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~耐えるために、慣れる~ 【第6回 ゆる読書会 孤独のチカラ】

課題図書は【孤独のチカラ 齋藤孝 著】

数々の教養本を世に送り出してきた齋藤先生が、「鏡をつかった内観法」、「マニアな読書」、「群れから離れ、単独者たることの大切さ」など、自らの経験をもとに『孤独の技法』について説いた一冊。

個人的には齋藤先生の孤独に対する捉え方に共感できる部分も多く、「大学サークルという和気あいあいとしたイメージが鬱陶しい」といった、ときおり含まれる『毒』が著者のイメージとギャップがあって、今まで読んだ本のなかでもとくに印象に残っている本。

今回は他の方々がこの本を読んでどう感じたのか、孤独についてどう思っているのか意見を聞きたくて開催。

参加者は全部で7名。
「はじめまして」の方から、「いつもありがとうございます!」の常連さん(毎度おなじみ自称夢職のNさんももちろん参加←ありがたい!!)にくわえ、月に開くにて絵本の読み聞かせを月一で主宰されている方と、数年前に僕と『孤独のチカラ』を出会わせてくれた方も参加してくださった。

予想以上の豪華メンバーに、かなり緊張。

会はいつもと同様、ゆるゆるとした雰囲気。
未読参加OKにしているので、本の話題からやや脱線することもあるが、『孤独との向き合い方』という軸はブレないように意識して進行。

《孤独のコツ》
本の感想をはじめ、著者の来歴などいろいろと話題があがったが、とくに盛りあがった話題は、自分なりの孤独のすごし方・コツについて。

どんなことかというと…

・ガンプラ作り(偶像をひたすら組み立てる快感がたまらない)

・草刈り(草刈り機は使わず、手で黙々とやる)

・俳句(立場も時間も越えて、共感とめぐり逢える)

・乱読、映画鑑賞、美術館めぐり(感性を磨くにはうってつけ。自分の引き出しが増え、背景が変わる)

・焚火の炎を眺める(場所は庭の片隅。マッチで火をおこすとオツ)

・ひとりで来て、ひとりで帰る(どんなに気ごころの知れた仲間と集まる場であっても。心のチェックイン・アウトみたいなもの?)

・自分の時間をスライスして、やりたいことの優先順位を決める(これをしないと身がもたない)※これはひどく納得。僕自身、身を崩した経験あり。

・ひとりで、湘南新宿ラインのグリーン車に乗る(ちょうどいい長さの乗車時間と、プチ贅沢をしている感覚がたまらない)
※このすごし方が、もっとも参加者同士の共感度が高かった。群馬県民あるある?


聞いていて、みなさんそれぞれが孤独を肯定的にとらえていて、孤独の時間を存分に活かしていると感じた。

《孤独の空気》
ゆったりとした雰囲気で進行していったが、終盤になってハッとする意見もでた。
それは参加者のひとりで、私の母と同世代であるご婦人の『高齢者の孤独』についての言葉である。


「わたしたちの世代になると、孤独な時間に耐える力が弱いひとも多いの。急に伴侶に先立たれ、ひとりになることに、何の心の準備もなく孤独に入り込む。どうしていいかわからない。その結果、ひとりよがりな考えでつながりを求めて、公共施設で職員さんに大声で怒鳴ってしまったり、クレーマーのような振る舞いをしてしまう」と彼女は言った。

たしかに、ニュースを見ていて、近所を眺めてみて、思い当たる節がある。
では、「これからそうならないために、僕たちがすべきことはなんですか?」と質問してみる。
「わたしは『評価されない』に慣れること、じゃないかなと思うわ。人間どんなにがんばっても、おたがい100%理解しあえるということはない。だから、がんばったことを相手に理解してもらえない、評価してもらえないことがあるのは仕方のないこと。そうやって考えることで、孤独にたいする心構えができて、憤りのような感情も減るんじゃないかしら」と。

『孤独に耐えるために、評価されないことに慣れる』

ふと聞いただけでは、『嫌なことをガマンする』という印象をもつかもしれない。
けれど僕は、孤独や評価されないことを、『嫌なことにしない』と言っているように感じた。

さらにいえば、空気の一種であるように、そこに当然あるもの、生きていくうえで欠かせないものだと捉えるべきだと思った。

孤独や評価されないことが、当然苦しいときもある。
とはいえ、その苦しみがあるからこそ、信頼できる人と出会えたとき、評価されたとき、まるで険しい山を登りきり、頂上で深呼吸をしたときのような爽快感や多幸感が得られるのではないだろうか。

《まとめ》
気がついたら終了時間。
あっという間の一時間半。
今回の読書会を通して、いろいろな『孤独のチカラの育み方』を知ることができた。
また、孤独というテーマで前向きに楽しく話し合えたことが、嬉しくてたまらない。

参加者のみなさんにも、同じ気持ちになっていただけたなら、これほどうれしいことはないと思う。


最後に本作をならべて写真を一枚。

孤独のチカラが結集すると、なんとも力強い印象。
まるでアベンジャーズのよう(笑)。

参加してくださったみなさま、ありがとうございました!!

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