リーダーシップを発揮する(初級編)
エンジニアとしてのキャリアをスタートしたばかりの頃は、リーダーシップと聞くと「自分にはまだ関係ないかな」と感じることもあるかもしれません。しかし、リーダーシップは決して役職に限られたものではなく、同僚との関係やチームの一部分で少しずつ発揮していける力です。今回は、エンジニア初心者でも取り組みやすい「リーダーシップの意識と行動」を紹介したいと思います。
1. リーダーシップは「自分からの一歩」から始まる
リーダーシップというと大げさに感じるかもしれませんが、その本質は「自分が率先して動く」ことにあります。たとえば、チームメンバーが困っている時に積極的に声をかけたり、分からないことを一緒に調べたりする姿勢は、立派なリーダーシップの一歩です。
周りが困っている時に小さなアクションを積み重ねることで、少しずつ信頼を得ることができます。たとえば、メンバーが作業に困っている様子を見かけたら「大丈夫?」と声をかけたり、簡単な作業でも「一緒にやってみる?」と提案するだけでも十分です。こうした日々の行動が、自然と「頼りになる存在」を作り上げていきます。
2. 周囲に「頼られる人」になる
リーダーシップは「自分がみんなを引っ張ること」だけではありません。
むしろ、チーム内で「相談しやすい」「助けてくれる」という存在になることもリーダーシップの一つです。
周囲が「この人なら話を聞いてくれる」「安心して頼れる」と感じることで、信頼関係が生まれます。
たとえば、同僚から質問を受けた時に、分からなくても一緒に調べたり、他のメンバーに相談して解決を図る姿勢を見せることで、自然と信頼が生まれていきます。「頼りやすい人」でいることが、周りにとっての頼りになる存在に近づく一歩と言えるでしょう。
3. 自分の意見を持ってみる
リーダーシップを発揮する上で、もう一つ大事なのは「自分の意見を持つこと」です。
最初は、経験のあるメンバーと自分を比べて「自分にはまだ意見を言うのは早い」と感じるかもしれません。
けれども、意見は必ずしも「正解」である必要はなく、感じたことを言葉にするだけで大きな一歩です。
キャリアの初期には周囲の意見に合わせがちですが、経験を積む中で「自分なりの視点を持つこと」がリーダーシップの重要な要素であることに気づく場面があるはずです。小さなことでも、「自分はこう感じる」という視点を伝えることで、周りも「頼れる存在」として見てくれるようになります。
4. 今からできるアクション
ここで、エンジニアとしての経験が浅くても実践しやすいリーダーシップのアクションをいくつかご紹介します。こうした行動が、日々の業務の中で少しずつ信頼を積み上げていく基礎になるはずです。
メンバーが困っている様子を見かけたら、迷わず「手伝おうか?」と声をかける
自分の得意な分野があれば、周りの人にも「一緒にやってみない?」と提案してみる
自分の意見が必要な場面で、「自分はこう思う」と一言だけでも伝えるようにしてみる
質問や相談を受けた際には、分からないことでも「一緒に考えてみよう」と答える
こうした行動は小さなものかもしれませんが、少しずつ周りから「頼れる人」として見てもらうきっかけになります。
僕の経験談
エンジニアとしてスタートした頃、リーダーシップについてよく悩んでいました。「自分にはまだ早いんじゃないか」「経験を積んでからでないとリーダーシップなんて無理だ」と思い込んでいたんです。でも、少しずつ小さな行動を積み重ねていくことで、周囲から信頼される場面が増え、「頼りにしてくれる人がいる」という実感が少しずつ湧いてきました。
実際の経験でいうと、とあるプロジェクトで同僚が数日間進捗のない状況が続いていたことがありました。その時に勇気を出して「なにか手伝えることある?」と聞いてみたんです。どうやら同僚は設計がうまくまとまらずに思うように進められていないようでした。そこで、自分のタスクを早めに切り上げて、設計を一緒に考えてみることにしました。その結果、二人の視点でアプローチすることにより、設計がうまくまとまり、問題を解決できたことがありました。それがきっかけで「困った時はお互いに声を掛け合って助け合うことが大事なんだ」と気づくと同時に、自然と自分から動いてみようという意識も持てるようになりました。
まとめ
リーダーシップは、決して大きなことから始める必要はありません。日々の小さな行動から、少しずつ信頼を積み上げ、周囲の頼りになる存在になることが大切です。エンジニアとしての経験が浅いからこそ、自分の考えを持ち、行動に移すことが、やがてリーダーシップにつながっていきます。小さな一歩からスタートし、周りを少しずつ引き上げられる存在を目指していきましょう。