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百合の花(140字小説)

庭に白い百合が咲いた。

たったの一輪。

今まで咲いたことがなかったのに、

どうしてなのだろう。

少し前に父が亡くなった。

父は百合の花が好きだった。

凛とした佇まいが好きだった。

百合はまっすぐこちらを優しく見守ってくれている。

そして季節が変わる前に枯れた。

それからは、一度も咲いてくれない。


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