「聞き取れない!」を解決する学習法
前回の記事「リスニング力UPのための必須スキル5選」では、英語を聞き取る力を伸ばすために必要な5つのスキルについてお話しました。
今回は、それらのスキルを実際に伸ばすための具体的な学習方法についてご紹介します。
1.「聞き取れない!」の解決には「シャドーイング」
「英語の音声が聞き取れない」
「字幕を見れば分かるのに、音声だけだと理解できない」
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そんな悩みを抱えている方におすすめなのが、
「シャドーイング」というトレーニング方法です。
シャドーイングとは、
聞こえた英語の音声を、ほんの2~3単語遅れでそのまま声に出して再現する練習のことです。
英語では "shadowing" と呼ばれ、その名の通り、影のように音声に追随することが目的です。
この練習の最大のポイントは、「聞こえた音をそのまま声に出すこと」です。
発音やリズム、イントネーションを正確に再現することで、リスニング力が格段に向上します。
2. シャドーイングの具体的な進め方
シャドーイングの手順は以下の通りです。
所要時間は30分から60分を目安に行ってください。
ステップ1: 約30秒から1分程度の英語の音声を選びます。
自分のレベルに合った教材や、ニュース、映画の短いクリップなどがおすすめです。記事の後半で、おすすめの教材をご紹介しています。
ステップ2: 英語の字幕を見ながら、選んだ音声を数回聞きます。
ここでは内容を理解し、単語や表現に慣れることを意識しましょう。
ステップ3: 英語字幕を見ながら、音声に合わせて音読します。
スムーズに発音できるまで繰り返します。
ステップ4: 英語字幕を見ずに、音声だけを頼りにシャドーイングを行います。聞こえてきた音をそのまま再現することが重要です。最初は難しいかもしれませんが、何度か繰り返すうちに徐々に慣れていきます。
ステップ5: 練習の最後の10分は、自分の声を録音します。録音した音声と元の音声を聞き比べ、発音やリズムの違いを確認します。
ステップ6: 次の日は前日に行った振り返りをもとに、同じ音源で再度練習しましょう。3~4日間同じ音源を繰り返し練習し、練習中の音声でのシャドーイングが楽になった感覚をつかめたら、新しい音源に移ってください。
常にステップ1から6を繰り返すことで、少しずつリスニング力が向上します。
3.シャドーイングにおすすめの音源や学習ツールのご紹介
シャドーイングの練習に適した音声素材として
・TED Talk
・YouTube
が非常に有効です。
これらのプラットフォームでは、さまざまな英語の音源を無料で利用できます。
TED Talkでは、幅広いジャンルのプレゼンテーションを英語で聞くことができ、内容、発音、話すスピードも多様です。
自分の興味に合わせて選べるので、飽きずに学習を続けられるのが魅力です。
また、プレゼン形式のため、極端に早口で話す音源が少なく、シャドーイングの練習には非常に適しています。
TED Talkを使ってシャドーイングする場合は、パソコン版のTED Talkサイトを利用することをおすすめします。
パソコン版では、画面の右下にスクリプトが表示され、話者が話している部分が黄色くハイライトされるので、どの箇所を話しているのかが一目でわかります。
さらに、シャドーイングしたい部分にカーソルを合わせると、音声がその部分に自動で飛ぶため、リピート再生が非常に簡単です。
この機能により、苦手な箇所を重点的に練習することができるので、効率的にシャドーイングを進められます。
YouTubeもシャドーイングの練習素材として非常におすすめです。
YouTubeには、無数の動画が公開されており、英語のニュース、インタビュー、教育コンテンツなど、自分の興味に合った音源を自由に選ぶことができます。
好きなテーマで練習することで、学習のモチベーションを保ちやすくなります。
YouTubeでシャドーイングを行う際に便利なのが、「YT Looper」というGoogle Chromeの拡張機能です。
このツールを使うことで、指定した動画の特定の部分を簡単にループ再生することができます。下に参考画像を載せましたのでご確認ください。
使用方法はとてもシンプルです
YouTubeでシャドーイングしたい動画のURLをコピーし、YT LooperのURL欄に貼り付けます。
動画下の「開始時間」と「終了時間」に、ループ再生したい部分の秒数を入力します。
設定した部分が自動で繰り返し再生されるので、その部分を集中して練習することができます。
この機能を使うことで、TED Talkとは異なり、指定した範囲を永遠に繰り返して練習できるため、効率よくシャドーイング練習ができます。
いかがでしたでしょうか?
皆様の英語学習のお役に立てていれば幸いです^^