朝井リョウ「星やどりの声」
亡き父が残したビーフシチューを名物にした喫茶「星やどり」。
そこを営む、母と三男三女の物語です。
子供たちの名前をタイトルにした6つの章に分かれていますが、
それぞれの章は少しずつ重なり合い、
亡き父の言葉や姿を時折混ぜながら、1つの物語に仕上げています。
一つの輪となって仲睦まじく暮らしていた家族が、
子供たちの成長とともに、ぶつかりあいながらも助け合い、
そして父の仕掛けに気付いた時、
それぞれが前を向いて独り立ちを始めます。
著者が学生最後の夏に描いた、
優しい気持ちになれる物語です。