企業内副業の可能性。
前回は、タクシー会社の新しい可能性について書きましたが、
今回はタクシードライバーの新しい可能性について書きたいと思っています。
『企業内副業の可能性』
最近、Wワークという言葉が当たり前になりました。
でも、どうせ二つのお仕事をするのであれば、一つの企業内でWワークできた方が良いのではないか、というのが私の考えです。
「良いのではないか」と漠然とした書き方をしましたが、それにはいくつかの理由があります。
まず思うのは、働き方として
◯一つの企業内でWワークできた方が楽しいのでは?
◯Wワークという新しい挑戦が、一つの企業の中なら挑戦しやすいのではないか?
ということです。
「楽しい」ということには、やはり「変化」がともなうのではないでしょうか?「新しい変化かあった方がワクワクする!」と私は思います。
また形式上は、いわゆる本業と副業という形にはなりますが、
本業以外の仕事をすることで、本業に対しても客観的な視点が生まれ、『しっかりと考える』機会になると思っています。
例えば、人気のお菓子やカップラーメンなど、
人気商品がたくさんの味のバリエーションを常に出し続ける理由は、
色々な味を出すことで、「面白い!」とお客様に改めて思ってもらうことと、
色々な味を楽しんだあとは「結局、オリジナルが一番美味しいよね!」
という感情を、
定期的に思い出してもらうことによって、お客様の心を離さないという戦略になっている
という話を聞いたことがあります。
仕事もまた、一つのことをやり続けたらもちろん『熟練してくる』という最大のメリットはある一方で、
『マンネリ』という気づかない「罠」も潜んでいると思います。
そこで、『企業内副業』を導入することによって
「本業の大切さを定期的に考えるきっかけになるのではないか?」と考えています。
(二つの企業で働くことを『Wワーク』と表現し、一つの企業で二つ以上の仕事をすることを『企業内副業』と勝手に定義をしてこの記事を書いています)
では、「通常のWワークでいいのではないか?」とも言われそうですが
「企業内副業」の最大のメリットが、実はもう一つあると思っています。
それは、
「挑戦」という、もう一つの新しい仕事に企業と社員が一緒に着手できることです。
基本Wワークは、二つとも定着した仕事を別の会社を通じて働くことが一般的だと思います。
そうではなく、言葉通り『うまくいくか、わからないこと』に、企業と社員が一つになって取り組むことができるという、
めちゃくちゃワクワクし、かつ楽しい働き方ができるのではないか?と思います。
でも、なぜこんな挑戦を、企業と社員一緒になってできるか?
それは、
企業内副業であれば、双方にとって、本業がベースにあるからです。
縁起でもない話かもしれないですが、
「たとえ挑戦がうまくいかなくても、
本業に戻ればいい」という何よりも
強い『保険』がそこにはあります。
複数企業でのWワークでも同じことはできるとは思いますが、一つの企業の中ほど簡単ではないと思いますし、
企業と社員が一緒になっての挑戦は、複数企業では難しいと思っています。
さて、なぜタクシー会社を経営する私がここまで『企業内副業』について書いているのか?ということですが、
それは、
【タクシー会社が企業内副業に向いている】
と思っているからです
タクシードライバーは、第二、第三の職業として選ばれることが多いです。
これは見方を変えると、ある人がタクシードライバーになる時には「他のスキルを持っている社員をすでに雇っている」ということになります。
これって、すごい可能性だと思いませんか?
以前もお伝えした通り、タクシーは世の中になくてはならない重要なお仕事です。
タクシーが無くなれば、都市機能はストップするからです。そして、公共交通機関と位置付けられていることから、社会の交通インフラでもあります。
地域のインフラを担っているタクシードライバーが、
飲食店のキャリアを持っていたり、
水道管を直せるスキルを持っていたり、
家具などの造作物を作れるスキルを
持っていたり、
英会話が得意だったり、
と例を上げれば、限りがありません。
「弊社の社員が集まれば、家を建てることができる」
と、いつも冗談半分で言っていますが、
半分本気です。
もちろん同じ運輸を経験してきた方が多いのも事実ですが、
営業や事務、建築や土木、飲食店から農家まで、タクシードライバーは本当に『スキルとキャリアの宝庫』なのです。
例えば、水道管を直す時も、もともと働いてくれていたドライバーさんが始めた会社に頼んだり、ちょっとした建物内の家具などの新設や修理は、在職ドライバーさんにお願いしたり。
懇親会を開催するときも、飲食店経験者が取り仕切ったりと、本当に生きる力に溢れています。
これを平岸ハイヤーが提供するサービスとして事業化できないか。
そんな思いをずっと持っておりました。
ドライバーさんのスキルから新規事業の開拓ができる。
そんな挑戦を『企業内副業』という新しい働き方をしながら続けていきたいと思っています。