【企画参加】残したお好み焼きと突然の告白
今日は夫と出会った日や馴れ初めを書いてみる。
なぜなら、私の大好きなnoterさんの1人でもあるコッシーさんの初企画に参加したいからだ。(パートナーと出会った日、意識した日を書くという企画です。詳しくはコッシーさんの記事の概要をご確認下さい)
コッシーさんの出会いも素敵なんです。私のこの記事を読まなくても良いので.....むしろ、これを読んでほしいなー。ぜひともよろしくお願いします。
さてさて。
こんな話を読みたいとここに残っている物珍しい人たちに今日は少しお話してみようと思う。
夫と出会ったのは私が20歳の時。
私はそれまで映画館などでふらふらとフリーター生活を続けていたが、親の勧めもあり、作業療法士の専門学校に入学することになった。
現役生はみんな18歳。
私は少し年上になるので入学式はやや緊張していた。けれども実際に入学式に参加してみて、それは単なる杞憂であったことを私はすぐに実感することとなった。
なぜかというと、その年のクラスの半分近くが社会人入試を経た人が多く、辺りをぐるりと見渡せばあきらかに私より年上の人がたくさんいたからだ。
あの人、かなりおじさんだな。
あの女性は私より年上かも....?
特にあのおじさん....「頭がえらいさみしいな」と思っていた。
その「おじさん」こそが、今の私の夫。彼との出会いだ。
彼は、当時30歳にして、毛髪がかなりさみしいことになっていた。いわゆる若ハゲというやつだ。それはサバンナの干ばつ地帯のようでもあった。シマウマが颯爽と走ってそうな感じ。でも、私は全然そういうものは気にならない。
気にならないというか、私の性質として、恋愛をしたい!とか素敵なイケメンの男性をゲットしたい!みたいなものから何かが始まることはまずない。
何より、人に言われて最近うっすら自覚してきたが、私の見た目の好みはそうとうおかしいらしい。
「おじさん&メガネ」だ。
私の中では「メガネおじさん最強!」なのだ。
あとは、人としての興味があるかどうか、尊敬できるかどうか、がけっこう重要なのだ。
この人のことを知りたい!と思ったら女性も男性も関係ない。そこには恋愛の要素はほぼない。
そこから友情が続いたり、あるいはごく稀に恋愛に発展したりすることもある。そのあたりは自分のあるがままにいつもお任せだ。
話が脱線したが、入学式の翌日、私たちは教室で再び出会った。初日なので適当に席に座った私たちは、担任の先生に「隣の席の人と少し話して、お互いの他己紹介をみんなの前でして下さい」と指示を受けた。
彼の隣は、歌手のbird似の好奇心旺盛なはつらつとした女の子だった。
そして、2人はたまたま同じような服装だった。しましまのラガーシャツで色合いも似ていた。
私はそれが妙にツボにハマってしまった。
「こんなおっちゃんとこんなかわいい子の服装がかぶっていて、しかもお互い違和感なく似合っているなんて、おもしろすぎじゃない?」
彼とbirdちゃんの番になり、2人はお互いのユニークさを生かしながら他己紹介をしていた。もちろん服装もお互いにいじり合いながらだ。「今日はペアルックで合わせてきたんです」教室は彼の発言でかなり和やかな雰囲気になった。
『この人、若い子に対しても分け隔てなく接してくれる人なんだな。』
それが私の、彼に対する最初の印象だった。
月日が経ち、クラスメイトが徐々にみんな仲良くなり、お互いの部屋で飲み会をしたりするようになった頃、私は彼がいるとどこかほっとしている自分に気づいた。
どんな話をしても変な圧をかけてこない。
俺かっこいいアピールもしない(むしろ自分で髪の毛が少ないこと、あまりハンサムではないことを過度に自虐的にならないようにうまく話題にしていた)
変に異性を意識するような恋愛的な発言もしない。
お互いに林檎ちゃん(椎名林檎)が好きなところ。
困った時に相談すると「なんとかするよ」と気にかけてくれるところ。
地域の福祉の事について彼なりにまじめに考えている事。
私はいつも彼に頼っていた。
そして、年末には福祉施設の見学グループが一緒になり、2人で施設見学にでかけたり、彼の家に資料をまとめに行ったり、その帰りにドライブをしたり、一緒に過ごす時間が自然と増えていた。
そのあたりの事はこの記事に少し書いた。
私は彼に自分が好きな「山崎まさよしが出演しているJam Filmsという映画を見に行きたい」とうまく言えることができた。
ここから書くことは、その帰り道の出来事になる。
上映館である映画館のある東京への行き帰りの道は混んでいた。
時間的に、なんとなくお互いの地元のお店で外食をしようという話になり、お好み焼き屋さんに入った。
そこまではよかった。
お座敷にはテーブルが何席かあり、ついたてが間にあるものの、お互いの客同士の顔は見えるような配置になっていた。
最初はいつも通りの彼だった。
途中からなんだか様子がおかしい。
あれだけお腹が空いたと言っていたのに、お好み焼きに全く手がつけられていない。
どうした.....?
彼は顔色が悪かった。
「もう出ようか」とどちらが言い出したか忘れたが、そのままお店を出た。
彼は車の中で事の顛末を話しだした。
隣にいた女性見た?
あの人は僕の知り合いなんだ。
と、いうか好きだった人。
一緒に過ごしていたはずなんだけど、少しずつ夏頃から連絡が取れなくなった。
今日、男の人が隣にいたよね。
と、いうか僕も君を連れている訳ではあって....。
どう、思われているのか....。
まあ、お互いさまなのかな。
でも、ちょっと、ショックだな....。
初めて見る顔だった。
それはいつもの、頼り甲斐のある彼ではなかった。
私もかなりその様子に動揺していた。
しかし、話しているうちに少しずつ冷静になれた。『この人をこのまま家に帰せない。一人でほっとく訳にはいかない』と強く思い始めた。
「まだ時間があるなら、話して下さい。もう少し付き合うから。」
彼は「じゃあ....」と言って彼の自宅の近くの行きつけのbarに連れていってくれた。
そこで、取り止めもないことをお互い長い時間、話した。
さっきの彼女のことももちろん、自分のこと、学校のこと、今まで抱えていたことなど....。
そして、私は帰り際に言ったのだ。
「突然ですけど、私とお付き合いしませんか?」
「自分でも何を言っているのかよくわかりませんけど、こんな状況で、ね。」
「〇〇さん(彼の名前)が急にこんな事言われても困るとは思うので、少し考えてみて下さい。私でいいと思うのか、よく....あせらずに考えて下さい。私の事をもっと深く知って下さい。それからでいいから。」
私たちはその話題を最後にそれぞれの家へ帰宅した。
これが私が「初めて」彼を意識した日だ。
そこから、またあらためて告白したり、やっかいな案件を抱えたりして、交際をクラスメイトにひた隠しにしたり等、物語は続いていくのだが、今日のところはとりあえずここまで。
結婚して今に至るまで。この日の出来事がなかったら、お互いどうしていたかね、なんてたまに話したりする。
もし、私が突然そんなこと言わなければ
彼がお好み焼き屋を選ばなければ
二人で一緒に映画を観に行かなければ
運命って本当によくわからない。
ほんの少しのくるいや歯車が噛み合わなければ、今はなかったかもしれない。
そう考えると
人生って本当にわからないな、と思う。
コッシーさんありがとうございました。
こんなんで....よろしかったのでしょうか?
はじめての企画に参加させてもらって嬉しかったです。
こんなやつですが、またよろしくお願いします。