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Today`s songs ごちゃまぜ45

傷ついた心は見えにくいところに置かれる。

 重要なことは、傷ついているこころは無意識になりやすいということです。
 このとき、一見、「死にたい」気持ちの方が傷ついているように思われるかもしれません。それが苦しい考えであるのは事実です。でも、本当は「死にたくない」という気持ちの方が傷ついている。
 だって、そうでしょう?これまでに「生きよう」と思い、「この苦しさをわかってほしい」と願ってきたわけです。そこには希望があったのだけど、裏切られ、叩き潰されてきた。希望は深く傷ついて、その結果として絶望している。
 このとき傷ついているのは希望で、無傷なのは絶望です。
 だからこそ、死にたくなる。

「雨の日の心理学」東畑開人著


傷ついているのは希望。

今日も世界のどこかで希望が傷ついている。

ケアする人をケアしたいと思う。

しかし、無力な自分に気づく。

「死の臨床研究会学会」の振り返り会をzoomで行った。参加した人と、参加する予定だったけども、参加できなかった人。

テーラーリングの話になる。

テーラーリングとは、
傾聴する中で、聴き手なりにとらえた相手の気持ちがぴったり合っているかを
確かめることがあります。
その為には、相手の言葉をそのまま繰り返してみたり、相手の気持ちに合った言葉に仕立て上げて確かめてみます。

http://sinrigaku.com/?page_id=45

テーラーリングの難しさの話になった。

話しているあなたと
聞いている私は
違う人間である。

「こうじゃないか」とこちらがことばを返す難しさ。

相手と私がぴたりと合うことはない。

こちらが推測ってさしだしたことばに、相手が引っ張られることはないのだろうか。

そのことば自体にさらに相手が傷ついたりしないだろうか。

それでも、私は何か反応を返すのだろう。

私の反応を見て、相手はまたそこから伝わっている安心感や、伝わっていないもどかしさを感じる。

それは当然、両方あることであろう。

ずれをお互いに見つめる。

ただ、それはあなたを否定するものではなく

あなたがあなたを見つけていくために
あなたの道を見つけていくために
ずれたラインから、本当に引きたいラインを一緒に考えていけばいいだけの話なのかもしれない。

自由に空に描くように。

あなたの描きたいをまなざす瞳。


誰かがわたしたちを必要とするのは、毎日ってわけじゃない。実のところ、今だって、正確にいえば、わたしたちが必要なんじゃない。ほかの人間だって、この仕事はやってのけるに違いない。わたしたちよりうまいかどうか、そりゃ別としてもだ。われわれの聞いた呼び声は、むしろ、人類全体に向けられているわけだ。ただ、今日ただいま、この場では、人類はすなわちわれわれ二人だ。

サミュエル・ベケット「ゴドーを待ちながら」

私は、多くの場合「これは私でなくてよかった」と思うことがある。

こんなことは私でなくてもいい。もっとうまくやってくれる人がいる。ふさわしい人がいる。

私なんかいなくても世界はまわるのだ。

だから、ついつい考えてしまう。私でなくてもいいんだよ、と。

けれども、上の文章がしめすように

たまたま、私はそこにいた。


たまたま、出会ってしまった。

たまたま傷ついた心をみつけてしまった。

たまたま力になれるかもしれなかった。

この「たまたま」に私は真摯には向き合えたら、と願う。



出会ってくれてありがとう。

ロバータ・フラックを聴いていたあの頃の自分に伝えたい。

今の世界もなかなかいいのかもしれないって。

届かなくてもいいから。

今日も祈っている。

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くま
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