見出し画像

父の背中(140字小説)

いつも父の背中を見ていた。

その大きな背中はとても広くて、

見ているだけで安心できた。

ボクは成長するにつれて、

その背中を追いかけるようになった。

そして追いつき追い越したくなった。

しかし、永遠に追い越すことはできなくなった。

背中しか見ていなかったボクは、

遺影以外の父の顔を知らない。


いいなと思ったら応援しよう!