ドラマ silent ATPドラマ部門最優秀賞受賞
遅ればせながら、ドラマsilentを観ました。
新ドラマとして放送された時は、初回を見ただけでよくある恋愛ドラマだと思い、
やめてしまいましたが、その後のあまりの反響の多さに、見てみたいと思うようになりました。
早々と再放送されましたので、録画しながら見続けました。
見終わった感想は、
ただただ、良かったの一言です。
まず、第一印象は、このドラマには悪人がいないということです。
主人公は、元カレが突然姿を消した後、元カレの親友と付き合うわけですが、元カレと再会することで、よりを戻す方に話は流れます。
そして、今の彼は、自分から身をひいて、応援する立場にまわります。
元カレには後天性の聴覚障害が現れ、それで主人公の前から姿を消しますが、偶然の再会で、少しづつ距離を縮めていきます。
テーマとして、健者とろう者の恋愛を含めた繋がり方を描いているように思います。
しかし、別の側面もあるように思います。
ドラマの中で、スマホアプリで音声を文字に変換し見せる場面が出てきます。
でも、やはり、手話の部分が多く描かれます。
セリフで、顔を見て話したい、というのが何回も出てきます。
人は話をする時、言葉だけでなく相手の表情や息遣いで意味を理解します。
それは、心と心の繋がりです。
最近では、ネットの普及によりSNSを使って、画面の言葉だけで会話をする場合も増えてきました。
それでも、知り合いが相手なら、心配ありません。
最近では、匿名の知らない相手からの、一方的な言葉による暴力が社会現象になっています。
SNSの広がりは、世界の人たちとの距離を縮めました。
しかし、私は剃分近くの人たちが見えなくなったと思っています。
逆に近くの人との距離を遠ざけているようにも思います。
このドラマは、最初から言葉に関するシーンが出てきます。
そういう意味で、言葉というものをテーマにした、現代のネット一辺倒の社会に
疑問を投じる作品だったのではないかと思います。
ネット環境によって、生活は便利になりました。
しかし、果たして豊かになったのか。
いろいろなとり方のできる、考えさせられるドラマでした。
このドラマは、ATP賞、ドラマアカデミー賞、橋田賞などを
受賞しました。
間違いなく、2022年冬期を代表するドラマになりました。
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