私が出生前検査が今の時代には必要だと考える大きな理由
私は今まで何人もの知的ハンディキャップ・身体ハンディキャップの子どもたちと関わってきています。
当たり前の事ですが、みんなハンディキャップがない子どもたちと同じく、とても素敵な子どもたちです。
残念ながら昔も今も差別する人間は多いです。
そして今も昔も、ハンディキャップを持った子どもたちを育てる事は、ハンディキャップを持っていない子どもを育てる時よりも手を掛ける必要がある事が多いです。
保護者が自分の時間をかなり費やして子育てされている姿を沢山見てきており、その方々を本当に尊敬しています。
ただ、それが出来る保護者が今の時代かなり少なくなっています。
それはハンデキャップを持っていない子どもの子育てですら、躾すら出来ていない保護者が増えていることからも容易に想像できます。
そして今の時代、保護者が両親共働きや下手したら単身赴任でワンオペ育児、勿論シングルマザー・ファーザーのケースがとても多い事は周知の事実です。
それでも、ハンディキャップの子どもの子育てを支援する福祉施設と人員が全国で充実しているのであれば、まだ良かったのかもしれませんが、現実は違います。
放課後デイサービスなどに企業が参入し、数は昔よりは増えています。
しかし、人員が全然足りていません。
子どもたちの為、保護者の手助けをしたい想いから頑張っている方々を見てきていますが、圧倒的に人員が足りていなく、社員さんに関しては皆さん疲弊していると言っても過言ではないほどです。
施設の環境も良いと言える様な十分な施設ばかりではありません。
学童同様に、広さが人数に対して十分確保できない状況に需要と供給のバランスが崩れている事から生じているところも多いです。
それは決して怠慢などではなく、限られた環境・限られた資金・人員不足で現場が結果的にそうなってしまっているのです。
保護者の方も疲弊し過ぎて、精神が病んでしまう方も少なくありませんし、精神的に限界で虐待してしまう一歩前まで追い込まれてしまっている方もいます。
そんな状態ですから、どこかでは虐待が見えない所で起きていると思います。(こればかりは現場を見ていない以上断定は出来ません。)
ハンデキャップを持って生まれてくる事は何も悪いではありません。
ただ、私は綺麗事と他人事で出生前検査を否定する人に嫌悪をとても感じます。
他人事に無責任に何でも好き放題言っても、自分は何の大変さもありませんから。
ハンディキャップを持ったお子さんを育てた保護者の方が、素敵な子育てエピソードや現状をお話される事は、とても素敵だと思って素直に聴いています。
ただそれは、その保護者の方が素晴らしく、その子育てが出来る素質と尽力と環境がある程度何とかなった色んな要素があったからの結果の話です。
それが、誰にでも出来る事とはイコールにはならないのです。
ハンディキャップを持って生まれる事が良くない事だなどという無知で愚かな考えを、私は100%持ちあわせておりませんが、
今の世の中の人は、便利が満ち溢れた中で育ってきているので、ハンディキャップを持った子どもを育てられるだけの精神力の強さや器量が備わっていない大人が多いのが現代人です。
そして日本は偏見・差別もまだまだ多く、ご近所付き合いなどの人間関係も軽薄になり、支援する施設の数も人員も足りておらず、ハンディキャップを持っている子どもを育てるには環境が整ってなさ過ぎなのです。
・手が掛かるからと育児放棄・虐待などで苦しむ子ども
・周りの協力や理解が乏しく疲弊し、追い込まれて精神が病んでしまう保護者
これら不幸なスパイラルに巻き込まれる人を生まない為には、
今の時代には出生前検査がとても必要であると考えています。
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