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FanGrowthを運営して気づいた「ウェビナーをやれば売上が上がる」という幻想と現実

さてさて、エキサイト株式会社でFanGrowth事業の役員と事業責任者を務めています、大熊と申します!今回はイベントマーケティングAdvent Calendar 2024の9日目担当として、「FanGrowthを運営して気づいた「ウェビナーをやれば売上が上がる」という幻想と現実」をテーマに記事を書いてみたいと思います。

(同日に事業部内でのアドベントカレンダーも書いたのでよければこちらもご笑覧ください。全然笑えないスケジュールでした)


ちょっとだけFanGrowthの紹介を

ご存知の方はサッと飛ばして頂ければと思いますが、FanGrowthはエキサイトの新規事業として、過去の体験を元に2022年にリリースした「ウェビナー支援ソリューション」になります。
「共催先が見つからない」「企画が正しいかわからない」「メルマガタイトルどうすれば良い?」「アーカイブ配信のやり方がわからない」こんなマーケターの皆様のお悩みをまるっと解決していると思ってもらえると嬉しいです。

FanGrowthのポイント
① 成果の出るウェビナーの企画作成から共催先選定までプロダクト完結
② アーカイブ配信やイベントレポート作成などの2次利用も対応
③ 立ち上げの企業様にはコンサルタントががっつり伴走

IT、SaaS系の企業様を中心に約1300社ほどの企業様にご活用頂いており、アライアンスも絶賛強化中なのでご興味ある企業様いらっしゃったらお気軽にお声掛けください!

ウェビナーを支援して気付いた「ウェビナーへの期待値」

さて、ここから本題に入ろうと思います。
今まで数多くの企業様の支援をさせて頂く中で気付いたことがあります。
それは「ウェビナーやれば売上上がるはず」という期待値の大きさ。

上記記事にも書きましたが、2022年ごろは、実はウェビナーを開催すると1ウェビナーあたり1受注くらいは発生していました。ただ、現在苦労してウェビナーは開催してみたものの成果に結びつかない、と感じている企業様は多いのではないでしょうか?
今回はなぜ期待と現実のギャップが起こるか、その対策をどう考えるべきか、を少し紐解いていきたいと思います。

ウェビナーの課題は何ですか??

ギャップが起きる原因

まず前提条件として、ギャップが起きる要因は外的要因と内的要因に分かれます。それぞれ細かく挙げていくときりがないので、ここでは代表的な要素を2つずつ取り上げてみたいと思います。

●外的要因として
1 . ウェビナー乱立による既視感

オンラインイベント総数はコロナ以後の2020年段階と比べて毎年右肩上がりで、2024年には約2倍もの開催数になっています。
結果、「流行り物」の体も少し出てきており、視聴者からすると「どこかでみたことある企画」が乱立する状態に。
※この辺りはむらた@BtoBマーケさんの記事にも詳細が!

2. 視聴層が広がったことによるマジョリティ層割合の増加
そしてそこに連なる形で、元々イノベーターよりの視聴者が多かった状態から、情報収集の一つの手段として確立した結果、ラジオ感覚で視聴するユーザーも増加。そもそもニーズが顕在化していない、コンペリングイベントが見えないユーザーのため、ISが架電したとしてもアポにならない。

●内的要因として
1.  それ調べたらわかる情報じゃない?
イベントはオンライン、オフライン問わず基本的に「視聴者の時間を奪う」施策です。特定の時間を空けたにも関わらず、既知の情報しか話されていないとわかった瞬間に、視聴者は離れていきます。
そして意外と怖いのは、「アンケート満足度」ではこの辺りの離れ度数がわからなかったりする。。(とりあえず満足をクリックしている・・)

2.  内容が漠然としていて結局何をすればいいの?
概念の話ばっかりで、具体的な内容が何もない。
話し手が満足しているだけのウェビナーで示唆が得られない。
視聴しているユーザーが求めていることは「御社の商材や自慢話」ではなく「自社で何をすればいいか」だったりします。

皆さんもすでにお気づきかもしれませんが、この2年間ほどで、ウェビナーを取り巻く環境は大きく変わってきています。
中でも「ウェビナー総数の圧倒的増加」と「視聴リテラシーの向上」は向き合っていかなければいけないテーマになります。

では、今後ウェビナー主催企業はどのような内容を発信するべきなのか?
ターゲティングや戦略的な話はこちらで書いているので、今回は「登壇する上での企画内容」に絞って書いていきます。

ポイント① そこに情報の信用性はあるか

ウェビナー企画のみならず、マーケティング戦略を作っていく上で大切にしていることが「情報の信用性」です。ここでいう信用性とは「根拠があり、バイアスがかかっておらず、実名性が担保されている」という定義になります。
例えば、「ウェビナーを開催したら売上3倍になるよ!」と言うウェビナーを開催したとして、そこにWHYもHOWもWHATもなければ、これはただのポジショントーク。その情報は虚偽、とまでは言わないものの参考にするには値しない内容になってしまいます。

信用性が担保されるポイント

この信用性を担保するためには
1. しっかりと実績に基づいた発信ができているかどうか
2. その会社の独自のノウハウに基づいているかどうか
3. 一過性ではなく再現性がある内容かどうか

が重要になっていきます。

つまり、一般論を述べるだけのウェビナー企画ではなく、自社の実績や成果が汎用化されるから「1対N」としてのウェビナーでも反響が出る、と言う考え方ですね。
これはコンサル先ともよくディスカッションするのですが、権威性がまだ低い企業やプロダクトほど、一般論で企画を作りがちになる傾向があります。

大切なことは「なぜ自社がこのテーマでウェビナーをしているのか」を語れる企画かどうか。
つまり、今まで積み上げてきた実績や自社独自の成果から特異性が生まれ、結果として他社との差分に繋がっていきます。

弊社ではこの信用性を担保するために
・顧客の成果を体系化し企画に落とし込む
・自事業を第一ペルソナとしてPDCAを回し、そのプロセスを公開する
大きくこの2つにこだわってウェビナー設計を実施しています。

↓反響があった信用性の高いコンテンツ例

ポイント② 機能的価値訴求からの脱却

今の時代、特にプロダクトによる機能的価値の差別化は非常に難しくなってきています。技術力が向上するにつれて、リリースをすれば競合に意識をされ、結果として機能による差分はイタチごっこになってしまいます。
また、こういった機能的価値についてはいくらでも調べたら検索できる、と言う背景もあります。
では、何を持って差別化とするのか。
それは顧客の情緒(感情)に訴えることだと考えています。

一般的に顧客の情緒に訴える方法としては、導入までの手続きの簡略化やサポート体制の厚さなどが挙げられます。これをウェビナーの企画、と言う面で見るとどうすればいいのか。

エンタメ性から生まれる第一想起

1つの回答として私が意識しているのは「エンタメ性」の担保です。
端的に言ってしまうと「あの人の(あの会社の)話面白いよね」要素と言い換えても良いかもしれません。

ここでの"面白さ"とは何かというと
・ここでしか聞けない話ができているかどうか(特別感の醸成)
・視聴者巻き込み型の共創コンテンツができているかどうか

上記のような型にはまっていない企画設計が挙げられると思います。

台本があるストーリーを展開するだけではなく、例えば
・視聴者参加型のコンテンツにし、毎回内容が変わる
・パネルディスカッションでほぼ資料がない状態でウェビナーが進む

こういったワクワク感を視聴者に感じてもらうことで、またあの人の話が聞きたい、と言う状態になってもらえます。
(やりすぎると本題の話をほぼできなかったみたいなこともありますが)

ポイントとなるのはこの情緒的な価値を高めていくことで、「XXと言えば⚪︎⚪︎だよね」と言う第一想起に繋がりやすいということ。
登壇内容にエンタメ性があり、リピートして聞きたくなり、気づけばあるカテゴリの想起群に入っていく、というストーリーが構築できれば、タイミングで商談化が一気に進んでいきます。

弊社ではここを特に意識しており、最近ではシリーズ化をして企画展開をすることで、「企画ごとのファンを作っていく」ことを心がけています。
視聴者を刈り取りに行く、のではなく、いかに何度も見にきてもらうかをKPIとして持つことで、自然とコンペリングイベントが発生した段階で弊社にお声がけ頂ける関係性を作ることが可能になります。

↓シリーズ化の例
⚪︎TOP LEADER's シリーズ

最後に

つらつらと書いてきましたが、ウェビナーという施策は「流行の施策」から「汎用的な施策」にポジショニングが変化してきました。そしてこれからもまだその最適なあり方は変わっていくと感じています。

その中で改めて考えなければいけないことは、「個性のない情報は無価値になっていく」という事実だと思います。
これから更にAIが普及していく中で、敢えてマーケターが考えなければいけないコンテンツは「独自性が高くエンタメ性を持っている」内容になるのではないでしょうか。

もし自社だけではなかなか対応できない、と感じた方がいらっしゃれば、遠慮なくぜひFanGrowthにご相談ください。
皆様の事業の信用性と情緒的価値をご一緒に作れればと思っております!

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