熊谷和史

同法人内の救護施設→福祉型児童入所施設→高齢者通所介護事業所→地域包括支援センター→救護施設勤務.社会福祉士,東北福祉大学大学院修士課程卒(社会福祉学修士).2004年くらいから日本社会福祉学会(主に東北部会)での発表や論文作成. 社会福祉に関する徒然の論考を時々書いています.

熊谷和史

同法人内の救護施設→福祉型児童入所施設→高齢者通所介護事業所→地域包括支援センター→救護施設勤務.社会福祉士,東北福祉大学大学院修士課程卒(社会福祉学修士).2004年くらいから日本社会福祉学会(主に東北部会)での発表や論文作成. 社会福祉に関する徒然の論考を時々書いています.

最近の記事

カイゴ(介護)のイメージについて

カイゴは大変. カイゴ(介護)と聞くと,みなさんはどのように思うだろうか.大変な仕事ですね〜,いや〜自分には出来ませんよ.と言われたことはないだろうか. その一方で,キツイ,汚い,危険とかとかく3Kと言われることも.確かに,排泄物や嘔吐物の処理など人としての汚いことを常に行わないといけない.また,夜勤,早番,遅番など不規則勤務で体内時計は狂いっぱなし.また,案外書類仕事も多くて,夜勤明けに残って書類仕事をすることも.しかも人手が足りないときは,残業しているにもかかわらず手を

    • 利用者からの暴力やハラスメント

      現状 介護施設や障害者福祉施設に勤めていると,少なからず利用者からの暴言や暴力.あるいは女性の胸やお尻を触ってくる高齢者の方,その逆もしかりですが,そうした行為に遭遇することがあります. また家族からは介護事故について恫喝されたり,いつまでも執着されて精神的に追い込まれるケースもあると言います.また訪問介護でも家族の方がずっとアダルトビデオを大音量で流すなどのセクシャルハラスメントをうけるということも話題になっていました. 相談業務でも,窓口で謝罪を執拗に要求されたり,心理

      • 支援の狭間2(狭間の類型)

        支援の狭間について,社会福祉の対象が拡散するに従って本来救済・保護・支援するべき人々が逆に見失ってしまっている状態となっていると言われています.それは,社会的排除論として最近よく論じられています.詳しくは,岩田正美先生が『社会的排除』有斐閣で詳しく書かれているので興味がある方はぜひ,手に取っていただきたいと思います.あるいは,wikiで「社会的排除」でも良いかと思います. 今回は,高良麻子先生が一時期,まとめていた支援の狭間の類型を紹介して,実際にどのようなものがあるか見て

        • 社会福祉士としての成長?専門性?

          かならず社会福祉士会では話題になるし,研修でもよく話し合われる内容.福祉系の大学で社会福祉士のカリキュラムを取っている学生さんもきっとこんな話し合いをしていることだと思う. 大学の研究でも社会福祉の専門性についての議論はたくさんされていて,社会福祉の性格,固有性,科学性,価値観…などなど枚挙にいとまが無いし,このことはこれまでのブログでも書いてきたので省略. 問題は,いまだに社会福祉士会で社会福祉士の専門性の確立は何か.あるいは社会福祉士として成長することとは何かが議論され

          日本社会福祉士会の退会理由

          数年前に,10年以上入っていた日本社会福祉士会を退会した. 社会福祉士を取得したなら職能団体に帰属するのは半分義務みたいなモノだと思っていた.しかし,それでも退会した. 当初から,そもそも私自身が施設で介護や生活指導をする立場にあって,相談業務に関わってこなかったと言うことがある.自身のキャリアとして,地域包括支援センターで2年,デイサービスの相談員で4年という機会はあったが,それ以外は知的障害児や救護施設での施設内での介護業務が大半だった. この自分はソーシャルワーカー

          日本社会福祉士会の退会理由

          支援のはざま(1)

          支援のはざまとはソーシャルワークは様々なハンディキャップを持つ人からの相談を受けて,多くの機関と連携したり,制度を横断的に活用したりして,相談者の不利益な状態の改善ないしは解決を目指すことにある. しかし,時には相談者の不利益/不利な状況の解消に対応する制度がないとか社会資源がないとか,連携するべき組織との意思疎通がうまくいかずにサービスが提供できないと言ったことがある. つまり支援をするべき人に支援が届いていない状況のことを「支援のはざま」という.今回はいくつかの先行研究か

          支援のはざま(1)

          ソーシャルワークの現状と課題(3)

          日本におけるソーシャルワークとはソーシャルワークの理論は代表的なところで,例えばナラティブ,危機理論,エンパワメントアプローチ,ライフモデル理論などがある.しかし,現状,ソーシャルワーカーを名乗っている人たちはどのくらい自覚的にこうした理論の運用を行っているかは不明である. そして,そもそもこうした諸理論は欧米によって生まれ,日本に輸入されてきたが欧米の人間観と日本のではそぐわない.よってこうした諸理論は役に立たないとする視点もある. 今回はその辺のことをちょっと整理しておき

          ソーシャルワークの現状と課題(3)

          ソーシャルワークの現状と課題(2)

          社会福祉士のこと前回,日本におけるソーシャルワークの問題点についてちょっとだけ指摘していたが,それは今後の課題として,とりあえず日本においては,いちおう社会福祉士が国家資格としてソーシャルワークを名乗っても良いと言うことになっている.そのことについて課題等を含みながら述べてみたいと思う. 社会福祉士とは何か 中央法規のサイトに「社会福祉士とは?」というサイトがあるが,社会福祉士とは何かを端的にまとめている.かいつまんで引用すると, 社会福祉士会では,倫理綱領として会員に

          ソーシャルワークの現状と課題(2)

          ソーシャルワークの現状と課題(1)

          ソーシャルワークについてソーシャルワーカーの仕事 時々ドラマやマンガに出てくる福祉系の相談職.生活保護課の窓口,病院の相談員,介護保険の相談業としてのケアマネさん.端役な場合もあるけれど,「護られなかった者たち」のように生活保護課の問題が主題になるような映画もある. 一般に,保護課のワーカーはケースワーカーだし,ケアマネジャーはソーシャルワーカーなのかという疑問が持たれている.しかし,そうした疑問やそもそも論としてあまり一般には意味をなしていないような気がする. その他,ス

          ソーシャルワークの現状と課題(1)

          思考の断片として(社会福祉,貧困,障害,その他)

          ノートの趣旨本ノートでは,30歳のころから現在48歳(2022年)まで,学会などで積み重ねてきた社会福祉研究での思考をあるまとまりの中でツラツラと書いていこうと思う. 私のプロフィール 私は,22歳東北福祉大学を卒業後,とある社会福祉法人の救護施設に勤務する.救護施設とは各県に1とか2施設,大阪とか東京はもっと多いが,相対的に他の福祉施設に比べマイナーな存在.オマケに人里から離れた所にあることがあり,どこにあるとかどういう人がいるかの説明が難しい.法律上,救護施設は障害の

          思考の断片として(社会福祉,貧困,障害,その他)