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~主催者に必要なもの~読書会フェス レポート

こんにちは、アライ・BUUと申します。

群馬県の前橋市にある、ブックバー・月に開くというお店で2ヶ月に1回『常連客が企画する ゆる読書会』という読書会を主催しているお店の常連客です。


そんな僕が、なんの予備知識もなく、「やってみたい」と「このお店が好き」という理由だけで始めた、ゆる読書会。
まだ8回しかやっていないけれど、「これでいいのかな?」という不安や、「もっと良くしたい」という欲がでてきた最近。

そんなときに、別の街で読書会を主催している知人から『読書会フェス』なるものに誘っていただきました。
読書会主催者が共同で開催するイベントで、読書会をもっと気軽に身近に感じてもらうことが目的だそうで。

非常に貴重な体験だったので、レポートでまとめます。


《会場の様子と流れ》


全部で14団体が参加。
1回30分を5回のタイムテーブルに分けて、参加者は体験コーナーにて自分が気になる読書会を選び、自由に参加するスタイル。
各読書会は先着順で定員制(5~12名)。
体験コーナーのほかにも、本が交換できるブックスタンドと、読書会主催者に質問ができる相談コーナーがありました。

持ち物は各読書会によってまちまちでしたが、だいたいは自分がお気に入りの本と筆記用具をもっていればOK。

ちなみに、自分は『お気に入り』、『交換用』、『緊急用』の3冊を持参。


お気に入り=本日は、お日柄もよく
交換用=不自然は宇宙
緊急用=読んでいない本について堂々と語る方法←(もしも議論を吹っ掛けられた場合の助けになるかと思い選書した小心者の自分)

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読書会フェス自体の参加者定員は70名となっていましたが、実際にはもっと多くの人がいたようにみえました。

かなりの熱気で、人気のある読書会は会場と同時に即満席に。

僕が参加した読書会は、


1.ちょっと新しい読書会
2.彗星読書倶楽部
3.本を読まない読書会

です。

以下詳細です。


《ちょっと新しい読書会》

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[内容]
自分が好きな本の好きな一節を選んで、カードにするという読書会。
普段は女性限定の読書会とのこと。
[参加理由]
僕のゆる読書会に参加してくださる女性陣に、もっと喜んでもらうためのヒントが得られるかと思い参加。
[感想]
カードには、好きな一節とともにイラストも記入。
カードのほかにイラストのサンプルと、ちょっとした描くためのアドバイスが書かれた用紙も配布。
主催者さんのひとりはイラストレーターとのことで、絵のレクチャーもしていただけました。
このレクチャーが、けっこう安心感つながります。
ちなみに僕は『傷つけも励ましもする魔物』をブタで表現したイラストを作成。

カードが完成したら、ひとり2分ほどで本の紹介となぜその一節を選んだのかを発表。
主催者さんはその発表をうけて、参加者さんにちょっとした質問とコメント。
イラストがある分、話題が広がりやすい。
加えて、優しい気持ちになりました。
女性限定というのもうなずける。


《彗星読書倶楽部》


[内容]
マーキングで視点を共有する読書会。
用意された短い文章を読み、気になるところ(単語や一節)をペンで各自マーキング。
その後、なぜその部分にマーキングをしたのかを発表。
[理由]
敷居が高そうな読書会だけれども、なんだかおもしろそう。ちょっと自分を追い込んでみたい気分だったので。
[感想]
使った文章は宮沢賢治の詩集。
主催者の彗星さんいわく、「マーキングをすることで、人によって、何に注目し、どのように捉えたのか、違いがわかることがおもしろい」とのこと。
やってみてそのおもしろさに納得。
「なにかを見つけなきゃ」という焦燥感と、自分の視点にハッと気がついたときの高揚感がたまらなく心地よかったです。
さらに、彗星さんが自分の気づきを絶妙な加減で広げてくれるので、初心者でも安心して話すことができました。
彗星さんは、非常に弁舌が立ち、純文学の知識が豊富という印象だったので「これは緊急用の出番か」と思ってしまった自分が恥ずかしい(汗)



《本を読まない読書会》

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[内容]
ワンフレーズから、本のタイトルをあてるクイズをする読書会。
自分が持参したお気に入りの本から、好きなワンフレーズを抜き出してカードに記入。
参加者全員のカードを司会者が回収。
それぞれの本をならべて、本にアルファベットが書かれた付箋を貼る。
司会者がカードに書かれたワンフレーズを読み上げ、参加者はそのワンフレーズから本のタイトルをあてる。
[理由]
読書会のタイトルがとてもシンプルなのにキャッチ―で、「えっ、どういうこと?」瞬時に興味を惹かれた。『本のタイトルをあてるクイズ』ともなれば、参加者は猛者ぞろいの可能性もあったが、一問ぐらいあたればいいかなくらいの気持ちで参加。
[感想]
とても人気の読書会のようで、瞬時に満席。想像していたよりも、明るくて気軽な印象。主催者さんの笑顔がステキでした。ワンフレーズという本の内側の一部と、タイトルという本の外側の一部。それぞれから本全体の内容を想像し、見比べて、結びつけて、探し出すという工程がおもしろかったです。それと、自分が選んだワンフレーズを、誰かに声に出して読んでもらえると気分がよかったです。ポエトリーリーディング経験者に読んでもらえると、もっと楽しいかも。


以上です。

ちなみに、体験コーナー以外のブックスタンドと相談コーナーにも触れておきます。

《ブックスタンド》

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机の上に本を並べ、一冊につき一冊の本を任意で交換。
自分の交換したい本には、その本のオススメポイントや思い入れなどを付箋に書き貼っておく。
ちなみに自分は『不自然な宇宙』と『星の王子さま』を交換。
宇宙つながりということもありましたし、ちょうど3月に『星の王子さま』が課題本の読書会があるので。


《相談コーナー》


各主催者さんの体験コーナーの合間時間に、直接お話しが伺えるコーナー。
自分は、場所選び、参加費の設定、ファシリテーションのコツについて、数人の主催者さんに質問させていただきました。

以下回答


・開催場所は以前はカフェを使っていたが、集中できなかったり、行動に制限があるため現在はレンタルスペースを利用。

・参加費はだいたい500~1500円程度。ゲストを招くと、やや上がる。

・会話途中の沈黙がこわい場合は、BGMを使うといい。

・告知はTwitterが多い。参加希望者には、リプかダイレクトメールをお願いする。

・紹介型読書会の場合は、参加者が紹介した本とリンクするような本の情報を盛り込むと話が円滑になる。

・フランス文学に精通している、新人編集者である、小説を書いているなど、主催者のイメージは明確にする。少しお堅いイメージをもたれてもいい。逆に、読書会自体は気軽に、ゆるく、フラっと参加できるぐらいハードルを下げておく。

・人数は関係ない。たとえひとりでも、継続して参加してくれているファンを大事にする。


とてもリアルな話を誠心誠意してくださり、目からウロコの連続でした。


《総括》


参加してみて一番感じたのは、主催者として本の知識と読書会の経験はあるに越したことはないけれども、それよりも大切なのは共感力と企画力であるということ。


『本を読まない読書会』の主催者さんは「本は好きだけれど、仕事が忙しくてぜんぜん本が読めず、なんだか気まずくて読書会にいけなくなってしまったことがあったんです。そんなとき、私みたいに感じている人も多いんじゃないかなって。だから、もっと気軽に参加できる読書会があったらいいなと思って、自分で『本を読まない読書会』を企画しました」と語ってくれました。


そういった共感力と企画力があるからこそ、思わず参加してみたくなってしまうような読書会を作れるし、継続できるのかもしれません。

ある人が、「読書している人を見て、どんな本を読んでいるかはわかるけれど、どんなふうに読んでいるかはわからない」と言っていましたが、現実の語り合いを通して、その人なりの読み方を知ることができる読書会は、本当に楽しいと改めて実感。


今回の体験を活かして、自分も相手もお互いに楽しめる読書会作りにつなげていきたいと思います。

かなり、長文になってしまいました(汗)
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

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