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社会人の英語学習モチベーションを維持する方法は、マネジメント理論にヒントがあった

「英語学習のモチベーションが続かない…」
「学びたいけどやる気が出ない…」
「2025年こそ、英語学習をはじめたい!」

英語学習にあたって、モチベーションって大切ですよね。

英語学習は、「読書」、「ジム通い」、「副業」などと同じで、やってみたいけれど、正直やらなくても困らないこと。むしろ、やったら大変で、成果が出るまで時間がかかるタイプのものごとです。

英語学習において、積極的な学習意欲、つまり「みずから勉強したくなる気持ち」を生み出すにはどうすればいいのか。

本日は、あえて第二言語習得論(SLA)に出てくる考え方ではなく、マネジメント理論「ハーズバーグの二要因理論」をつかって考えてみます。

ハーズバーグの二要因理論

「ハーズバーグの二要因理論(Herzberg's Two-Factor Theory)」は、人間の満足と不満足を引き起こす要因を示す理論です。

アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg)氏が提唱しました。

具体的には、不満足に関わる「衛生要因(Hygiene factors)」と、満足に関わる「動機付け要因(Motivation factors)」の2つの要因を考えます。

【衛生要因】
満たされていないと不満足になること。ただ、満たされてもやる気が出るわけではない。

【動機付け要因】
満たされなくても、不満足にはならないこと。満たされるとやる気が出ること。

これだけでは「?」ですね。実際に英語学習に適用してみると、

衛生要因(満たされていないと不満足)

  • 環境(例:自分が集中できる場所があること。スマホやPCが快適に動作すること。インターネット環境があること)

  • 教材(例:自分のレベルに適した教材をつかっていること)

  • サポート(例:学習の進め方、むずかしい文法についてサポートしてくれる友人、先生がいること)

  • 時間(例:英語を学習する時間がとれること)

  • コスト(例:無料でできること、または価格に見合ったサービスが受けられること)

動機付け要因(満たされるとやる気が出る)

  • 達成感(例:TOEICで目標の点数が取れた!洋書を一冊読み切った!)

  • 自己成長(例:学習を続けたことで、前より聞き取れるようになった!使える単語が多くなってきた!)

  • 異文化交流(例:英語で海外の人と話せるって楽しい!)

  • 学習自体の楽しさ(例:好きな音楽や洋画を学習に取り入れる)

  • 外部からの評価(例:自分の英語を褒められた!)

などが考えられます。

衛生要因と動機付け要因がどう違うかというと、例えば、ガヤガヤした環境で学習に集中できない(=衛生要因が満たされていない)場合は、そもそも学習する気にならないですよね。

ただ、集中できる環境さえあれば(=衛生要因は満たされている)、英語の学習を継続できるかというと、これも怪しいです。

一方で、例えば頑張って勉強してTOEICで一定の点数を取ることができれば、達成感を感じられたり、成長意欲が満たせたりします(=動機付け要因)。自分の努力が目に見えて、自分も大したものだなと思たり、転職で有利になったりしたらうれしいですよね。

衛生要因と動機付け要因は、もちろんどちらも大切です。

「仕事終わりに図書館で勉強する!」
「新しいテキストを買った!」
「日曜日の朝は時間を作って勉強する!」

このような「衛生要因」の改善は、もちろん大切です。

ただ、社会人の英語学習に求められる「積極的な学習意欲」を生み出すためには、動機付け要因がよりいっそう重要です。

「自分にとっての動機付け要因はなんだろう?」

と問い、自分の動機付け要因を満たすことで、やる気が出るわけです。

具体的には、

  • 英会話テキストを買うだけでなく、英語をつかう機会を設ける

  • 具体的な目標(英検、TOEICなど)を目指して学習する

  • 学習が楽しくなるように工夫されている英会話アプリをつかう

などが考えられます。

まとめると、

時間をつくったり、環境を整えたりするという衛生要因の改善だけでは、十分なやる気が起きない可能性があります。そこで、例えば達成感や自己成長などの動機付け要因を満たすことを意識することが有効と考えられます。

あとがき

ハーズバーグの二要因理論は、本来は企業経営やマネジメントの文脈でつかわれることが多いです。

(よく言われるのは、例えば給与や人間関係がよくても、これらは衛生要因なので、社員のやる気を引き出すことにはつながらない。よって、達成感のある仕事、成長できる仕事を任せることが大切だ、というような話です。)

「自分をやる気にさせるにはどうすればいいんだろう?」と思ったとき、ぜひ本記事の「動機付け要因」の項目を参考に考えてみてください!

最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは。


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