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「死」について少し考えてみた①<私と死>
のっけから重たい話題ですみません。
今まで、目を背けていた訳じゃないですけど、目を背けたくなる「死」についてまた少し考えていきたいなぁと思っています。
少し思い出話をします。
私は十代の頃、母親から何をきっかけとした話だったかは忘れましたが、こんな話をされました。
「お母さんさぁ、死ぬことを考えると怖くてしょうがないのよ」
「死んじゃったらどうしようって考えるだけで嫌になっちゃう。わかるこの気持ち?」
私の妹が同意しました。
「そうだよね。私も考える。超こわい。おっかないよね。いやーってなる!やめてやめてそんな話。」
私は「そうなんだ。2人ともそう考えるんだね。」と返しました。十代の頃、私は「死」についてこう考えていました。
死んだら自分の意識はなくなる→何も考えられなくなる。ただ私がいなくなるだけ。
そこにはあまりこわさを感じていなかったんです。あまり何もわかっていなかったのかなとも思います。
今はどうかというと、正直こわいです。
これはやはり、今の私には子供を始めとした大事な家族や仲間ができたからだと思います。十代の頃より今の私の方が「生きてるなぁ」という気持ちを感じながら生活しています。関わりやつながりが今まで以上に密になっています。長く生きているとしがらみが増えます。
そして今関わっている介護施設の仕事の中で、関係ができた方達とのお看取りの場面に触れる機会があることも多少関係しているかもしれません。
そんな、十代の頃は「死」のことなんてよくわからなかった私、「死」は実感をもたず、他人事であり自分事でなかった私は、ここ数年「死」についてよく考えるようになりました。
私は、自分の頭で考えるのも限界があるので、「死」についての発信をしている方や、身近にいる高齢者の方達の声をたくさん聞くようにしていました。それでもまだその頃は、今考えるとのんびりとしていたなぁと思います。
5年前に「死」が私に切迫して近づきました。
それは夫ががんと診断を受けた時でした。私の家族に「死」の影が降り掛かってきました。大変こわさがありました。
(詳しいことを知りたい方はマガジンをご参照下さい)
それまでの私は日々「死」について考えていたつもりだったのですが、その時にどれだけ「死」を自分事として捉えていなかったか、反省しました。
だって「死」は100%誰にでも訪れます。これだけは絶対です。
そして人間はいつ死ぬかはわかりません。
急に車にぶつかられて、高い所から物が落ちて、ミサイルが飛んできて、地震が起きて、火事になって、病気になって、人に殺されて・・いきなり絶命する可能性と隣合わせになりながら、私たちは毎日を生きています。
だから、その毎日の中で「夫ががんになって死んでしまう可能性」ももちろん含まれていた訳です。でも私は日々の生活の中で、そんな事はもちろん想定していなかったのです。
がんと診断される前の夫とがんと診断された後の夫は、見た目も症状も何の変化もありません。しかし、何も変化はないのに「死」だけが急速に私たちに近づいてきました。
「死」はわたしたちに見えないようにこっそりと忍び寄ってきていて、今まさに近くで「コンコン」とノックを叩いています。診断を聞いた時はそのように感じました。
私は昨年の8月までの5年間、家族の「死」の影を近くに感じながら生活していました。もう定期受診は終了し、がんは寛解したと判断されました。それでも、また再発するかもしれないし、違う箇所ががんになるかもしれないし、違う病気になるかもしれません。それは夫ではなく、私や親や子であるかもしれません。
(「それでもまだ寛解したと判断されたんだからいいじゃないか」「もっとつらい状況の人がたくさんいるじゃないか」という話も聞こえてきそうですが、今回の話は他の人と比べて不幸だとか、幸せであるとか、そういうことを比較したい訳ではないのです。気分を悪くした方がいたらすみません。)
私は、以前よりももっともっと「死」について考えていることが増えました。
それでも相変わらず「死」は自分のものにはなっていないのです。
つづく
※今回は、あまりにも思考がまとまっておらず、見切り発車で書いているため、今後どのようにこの記事の内容が着地するかはわかりません。ご承知下さい。
※次回は、なぜ今また私が「死」について考えだしたのか、note仲間の記事をご紹介しながら「死」が自分事にならない理由について考えたいです。また、間にのんびりとしたいつものしょうもないくまさん記事もはさんでいきます。そうじゃないと、何だか自分を保てない気がします。
※私は自分内テキストとして「急に具合が悪くなる」という本をまた再読しています。読んだ方がいらっしゃればぜひコメント欄でも、活発にご意見をいただけると幸いです。
※写真は新宿御苑の菊花壇展に行った時の写真です。私はこの展覧会が好きで、行ける時はよく足を運んでいました。菊を見ていると気分が落ち着きます。
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