原作付きの作品をテレビドラマ化するとはどういうことか
…という話、昨夜相棒と岡田さんのYouTube見てて、そうだったのか!!!とめっちゃ納得したので、メモがわりに置いておきます。
YouTubeにおちてるんで、元発言はそちらを辿ってください。
https://www.youtube.com/watch?v=s2MV11sqHSk
(ちなみに岡田さん嫌いだから見たくねー!て人も結構いると思うんだけど、これは途中の山田玲司さんとのトークがめっちゃおもろいから、見る価値あると思うw)
まぁ、この動画みたらまさにソレだよ!!!て感じなので、以下全部見なくていい話だとは思うんですけどw
印象的だったのは、とにかく、「漫画がもはや難しい」って一言ですね。
視聴者が、漫画みたいな二次元の媒体から、色々想像する、ということが難しくなっている。
もちろんそうじゃない人も多いと思うけど、そういう人が増えてる、ってことなんだろうと。すくなくとも、テレビドラマや、youtubeを漫然と見る視聴者層には、です。
視聴者の理解力が、漫画原作を支持する人たちよりも低いから、その人たちでもわかるように改変しなければならない。
それが、原作付きを実写ドラマ化すると一気に面白くなくなる理由だ、とそう言う話なわけですよ。
これ、最近のラノベが(一部をのぞいて)みんな同じようなのばっかで、ちっとも面白くない問題(もう面白くなさすぎて、本屋で最初10ページ立ち読みするのさえ苦痛です、ワタクシ😅)と同じ病なんだと思う。
作者が悪いわけじゃない。出版社側が、公然と、「面白くなくていい、わかりやすい話にしろ、読者がはらはらドキドキするような、心臓に悪いのはダメ」って言ってくる、って話ですから。
つまり、毎日遠距離通勤通学して、人間関係に気疲れして、もう難しいこと何も考えたくない、日常を忘れられて、ほんわかと楽しい気分になれて、しんどいこともドキドキするような危機もなく、全てがうまくいく、って話を多くの人が求めていて、そこに乗っかってるのが、ラノベというコンテンツ業界なんだと思うんですね。
ラノベは仲間内で人間関係が拗れるのNGらしいですから、まぁ、テレビドラマは、それよりはまだ現実をシミュレーションしとるのかもですが。
で、まぁ、ラノベがそういう層にうけるのは、一応本を読んでいるように見えるから(漫画の絵が通勤中に見えるのはちょいカッコ悪い、と言う人はまだいると思う)だと思うんですけど、テレビドラマって、ようするに、タダで見れるわけじゃないですか。
お金を払わないと見られない漫画より、敷居が低いし、そもそもそう言う漫画の1冊を選ぶ元気もない。
だから、家に帰って、つまみ食いながらビールのんでる片手間に、タダで見られるドラマでいいや、って話になって、そういう片手間に見るものに、漫画家が命削って紙面につぎ込んだメッセージなんて、どう考えても重すぎるわけですよ。
だから、なんか原作にはない、よくわかんない恋愛要素突っ込んでみたり、以前に当たったテレビドラマの再現みたいなのを突っ込んでみたりする、ということなのか、と。
視聴者がそれ見て、あ、これ見たことある、って安心するから。
(これは、音楽の世界では有名な話で、その最たるものはクラシック音楽です(笑)。すでに知っている曲だから、聞くのに全曲40分もかかる、ってわかってても聞くんですよ。ポップスでも、知ってる曲ならプレイ回数が伸びる。手が出しやすいんですね。)
じゃあ、何も原作つきにする必要ないじゃん、一から創作ドラマやれば? ってなると、それこそ、全く知らないドラマの第1話のために自分の時間を割いてくれる人なんてほとんどいないから、それは難しい、って話なんだと思うんですね。
今漫画で売れてるあれのドラマ化です、って宣伝すれば、チャンネルを合わせてくれる人が増える。
つまり、テレビドラマ制作側としては、それ以上の効果なんか、原作にはちっとも求めていない。
だから、最初の口約束で何を言おうが、結局制作が始まれば、原作者の意向も希望もガン無視の進行になっていく、ってことなんだと思うんですよね。
それに比べると、漫画のアニメ化は、とくに近年だいぶ事情が変わってきたのかな、と。
漫画のアニメ化が、子供におもちゃを買わせるためだった時代には、子供にわかるように内容の改変をされるのが当たり前でした。
でも最近はもう子供の数減ってるから、アニメのターゲットは人口が多い、金を握ってる大人になってる。
で、アニメの収入源て、今はもうコンテンツを売って、フィギュアだのグッズだのを大人に買わせる、って戦略になってきてるわけじゃないですか。
大人が、金を出して買う、というところが大事で、だったら、原作に忠実にやった方が、原作ファンの高感度が上がって、祭りになって、結果的にグッズ買う層も増えて、高収益が期待できる、って図式がもう出来上がってきてるんだと思うんですね。
テレビドラマなんて、いくら当たったって、グッズなんかほとんど出ないじゃないですか(笑)。そこが違う。
そして、多分、実写映画はその中間くらいに位置するんじゃないかと。
グッズとかはそんなに出るわけじゃないけど、映画館には足を運んでもらわんといかんから、ある程度、「金を出す大人」向けにチューニングせざるを得ない。
だから、金を出してもいい、と思う程度には特別感が出るように、多少凝った話の作りにするんだと思うんですね。
昔は、アイドルを主役に据えておけば、何もしなくても観客動員できたんでしょうが、今はそこまで力のあるアイドルがいないから。
だから、この、実写化・テレビドラマ化で原作ガン無視、って問題は、脚本家の倫理観とか責めても全く無駄なんだ、ということがよくわかった。
経済圏が違うんだから、同じ論理が通用するはずがないんですよ。
でも、これだけは言いたい。
テレビドラマ制作側も、出版社も、そのことはもう十分わかっているはず。
それを、よく事情を知らない漫画や小説の原作者、ただの個人事業主にすぎない弱者を相手に、「ちゃんと原作を尊重します」なんて甘言を吐いて丸め込むのは、明白な詐欺であって、日本では犯罪行為なんです‼️
作家には、著作者人格権がある。
著作権は、契約の内容によっては、全て譲り渡されることがあるかもしれないけど、著作者人格権は、その人だけのもので譲渡ができない。
原作の性格を著しくを損なう改変は、同一性保持権の侵害に相当します。
恐ろしいことに、クリエーターの契約現場では、暗黙の了解として、契約の条件にこの「著作者人格権を作者が行使しない」という条項が含まれている、という話です。
これは、美大の授業できいた話なので、本当に制作現場ではそういうことが起きているんだと思います。
現実問題として、ちょっとの改変も原作者が許さない、と言い始めたら、メディアミックスなんて不可能、ということはあります。
だから、ある程度は仕方がないんだと思う。
だけど、だからといって、なんでも許されるわけじゃないんですよ。
だから、ちゃんと、最初に、どこまでの改変を許すか合意して、それをどちらかが破ったときには、どういう対策をとるか、というところまで話し合って、賠償金の金額も書き込んで、って、ちゃんと契約書作らないとだめだと思う。
自分の原作を台無しにされた、と、傷ついている作家が沢山いる。
で、私思うんですけど、今必要なのって「自分は、原作をこういうふうに改変されて、それがすごく嫌だった」という、実際のクリエイターの生の声を反映したデータベースなんじゃないかと。
匿名でもいい。ドラマ化に際し、どういう改変が起こり得るのか、という情報を、クリエイター全体が共有する必要があると思う。
そうしたら、具体的に、原作者とドラマ製作者がその一覧を見ながら、「これだけはやらないでください」って言えるし、なんならそれを条件にした契約書が作れるじゃないですか。
なんなら、そこに、読者側のいいね!を押せるボタンもつくっといたら、どういう改変が読者もイヤなのか、同時にわかるんじゃないかと。
それって、多分、テレビドラマを作る方にも、参考になるデータだと思うんだよなぁ。
現実には、それがあったって、ノーといえない人はいると思う。
つまり、この仕事を断ったら、次の仕事がこないかもしれない、と怯えている、あるいは、明確にそう出版社側から脅された、とか。
でも、それこそ、その美大の授業にもあったんですけど(笑)
それって、自分の生活の収入源を、一箇所に絞らない、ってくらいしか、対策がないと思う。
それで、ヤバイと思った仕事はきっぱり断る。
そのへんは、クリエイターだけが特別なわけじゃないですよね。
日本の下請け企業は、ほとんどがそれで涙を飲みながら営業してるわけで、そこの部分は、なにか創作的なことをやっているからといって、逃れられるしがらみではないので。
……というわけで、今現在、収入のクチが一つしかない私としては、最後に盛大なブーメランが返ってきてしまったわけですけど(笑)
この先は、ホント、冗長性がキモだ、と思う今日このごろです(笑)。
なんにせよ、悩んだら周囲に相談!!!
これだけは、どんな分野も、今も昔も、かわらんなぁ。。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?