己決定・自己責任」という教育環境がとても合っていたようで、行き渋りもなく、卒園しました。
それでも、幼稚園の運動会やクリスマス会の発表は、参加が5割という子でした。
(ダンスがいや、歌がいや、みんなの前での発表がいや)
その後、「小学校は行く」とのことで、小1の1学期は休むことなく登校していましたが、夏休みの後半に、
「家で勉強したい」
「知っていることをずっと聞いていなくちゃいけないのがいやだ」
と言いました。
それから、小1の2学期から現在(小3)に至るまで、週1~3回小学校+ホームエデュケーションというハイブリッドスクーリングで過ごしています。
(小学校では、マンツーマン指導の「ことばの教室」と、体育の授業に参加)
(5歳~小2まで療育施設にもお世話になっていましたが、現在はお休み中)
(2歳~小1まで、地球の家にも週1回参加していましたが、現在はごくたまに参加する程度です)
【問2】 普段の過ごし方・1日の流れは?
■わが家のホームエデュケーション(第2子・第3子)の1日の流れ
~午前~
〇起床(入眠困難の発達特性がある第3子は「9:30までに起床」が目標)
〇朝ごはん
〇午前中に家事を1つ担当
〇お昼までに算数と漢字に取り組む
~午後~
〇お腹がすいたら各自のタイミングでお昼ごはんを食べる
〇自由時間
〇運動(週に数回)
〇夕方に家事を1つ担当
〇夜ごはん
〇お風呂
〇夜に家事を1つ担当
〇自由時間
〇就寝(22:30ころ)
~自由時間でしていること~
〇オンラインゲーム
〇LINE
〇漫画
〇イラストを描く
〇小説を書く
〇ブロック遊び
〇友達と遊ぶ
【問3】 「学校に行かない(行かなかった)」ことに対する家族・学校の先生の理解度は?
■夫
「学校に行きたくないなら、行かなくていい」という考えの人で、「俺が元気なうちは俺が稼ぐからいいけど、俺が死んだら、あとは自分たちでなんとかしてくれ」と言っています。「読み書き計算はできた方がいいと思う」とも言っています。
夫は、学生時代は勉強もスポーツも全然ダメだったけれども、コミュニケーション能力が高く、現在営業職ですが適性が高いようです。
「勉強・学歴だけがすべてじゃない」を自分の人生で体現しているので、学校に行くことを子どもたちに求めない人です。
■両親
日々、第3子の子守りなどでお世話になっています。
基本、子どもの自由にさせてくれています。
■学校の先生
第2子が小1~小2だったころ、小学校の先生方の「善意の登校促し」が精神的に辛かったので、
「子どもの気持ちが学校に向いたときは、その時はまたお願いします。それまでは、子どもへの登校促しは一切不要です」
と書面でお伝えしました。
現在は、ほどよい距離感で適切な支援をしていただいています。
第2子と先生とは、たまにですが、交換日記のようなシートのやり取りをしています。
第3子は週1~3回ほど小学校に登校しており、ことばの教室(マンツーマンの療育)や体育の授業でお世話になっています。
【問4】 お子さんが学校に行かない(行かなかった)とき、またはホームエデュケーションをしているときに、今までで一番困ったこと・大変だったことは?
わたしの場合、子どもが学校に行かないことが大変だったのではなく、学校に行きたくないと涙を流す子を目の前にして、
「親として、どのような行動・どのような選択が良いのだろうか・・」
と悩み葛藤していた時期(不登校初期)が、精神的に一番大変でした。
第2子(特別支援学級に在籍)が小1~小2の頃は、
「特別支援学級や療育施設で、教育の専門家にお任せしたほうが良いのだろうか?」
という葛藤がありました。
「学校には行きたくない」
「療育施設にも行きたくない」
と子どもは言いました。
その頃わたしは、
「どこにも所属しなくて良いのだろうか?」
「専門家のアドバイスゼロで、わたしは凸凹の子どもの子育てをやっていけるのだろうか?」
と落ち込んだり悩んだりしましたが、発達に関する書籍、脳科学に関する書籍、教育に関する書籍、ホームエデュケーションに関する書籍などなどを読みあさり、
「わたしが、この子の専門家になればいい」
と腹をくくりました。
【問5】 いま、子育てで心がけていることは?
「この子がこの子らしく居られるように。未来の心配よりも、一日一日を丁寧に大切に過ごす」
という気持ちでいます。
また、子どもの気持ちを聞くと同時に親の気持ちも伝えて、お互いが「まぁいっか」と思えるように、折り合いをつけていく形のコミュニケーションを大切にしています。
そして、親自身の精神状態が子育てにダイレクトに影響するので、自分の余裕・ゆとり・休息・喜びを確保することを日々心がけています。
【問6】 学校外で育つお子さん・保護者に対して、「あったらいいな」の支援やサービスは?
子どもの年齢が上がってくると、家族以外の繋がり、例えば、学校に行っていない同世代・同じ趣味の仲間との繋がりを求めるようになっていきます。
ですので、学校外で育つ子ども同士が、同じ趣味の仲間と気軽に安全に繋がりあえるWEBプラットホームがあったら良いと思います。
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【次回11/3(火・祝)13:30~15:30】
『つながるサロン』
~不登園・不登校・ホームエデュケーション 少人数制おしゃべり会~
「不登園・不登校」「ホームエデュケーション・ホームスクーリング」「子育て」をテーマに、少人数で気楽におしゃべりしましょう♪
〇日程 11月3日 火曜日・祝日
〇時間 13:30~15:30
〇会場 千葉県松戸市 新京成線 五香駅 付近のカフェ
(お申し込みの方にカフェの住所をご連絡いたします)
〇募集人数 最大3名まで
〇参加費 1家族 500円 + 各自が飲食したものの実費
※参加費500円および飲食実費は、当日カフェでお支払いください。
※お子様を同伴される場合は、お子様の「氏名・ふりがな・性別・学年」の4点をお申し込みフォームの通信欄にご記入ください。
※同伴のお子様の人数が多くなった場合、「五香駅前会場」に会場変更させていただく可能性もございます。
予めご了承ください。
※11/3(火)の次の開催日は、12/16(水)11:30~14:30 JR松戸駅近くの会場を予定しております。
▼お申し込みフォーム
https://ssl.form-mailer.jp/fms/f0971fee442932
※定員に達し次第締め切らせていただきます。
※3日間経過しても返信がない場合は、恐れ入りますがメールにてお問い合わせください。
【MAIL】 chikyunoie.2013★gmail.com
★を@に変換
〇つながるサロン企画者
熊谷 亜希子 (千葉県松戸市 『共育ステーション 地球の家』 代表)
2011年からホームエデュケーションを始めました。
現在は、第2子(小6)と第3子(小3)がホームエデュケーションで育っています。
※プロフィール https://profile.ameba.jp/ameba/acco888/
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