2023年購入のコーヒードリッパーまとめ ⑤手に入れて感動した編
もういくつお正月までにドリッパー買いますか?(挨拶)
2023年に88種類(色違いはカウント、12月25日時点)のコーヒードリッパーを購入した、このままいくと2023年は100時間(4.1日)に1個ドリッパーを買うわたしが今年手に入れたドリッパーたちを紹介するnote、最終回です。
国内メーカー編、海外メーカー編と紹介してきましたが、今回はその中でも何年も探していたものや・運命的に手に入ったドリッパーの紹介です。
第5回: 手に入れて感動した編
今回選んだ5つのドリッパーは、すべて生産終了をしているヴィンテージモデルです。中には素性がわからないドリッパーもあるくらいですが、現在に至るまでの歴史を感じる5選です。文献でしか見たことのなかったモデルや、詳細が分からないモデル、存在が意外すぎたドリッパーなど5選です。それでは深淵を覗きにいきましょう。
1. 三洋産業 SNドリッパー 陶器 No.200 🇯🇵
1つ目はなかなか目にすることが少ない、三洋産業のヴィンテージです。
現在はCAFECというブランド名でペーパーフィルターやコーヒー器具を製造・販売している三洋産業が1970年代に販売していたモデルです。年代が分かっているのは、1977年発行の柄沢和雄「コーヒー器具辞典」(柴田書店) にこのドリッパーの記載があることからです。
ドリッパーの前面に書かれている「Coffee Dripper」のロゴは、現在販売している「有田焼扇形ドリッパー102(スリーフォードリッパー)」とほぼ同一ですね。形状も似ていることから、このSNドリッパー 陶器 No.200は現在の製品に縁のある製品、ということは間違いなさそうです。現行品と異なる部分も多々あります。まず前面ロゴ右上にSNのマーク(現行はない)、次に抽出口が3つ穴(現行のこのサイズは2つ穴)。SNマークは創業者の中塚茂さんのイニシャルということでした。いつか三洋産業さんを訪れた際に、このドリッパーについて聞いてみたいですね。現在は、使った際に貫入が進み(びびって)保管中です。貫入自体はいい味となっています。
2. メリタ ヴィンテージフィルター(8つ穴) 1930年代製 🇩🇪
「今から100年以上前の1908年にドイツのドレスデンで生まれたメリタ社は、世界で初めて「ペーパードリップシステム」を考案したコーヒー専業ブランドです。」(メリタ株式会社 - 企業情報から引用)のメリタが1930年代に製造していたのが陶器製のドリッパーです(それ以前はアルミ製)。その1930年代のモデルを手に入れることができました。これまで1940年代や1950年代のモデルは持っていたので、手持ちの中では最も歴史のあるドリッパーとなりました。
1930年代のモデルもロゴや穴の数など仕様が様々あることが分かっているのですが、わたしの持っているモデルはロゴが斜体になっていない、現行のロゴとは異なる直線的なタイプでした。これ、ほとんど見かけませんがけっこう好み。抽出口は8つで、ペーパーフィルターは台形やウェーブ(ギリ使える)を使って淹れてます。穴が多いため抽出スピードはすごく早くて、現代でも通用しそうな感じですね(ほとんど同じ形の、メリタではないブランドの商品がありますね)。
ヴィンテージは100年を超えるとアンティークに呼び名が変化します(そう定義されることが多い)。この1930年代のドリッパーもあと10〜15年くらいでアンティークとなります。そのくらい年月が経っているのに、ロゴや文字が消えていないのにも驚きなんですよね。これからも大事にしながらも、使っていくヴィンテージです。
3. ハリオ 耐熱ガラスドリッパー・マルチ 🇯🇵
3つ目はハリオのフラットボトムドリッパーです。先の④海外メーカー 中級編でFLOW Dripperを「ハリオ初のフラットボトム」と書かなかったのは、このモデルの存在があるからです。わたしもこの存在を今年知ったのですが、ハリオは2005年にフラットボトムを発売しています(V60も同じ年に販売開始)。ただし当時はまだウェーブフィルターがなかったので、台形ペーパーを折って使います。
さて形状を見ていくと、この形どこかで見たことありませんか? はい、そうです。カリタ社の「ガラスドリッパー185」です。持ち手の素材や穴の位置が若干異なりますが、本体のサイズはほぼ同一です。正確に歴史を把握していないのですが、ハリオが2005年に発売した製品が若干の仕様変更を経て2011年よりカリタから販売している、とわたしは考えています(そのようなコメントも見ました)。
個人的に「まさか」という驚きが今年いちばんでしたね。ハリオは2000年代にけっこうチャレンジングなドリッパーを出していたんですね。
4. カリタ 詳細不明 台形ドリッパー 🇯🇵
4つ目のドリッパーはカリタ102です。
これしか分かりません。そのくらい素性が分からないドリッパーです。
かなり明るいライトブルー、持ち手がユニーク、内側のリブもさらにユニーク(横のリブは野球のボールの縫い目のよう)。現在このような製品がカリタから販売していないことから、何かの企画で少量のみ生産されたモデル?
同梱されていたメジャースプーンが1993年から発売された製品と形状が同じのため、この辺りの年代かなあ、というざっくりした推測くらいです。
このドリッパーについて詳細を知っている方、情報お待ちしています。
5. カリタ コーヒードリッパー(オールドモデル) ブルー 🇯🇵
最後のドリッパーは、②国内メーカー 中級編でも紹介した1980年代のカリタ 101です。カリタのオールドモデルはホワイト・ブラウンは知っていました。現行のロトではここにブラックもあるので、オールドモデルにもブラックはあるかも、とは思っていました。
しかし今年新たに見つけたのは、想像もつかなかったブルーのモデルでした。光の差し方によって星空のようにも見え、吸い込まれそうになるくらいの綺麗さ。ロゴもゴールドのような色合いで、このブルーに映えてますね。
もうこれはね、2023年に手に入れたドリッパーでベストです。
これからもこのドリッパーを超えるものは無いかもしれない、そう思うくらいのインパクト・美しさ・ユニークさでした。
まとめ
手に入れて感動した編の5つのヴィンテージドリッパー、いかがでしたか。
ドリッパーの「ゴール」と言えそうな5選ですが、ゴールの先には何があると思いますか? それは「新たなゴール」です。ということで、わたしは2024年もドリッパーを探し求めるのです。さすがに数は減るかもしれませんが。
年末までもう少し時間があるので、あと1回「2023年購入のコーヒードリッパー以外のコーヒー器具5選」をお送りする予定です。お楽しみに!
(さて、何を選ぼうかな…)
[書いたひと]
くまくら
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