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V系と初恋の存在のような君(女子)の話(長)

とても不思議な感じです。
現在、V系のDEZERTさんにハマっており、少しずつ、音源やYoutubeを拝見する中で、ムックのたつろうさんの番組に行き着きました。すみません、バンド名とお名前の正確な表記、番組の正式名称は分かりません。
個人的にバンド名に“さん”を付けがちなんですが、ムックだけは、ファンだった訳じゃないけど、自分にも茨城にもなくてはならない存在なので、感謝の意も込めて、ムック呼びさせて頂きます。

DEZERT登場前のシーンを何となく見ていたら、たつろうさんが、グルグル、犬神サーカス団、ラヴィアンローズ、と口にされていて、わーーー!と思った世代です。
グルグル映畫館さん、本当に素敵でしたよね。何度か、自分が大好きだったバンドと対バンされる機会があり拝見したのですが、グルグルさんの演奏が始まると、客席はお客さんと演者でいつも一杯でした。当時大好きだったバンドのスタッフをさせて頂いていたのですが、グルグルさんの出番になると必ず、他バンドのスタッフさん含めて、「物販見ててもらっていいですか?」「少し見てきていいですか?」と言い合っていました。そして僅かな隙間から代わり番こに拝見していたので、グルグルさんだけは、いつかまた拝見したいなと思っていました。メンバーさんもスタッフさんも硬派で素敵な方々だった記憶です。いつか、映画館で上映してくれないかな。現代なら、人間椅子との対バンとか、見たかったです。

前に青春の水戸ライトハウス'97ってnoteを書いたのですが、私には、まるで初恋の存在のような君(女子)がいます。
1998年、高校に入学したての春、私はゆきえに出会っていなければ、今の人格とは異なる全く別の人間になっていたと思います。
そのゆきえが、私をナンパしてくれたのは、ムックのおかげなのです。
なんでも、その頃、ムックのライブに1人で行きたくないゆきえが、逆毛ワックス&着物リメイクショルダーで浮わついていた田舎JKの私を、ライブハウス通いしている女子と勘違いして、ナンパしてくれたそうなのです。
自分はその少し前にミッシェルのライブを見に行った事もあって、水戸ライトハウス自体に興味があったんですね。何より、可愛い子にナンパされたら、ついて行きますよね。
ゆきえに連れられて行った実質二度目のライトハウスは、みんなが目当てのバンドを最前で見られるような、3,4組ぐらいのバンドが集まる対バンイベントでした。付き合わせてしまったと思わせてしまったのか、チケ代の500円はゆきえが出してくれました。
以降夏まで、ゆきえに誘ってもらい、ムックのライブに通いましたが、当時はチケ代も物販のカセット代もお安かったので、ゆきえを愛するお供としてはとても有難かったです。

当時の茨城ですから、早い時間に出演してるバンドさんの多くは十代で、誰かや誰かの中学ん時の先輩、みたいな感じが多かったように思います。私は田んぼの真ん中出身だったので、どなたも存じ上げませんでしたが。
そんな中、ゆきえ目当ての拝見とはいえ、当時の水戸でも、ムックのたつろうさんは、格別目立っていた気がします。通りの少し先を歩いてらしても気付くほど、都会的なオーラがありました。
ある時、いつものバスに乗るやいなや、後部座席に黄緑色のお洒落なパンツを履きこなしてるお兄さんが座っていました。自分はその方の顔は見ずに、下を向きながら、いつもの前方の座席に座ったのですが、思わずゆきえに、たつろうさんっぽい人が関鉄に乗ってる、とEメールを送ると、やはりそれは、たつろうさんだった、どうでもいい記憶です。

夏前でしょうか?とうとう夜のライブも見に行く事になりました。ラヴィアンローズとの対バンだったと思います。ラヴィアンさんのライブは、ミッシェルの時みたく成人男性が多く激しかったような気がします。つい最近まで、茨城ダッシュは、ラヴィアンさんのオリジナルだと思っていました。
カリガリさんとの対バンを見たのは、水戸だったか新宿だったか覚えてないけれど、衝撃の強さは覚えています。なにせ白塗りの人を見たのは初めてでしたから。そして何より、今だに、せんせぇい!というあの曲が、たまに頭の中を流れます。もう25年も前ですよ?音源も持っていないのに、流石すぎます。
カリガリ、ラヴィアンローズ、ブラッフマン、通りすがりの高1でも、この3バンドが水戸ライトハウス以外でも人気のあるバンドだという事は分かりました。
そして、カリガリやラヴィアンと対バンするムックもまた、ベテランの彼らに全く引けを取っていない様に見えました。
まだ新宿ロフトが小滝橋通りにあった頃、そこで行われたカリガリさんの主催イベント東京地下室が、ゆきえと行った、最初で最後のムック東京遠征でした。

それから3,4年後でしょうか。一度だけ、ゆきえとお台場のどデカいライブハウスへ、ムックを見に行きました。Zepp Tokyoだったかな?余りに大きな会場に、とんでもなく沢山のコアなファン、圧巻の光景でした。

その後、ゆきえも自分も各々の人生を歩み、四十路になり、やっと久しぶりに再会できました。昔と変わらず可愛いゆきえは、「私あんたの人生変えちゃったんだよね」と言いました。随分と心配をかけていたのだと、とても申し訳なくなりました。八八さんのライブに行った話をしたら、「やっと好きな音楽ができてよかった」とも喜んでくれました。
ゆきえよ、今なら、あの頃のあなたの気持ちが分かります。
あなたは、ヴィジュアル系じゃなくて、ムックの音楽が好きだったんだよね。
私は今、ずっと避けてきたヴィジュアル系ど真ん中の、けど、見た目とか系とかどうでもいいぐらい格好いい、DEZERTさんの音楽が聴きたくて知りたくて、たつろうさんの番組を釘付けになって見ています。
私が苦手だった上下関係の厳しい、ザ縦社会のヴィジュアル系ではなく、若い世代のアーティストへも、世代問わずリスペクト対応のたつろうさんが、とても素敵な大人に見えました。
ムックのライブに通ったあの僅かな青春時代は、とてもいい思い出です。
もうムックのライブに行く事はないと思っていたけれど、ゆきえよ、もしDEZERTさんがまたムックと対バンしたりして、万が一チケットが取れたりしたら、今度は私が誘ってもいいかな?
「好きなバンドのライブがあるの。一緒に行かない?」って。