花びらの不法侵入
ドアの隙間から、風にのって花びらが忍び込んできた。
「人間だったら不法侵入になるけれど、花びらだったら許されるんだ。」
そんなことを考えていたら、少し腹が立ったので、一枚だけ踏んづけてみた。
すると、風が吹いて他の花びらがくるくると足元で踊り始めた。
キリがないし、もういいやと足をどけてみたら、その一枚は軽やかにどこかへ走り出していった。
人間の意地悪だけが、足裏に残った。
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ドアの隙間から、風にのって花びらが忍び込んできた。
「人間だったら不法侵入になるけれど、花びらだったら許されるんだ。」
そんなことを考えていたら、少し腹が立ったので、一枚だけ踏んづけてみた。
すると、風が吹いて他の花びらがくるくると足元で踊り始めた。
キリがないし、もういいやと足をどけてみたら、その一枚は軽やかにどこかへ走り出していった。
人間の意地悪だけが、足裏に残った。
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